この記事を読んで分かること☝
- 二世帯住宅のデメリット体験談
- 失敗しない二世帯住宅を建てるポイント
- 二世帯生活をうまく送っていくためのコツ
今回は、二世帯住宅で暮らす子世帯夫婦の夫の心得を解説します。夫の立ち回り方次第で二世帯住宅は、成功にも失敗にもなる非常に重要な役割を担っています。
私は10年前に完全分離型の二世帯住宅を建てて現在も暮らしています。そんな私(子世帯夫婦の夫)が普段何を考え、二世帯生活を送っているのか、実際の体験を交えて書いていきます。
実際に経験してみて感じたことは、二世帯住宅での生活で一番の山場は最初の3年間です。
ここをうまく乗り切ることができれば、そのあとは楽になっていきますし、逆にここをうまく乗り切ることができないと二世帯住宅での生活は、破綻へと向かっていきます。
これから二世帯住宅を検討されるすべての方に読んでいただきたい内容となっていますので、長文ではありますが、どうかお付き合いください。
2012年に年収470万円ながらローコストハウスメーカーで二世帯住宅を新築。二世帯住宅での生活歴10年。(継続中)
実際にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を建てた経験とその後の生活の経験を活かし、二世帯住宅の情報を発信中。
一男一女の父親。
- 二世帯住宅での生活 5つの重要ポイント
- 我が家の二世帯住宅と家族構成
- 二世帯住宅での暮らし経験談(新築から3年目まで)
- 二世帯住宅での暮らし経験談(4年目以降)
- これから二世帯住宅を検討される方へのメッセージ
二世帯住宅での生活 5つの重要ポイント
最初に結論を書かせていただきますが、二世帯住宅での生活を問題なく送るためには、下記の5つが重要ポイントです。
私が10年間、二世帯住宅で暮らした実体験をもとに感じたことです。10年経過した現在は落ち着いていますが、今でのこの考え方が基本にあります。
これから二世帯住宅で暮らすあなた(夫)は、しっかり読んでみてください。
- 最初の3年間は投げやりにならず、頑張ること
- 腹が立ってストレスが溜まっても感情的にならないこと
- 何か言いたくなっても一呼吸おいて冷静になること
- もめ事が起きた時は、お嫁さんの味方をすること
- 問題をすぐに解決しようと思わないこと
<最初の3年間は投げやりにならず、頑張ること>
離れて暮らしている時は、特に気にならなかったことも、近くで暮らすようになると親世帯、子世帯ともに相手の粗が見えたりします。
正確に言うと粗というよりは生活習慣の違いですね。親世帯とお嫁さんは赤の他人で育った環境も違い常識も違います。それが違和感となり不満となります。
二世帯住宅で暮らし始めた3年間は、この常識の違いにより嫁姑間でもめ事が起きやすいです。その間に挟まれるあなた(夫)は非常に辛い立場に立たされますが、3年間はとにかく我慢が大切です。
<腹が立ってストレスが溜まっても感情的にならないこと>
実際に嫁姑問題の間に挟まれると、想像を絶するようなストレスがあなた(夫)にかかります。その嫁姑問題の原因を聞いてみると、たいしたことじゃないケースが多々あります。
そんな時「こんなことで揉めるなんて・・・」みたいな感じで感情を爆発させてはいけません。ストレスが溜まっても感情的にならないようストレス発散方法を考えておく方がいいですね。感情的になって良いことは一つもありませn。
私の場合は、読書をしながら昼寝ですね。そうすると自然とストレスが収まってきます。要するに嫁姑問題の悩みを頭から一旦なくすことが大切です。
<何か文句を言いたくなっても一呼吸おいて冷静になること>
あなた(夫)の性格にもよりますが、イライラした時、瞬発的に文句を言ってしまう人は要注意です。嫁姑問題を鎮静化するためには、冷静な判断が必要です。
分かりやすく言うと正論だけでは、うまくやっていけないということですね。文句を言いたくなった時、瞬発的に言うのではなく、嫁姑問題の状況を判断して、最適な言葉を選んで話をする、もしくは時間が過ぎるのを待つということも必要です。
<もめ事が起きた時は、お嫁さんの味方をすること>
これは絶対ですね!家族の中でお嫁さんだけが他人ですから、あなた(夫)は絶対にお嫁さんの味方につかなければなりません。仮にお嫁さんの方が間違っていても、正論で間違いを指摘してはいけません。
