この記事を読んで分かること☝
- アイダ設計 倒産の可能性
- アイダ設計 赤字の原因
- アイダ設計の決算内容
アイダ設計が2023年3月期の中間決算で赤字になったという情報があり、決算書から財務内容を調べてみました。
2022年4〜9月期の連結決算で、最終損益は2億9600万円の赤字となった。
当ブログ内でアイダ設計をオススメしている記事もあり、これからアイダ設計で新築を検討される方に正しい情報をお伝えしたいと思い、この記事を書くことにしました。
基本的なこととして、アイダ設計の決算月は3月で、中間決算というのは2022年9月の決算においての話です。
細かい数字は、のちほど詳しく解説しますが、確かに2022年9月の中間決算で赤字に転落していました。
ただ、決算書を分析すると、倒産が心配されるような財務内容ではなく、また赤字となった原因もはっきりしているので、現在、アイダ設計で契約されている方、これからアイダ設計で検討される方は、安心してください。
新築を検討するうえでハウスメーカーの倒産は何よりも心配ですよね。私も10年前にタマホームで新築しましたが、ネット上では「倒産秒読み」なんて書かれていたりしたので、ヒヤヒヤしたもんです。
この記事では、アイダ設計の財務内容、赤字の原因、そして今後の展望を決算書の数字をもとに解説していきますので、ぜひ、最後まで読んでください。
2012年にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を新築。
二世帯住宅での生活(生活歴10年)しながら、最もローコストで理想の二世帯住宅が、どういうものなのか研究。
実際にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を建てた経験とその後の生活の経験を活かし、二世帯住宅の情報を発信中。
一男一女の父親。
財務内容を分析する際の決算書の項目
一般的に企業の内務内容を判断する際、決算書で下記の項目を分析します。普段、生活していてもなかなか見ることのない言葉で分かりにくいかもしれませんが、出来る限り分かりやすく書いていますので、読んでみてください。
- 自己資本比率
- 営業利益率
- 流動比率
簡単にそれぞれ説明すると
<自己資本比率>
総資本のうち、他社からの資本と自分の資本の割合。自己資本比率が高いほど、自分のお金が多く、他社のお金に依存していない。財政基盤の指標。10%以下だと脆弱。
<営業利益率>
本業で稼げているかどうかの指標。赤字決算の場合、ここがマイナスになる。マイナスになった場合、原因の特定が重要。
<流動比率>
資産と借金の割合。100%以下だと資産より借金の方が多いことになる。150%ほどだと財務的に安心。
アイダ設計の決算書分析
ここでは直近2年分の決算書データから比較して、アイダ設計の財務内容を分析します。
自己資本比率(総資本合計÷資産合計×100)
2022年3月期 | 2022年9月期 | |
---|---|---|
資産合計 | 59,456 | 62,539 |
総資本合計 | 13,507 | 12,720 |
自己資本比率 | 22.7% | 20,3% |
赤字決算となった2022年9月期は、自己資本比率が少し低下していますが、問題になるような数字ではありません。
2021年3月期の自己資本比率が、20.5%でしたからそれと同レベルです。10%を下回ると心配になりますが、20%台をキープできているので心配いりません。
健全な財務内容です。
参考データ
- タマホーム:自己資本比率 29%
- 秀光ビルド:自己資本比率 14%
- 住友林業:自己資本比率 37%
営業利益率(営業利益÷売上高×100)
2022年3月期 | 2022年9月期 | |
---|---|---|
売上高 | 61,992 | 29,367 |
営業利益 | 1,727 | △434 |
営業利益率 | 2.7% | △1.5% |
まず誤解のないように2022年9月の売上高が約半分なのは、半期の決算だからです。前期と比較して売上高は減少していません。
ただ、営業利益がマイナスになっています。この営業利益がマイナスに転じた原因は、原価高騰によるものです。というのも、決算書で原価率が明らかに上昇しています。
ちなみに原価率というのは、売上高に占める原価の割合です。原価率が高いほど、利益を圧迫します。
下記は、原価率を比較したのもです。
2022年3月期 | 2022年9月期 | |
---|---|---|
売上高 | 61,992 | 29,367 |
売上原価 | 49,626 | 24,336 |
売上原価率 | 80% | 83% |
2022年3月と9月で売上原価率が、3%も上昇しています。もし2022年9月の決算で売上原価率が、前期と同じ80%であれば、赤字には転落していません。
この内容からアイダ設計が、材料費の高騰を原因に赤字に転落したことが分かります。
売上高は微減ですから、原価率を改善できれば、すぐに黒字に転じると想定できます。ちなみに原価率を改善する方法は、2つあり、一つは原価低減、もう一つは値上げです。
単純には言えませんが、おそらく新築価格の3%前後、値上げするのではないでしょうか。(原価上昇分)
流動比率(流動資産÷流動負債×100)
2022年3月期 | 2022年9月期 | |
---|---|---|
流動資産 | 43,804 | 46,801 |
流動負債 | 28,737 | 30,233 |
流動比率 | 152% | 154% |
短期的な倒産のリスクは、この比率が重要です。100%以下だとすぐにお金に換えることのできる資産より負債の方が大きくなり、健全な財務内容とは言えません。
この半期で赤字に転落していますが、流動比率は逆に良くなっているので、赤字と言っても財務内容的には問題ありません。他のハウスメーカーと比較しても優秀です。
参考データ
- タマホーム:流動比率 117%
- 秀光ビルド:流動比率 97%
- 住友林業:流動比率 217%
アイダ設計 倒産の可能性は?
決算書を分析した結果、倒産を心配する内容ではありません。ですから冒頭にも書かせていただきましたが、安心して家づくりを検討してください。
まず、財務内容面では、全く問題ありません。問題があるのは、材料費高騰による利益率の低下です。
ローコストハウスメーカーは、コストメリットを出すため、大手ハウスメーカーと比較して、利益率が低めになっています。これはアイダ設計もタマホームも同じです。
もともと低い利益率のところに昨今の材料高騰の波が押し寄せ、利益率がさらに低下し、赤字になったわけです。
決算書には、すでに価格の見直しを行い、すでに対応していると説明されていましたので、次第に赤字は解消されていくことでしょう。おそらく原価率の上昇率からみて、3~5%の値上げがされていると思われます。
でも、こういった赤字情報と分析は、アイダ設計が上場企業であったから分かったことであり、未上場で決算発表をしていないハウスメーカーでは、もしかしたらもっと大きな問題を抱えているところもあるかもしれません。
そういう意味では、今後、新築を検討する際、株式を上場しているという条件は、ハウスメーカー選定で大きな要素になっていくと感じます。
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ここで解説させていただいた通り、倒産の心配はないですから、ローコストハウスメーカーで新築をご検討の方は、アイダ設計も候補の一つとして検討してみてください。値上げがあるといっても価格優位性は、他のハウスメーカーよりあります。