お嫁さんが正しくても間違っていても、とにかくお嫁さんの味方ですよ。二世帯住宅でうまくやっていくためにもっとも大切なことです。
<問題をすぐに解決しようと思わないこと>
二世帯住宅での生活で、これ重要なことです。二世帯暮らしを始めたばかりの頃は何かと問題が起きますが、すぐに解決しようと思わないことですね。
要するに「何が正しい」とか「何が間違っている」などをはっきりさせようとしないことです。常に結論を出していこうとすると皆が窮屈になって、問題はもっと大きくなってしまいます。
我が家の二世帯住宅と家族構成
我が家は、完全分離型の二世帯住宅で上下に分かれています。1階が親世帯で2階が子世帯です。
- 1階の間取りは、2LDKで暮らしているのは、親世帯夫婦の2人です。
- 2階の間取りは、3LDKで暮らしているのは、私と妻、そして子供2人です。
この家で暮すようになったのが、約10年前でそれぞれの年齢は
<親世帯>
おじいちゃん:現在77歳
おばあちゃん:現在75歳
<子世帯>
私:現在45歳
妻:現在43歳
子供:現在 中学生2人(2歳違い)
ちなみに親世帯は、私の両親です。
二世帯住宅での暮らし経験談(新築から3年目まで)
二世帯住宅を建てたのが10年前なので私は35歳、子供たちは二人とも幼稚園に通っていました。
今思い返しても、最初の3年間は精神的にきつかったですね。やっぱり完全分離型の二世帯住宅と言っても、色々な部分で何かと問題が起きます。ですから、まずは3年目までの体験談を書いていきます。
・エピソード1(音がうるさい)
これは暮らし始めて、すぐ起きた問題でしたが2階に住む私たちに対して、親世帯から足音などがうるさいとのクレームが入りました。
私たち全員、これまでマンションや団地で暮らしてきたので、一戸建てがこれほど音が響くと知りませんでした・・・
特に子供たちが小さかったので、なおさらだったとは思いますが、家も建ててしまっているし、後戻りもできないので、結構、困ったことを今でも思い出します。
妻は、「生活していれば小さい子供もいるので仕方ない」という感じで、完全に私が妻と親世帯に挟まれる状況となりました。
家を建てる時にもっと防音について、考えていれば・・・と何回も思いましたが後の祭りです。妻と親世帯は、言いたいことがあると直接ではなく、私に言ってくるんですよね・・・
私としては、とりあえず出来ることをするしかないので、フローリングに防音絨毯を敷いて対策をしました。(これでかなり音問題は解決できましたが、でも今でもたまに音がうるさいって言われます。まぁ妻には、何も伝えていませんが)
・エピソード2(妻があいさつにこない)
子供の面倒をみてもらったり、年末年始などに妻があいさつに来ないと親世帯からクレームが入りました。
大人としてどうなの・・?みたいな感じで。言われた私としては、「そんなこと言われても・・」って感じでメチャクチャストレスが溜まります・・・
妻にそんなことをストレートに伝えたら、それこそ大変なことになるので、言えないですし、自分の中でぐっとため込むしかないんせすよね。
でも私もさすがにストレスに耐えきれなくて、妻に子供達にもあいさつをさせたいから皆であいさつに行こう、ということで、しぶしぶついてきてもらい何とかしました。
妻としても親世帯の言いなりにはならないという意思が見られたので、どうしたもんかとすごい悩みました。
私としては、あいさつくらい行けばいいんじゃないのって思うんですが、嫁姑の関係だとこれがスムーズにいかないんです・・・・
・エピソード3(夜中の行動)
完全分離型の二世帯住宅といえども、夜外にでかけたり、夜中に部屋の片づけをしていたりすると親世帯に音が聞こえます。
親世帯から「夜にどこにでかけたの?」や「夜中に何をやっているの」など、次の日聞かれたりもしました。もちろん私に。
私としては、適当に急用があって出かけたと言ったり、夜家の片づけをしていた、など答えていました。親世帯としては、妻のことが気になるようで、何か変わったことがあるとすぐに私に言ってくるんです。
こうやって聞かれていることを妻には、もちろん言えないです。
親世帯としては、気なしに聞いているのだとは思うんですが、なんか監視されているような気になるんですよね。
親世帯から夜の行動について聞かれていることを妻に言ったら、崩壊しそうなので、全部黙っていました。その分、ストレス溜まりましたが・・・
この時は、ネットで二世帯住宅の音対策について、すごい検索しましたよ・・・家がすでに建ってしまっているので、実際には難しかったですが・・・
・エピソード4(妻に対して気になることがいっぱい)
親世帯から妻に対して、小言がいっぱいあると言われました。
とにかく気になることがたくさんあると・・・。そんなこと言っていたら二世帯で暮らしていけないと思いつつ、でもこの時ばかりは、私も親にはっきり言いました。
育ってきた環境が違うわけだし、自分の常識だけで妻をみていたら二世帯生活はうまくいかない、と言う感じで。
私としても色々なことでストレスが溜まっていたし、どうにかこの状況を打破しないといけないと思いじっくり話をしました。
親としては、分かったような分かってないような顔をしていましたが、とりあえず、この後しばらくは静かにしていました。
エピソード5(買い物について)
妻は、よく買い物に行きます。大した買い物ではないんですが、買い物に行く回数が多くて、それに対し親世帯からそんなに買い物に行くから、お金がないんじゃないの?みたいな感じで言われました。
これも当然ながら妻に伝えれば、大変なことになるので、私の中で封印しました。これはエピソード4に書いた妻の行動が気になって仕方がないということの一環です。
二世帯住宅で頑張って生活しているんだから、そんなゴチャゴチャ言わんでいいでしょって感じですが、私としては何とか二世帯生活をうまくやっていかなければならないと思っていたため、我慢しました・・・
・エピソード6(光熱費の支払割合)
光熱費ですが、我が家の場合、ガスは1階と2階で分かれて契約していますが、水道と電気は一つの契約なんですよね。
二世帯住宅で一つの契約だと1階と2階で、どちらがどの程度、水道を使用したのか、電気を使用したのか、分かりません。
なので、住み始めた当初は、親世帯から水道代が高すぎるんじゃないの?お風呂のシャワー出しっぱなしじゃないの?などなど、電気も含めて、支払金額に文句が出てきます。
我が家としてもそれほど無駄に使用した覚えはないですし、これも親世帯からクレームが入ったと妻には伝えられないんですよね。
私としては、それとなく「水道と電気、節約しようかぁ」って言うのがやっとです。私的には、水道代と電気代の請求日が嫌で嫌で仕方なかったです。
・エピソード7(郵便受け)
二世帯住宅なので、郵便受けも2つありますが、郵便局員の方が面倒くさいからなのか、親世帯の郵便受けにすべて、郵便物を入れてしまうことがしばしばありました。
郵便物ってプライバシーなので、気分はよくないですよね。
親世帯から「こんな郵便物が届いていたよ」って言われたこともあります。(妻には言っていませんが)もし妻が、この事実を知ったら何と言うか、考えただけでもしんどかったので、何も言いませんでした。二世帯住宅だとこんなところにもストレスの元があるんです。
・二世帯住宅での生活 3年目までのまとめ
他にももっとエピソードはありますが、全部は書ききれないので負荷の大きい話に絞りました。一応、念のため書いておきますが、最初の3年間はこの7つの問題が何回も発生します。
要するに解決していないから何回も問題になるわけですが、無理やり結論を出してしまうともっと大きな問題になる可能性があるため、とにかく我慢&気分転換が必要です。
今、振り返ってみても最初の3年間は結構、辛かったですね。
何かにつけて、間に挟まれストレスがたまり、かと言って相談する相手もいないので自分で考えて対応するしかなったです。
妻と親世帯の両方の顔を立てないといけないので、間に入っての調整は、かなり難しかったです。「こんなんだったら二世帯住宅なんて建てるんじゃなかった」と何度も思ったことがあります。だって、妻も親世帯もうまくやっていこうって姿勢が見えないんですから・・・
でも、よくよく考えると、この状況ってある意味、自然なんだと思いました。二世帯住宅で暮らすとなった場合、妻と親世帯はお互いのことを詳しく知らないため、警戒心があります。
それが上記の出来事として表面に出てきているだけだったと今では理解できますね。
二世帯住宅での暮らし経験談(4年目以降)
最初の3年間は非常に辛かったですが、それを乗り切るとすごく楽になってきました。理由は、おそらく妻と親世帯ともにお互いの生活スタイルやペースが分かってきたので、何かあっても何とも思わなくなったのだと思います。
4年目以降は、ストレスのたまる出来事は覚えていないので、そう問題はなかったのだと思います。4年目以降のエピソードも紹介していますので、読んでみてください。(3年までのような悪いエピソードはないですが)
・エピソード1(長期休み中の子供の面倒)
この頃には、子供たちは幼稚園を卒園し小学校へと入学していました。我が家は私も妻もそして、おじいちゃん、おばあちゃんも仕事をしていました。春休みや夏休みの長期休みに入ると当然ながら誰かが子供たちの面倒をみなくてはなりません。
こういう長期休みの時は、1週間のうち、おばあちゃんが3日間、妻が2日間、仕事を休んで交互に子供の面倒を見ていました。妻と親世帯の距離が、ちょっと近づく出来事でしたね。
・エピソード2(おじいちゃんの入院)
悪い病気ではなかったんですが、手術するためおじいちゃんが入院しました。平日は私が仕事なので、妻が病院へ着替えを持って行ったり、子供たちが面会したいといえば連れて行ったりしていました。
また退院の時は、妻が病院からおじいちゃん、おばあちゃんを家まで乗せてきてくれました。多分、親世帯もすごい助かったと思っていたことでしょう。二世帯住宅で暮らし始めた最初の3年間にこれが起きていたらどうなっていたかは分かりませんが。
こういうのの積み重ねで信頼関係が芽生えるのだと思いました。どうしようもない状況になれば、協力するしかないので。
・エピソード3(子供の怪我)
小学生の頃、子供が野球部にはいっていたんですが、ある日学校からケガをしたと妻の会社へ連絡が入りました。
学校からは病院へ連れて行くので、迎えに来てほしいということでしたが、私たち夫婦は仕事があるので、迎えに行けません。ちょうどおばあちゃんが家にいたので、子供を迎えに行ってもらいました。
・二世帯住宅での生活 4年目以降のまとめ
最初の3年間は酷かったですが、その経験を踏まえて、親世帯と妻ともにお互いに人間関係の距離感を掴めたという感じですね。近からず遠からずという感じで。
仲がいいわけでも悪いわけでもないですが、日々生活に困らない関係になったのだと思います。
こういう関係が築けたのは、時間が経ったからということもありますが、それと同時に子供が大きくなったということもかなり要因としてあるように思います。
というのも、子供が色々なことを理解するような年齢になったし、自分の意思で行動するようになったので。さすがに理解のできる子供が近くにいたら、親世帯も妻もうまくやっていこうと思いますよね。
あとは、子供が小さい頃は、親世帯も子供の用事も私や妻に伝えていましたが、子供が大きくなってからは子供に直接話をするようになったということも大きいと思います。
これから二世帯住宅を検討される方へのメッセージ
私自身、実際に生活してみるまで、二世帯住宅での生活でこれほど苦労するとは思っていませんでした。
というのも妻も親世帯もそれほど癖のある人間に思っていなかったですし、普通にうまくやっていけると思っていました。
それが実際に生活してみると妻も親世帯も私の想定を超えた側面を見せてきて、全く想定外の苦労をすることになりました。
私は何とか乗り切ることができましたが、結構、挫折する人も多いのではないかと思います。(もちろん最初からうまくやっていけるご家庭もあるかもしれませんが)
この記事は私目線(夫)なので、私の気持ちを書いていますが、二世帯住宅での最初の3年間は、全員がストレスをため込んでいたのだと思います。でも私のこの3年間の出来事に二世帯住宅の課題がはっきり表れています。
私がこれから二世帯住宅を検討される方にお伝えしたいことは、私が経験した3年間の内容も加味して、良い二世帯住宅を建てていただきたいということですね。
せっかく高いお金をかけ二世帯住宅を建てて、ストレスをため込むなんてもったいないですから。少しでも私の経験を役立てていただければ幸いです。
今回のお話は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。