この記事を読んで分かること☝
- アイダ設計 倒産の可能性
- アイダ設計 赤字の原因
- アイダ設計の決算内容
前年の2023年3月期の決算は、約20億円の赤字でした。2024年3月期(今期)がどうなるのか注視していましたが、中間決算(2023年4~9月)では、黒字化されており、業績が持ち直していることがうかがえました。
そして2024年5月13日に最終的な業績が発表されており、約8億円以上の黒字になりました。
アイダ設計は、もともと財務内容がしっかりしているので、赤字だからといってすぐに倒産を心配するような会社ではないですが、それでもアイダ設計で新築を検討している方にとって前期の決算内容は心配の種でしたよね。
当ブログ内でアイダ設計をオススメしている記事もあり、これからアイダ設計で新築を検討される方に正しい情報をお伝えしたいため、定期的に経営状況を解説しています。
最初に結論をお伝えすると、細かい数字は、のちほど詳しく解説しますが、決算書を分析する限り、倒産が心配されるような財務内容ではなく、また赤字となった原因もはっきりしているので、現在、アイダ設計で契約されている方、これからアイダ設計で検討される方は、安心してください。
新築を検討するうえでハウスメーカーの倒産は何よりも心配ですよね。私も10年前にタマホームで新築しましたが、ネット上では「倒産秒読み」なんて書かれていたりしたので、ヒヤヒヤしたもんです。
この記事では、アイダ設計の財務内容、赤字の原因、そして今後の展望を決算書の数字をもとに解説していきますので、ぜひ、最後まで読んでください。
2012年にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を新築。
二世帯住宅での生活(生活歴10年)しながら、最もローコストで理想の二世帯住宅が、どういうものなのか研究。
実際にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を建てた経験とその後の生活の経験を活かし、二世帯住宅の情報を発信中。
一男一女の父親。
2024年3月期 決算内容
2024年5月13日にアイダ設計が、2024年3月期の決算内容を発表しました。
※( )内は前期実績
- 売上高:57,890百万円(56,468百万円)
- 営業利益:806百万円(マイナス1,160百万円)
- 営業利益率:1.39%(マイナス)
- 自己資本比率:18.8%(16.5%)
となり、前期の赤字から黒字に転換しましたね。また財務の強化を目的として、固定資産を譲渡しており、そこでも利益を得ています。
また営業利益率が低いですが、「888万円の家」や「999万円の家」など、集客力の高い住宅の販売を開始しており、来期以降はもっと良い結果になる可能性があります。
読売ジャイアンツのスポンサーの継続も2024年3月に発表されており、財務的にはまだまだ余裕がありそうです。
財務内容を分析する際の決算書の項目
一般的に企業の内務内容を判断する際、決算書で下記の項目を分析します。普段、生活していてもなかなか見ることのない言葉で分かりにくいかもしれませんが、出来る限り分かりやすく書いていますので、読んでみてください。
- 自己資本比率
- 営業利益率
- 流動比率
<自己資本比率>
総資本のうち、他社からの資本と自分の資本の割合。自己資本比率が高いほど、自分のお金が多く、他社のお金に依存していない。財政基盤の指標。10%以下だと脆弱。
<営業利益率>
本業で稼げているかどうかの指標。赤字決算の場合、ここがマイナスになる。マイナスになった場合、原因の特定が重要。
<流動比率>
資産と借金の割合。100%以下だと資産より借金の方が多いことになる。150%ほどだと財務的に安心。
アイダ設計の決算書分析
ここでは直近2年分の決算書データから比較して、アイダ設計の財務内容を分析します。
<自己資本比率(総資本合計÷資産合計×100)>
2022年3月期 | 2022年9月期 | 2023年3月期 | 2023年9月期 | |
---|---|---|---|---|
資産合計 | 59,456 | 62,539 | 66,955 | 68,951 |
総資本合計 | 13,507 | 12,720 | 11,063 | 12,057 |
自己資本比率 | 22.7% | 20,3% | 16.5% | 17.4% |
自己資本比率が徐々に下がってはいますが、倒産を心配するような水準ではありません。
10%を下回ると少し注意しないといけないレベルですが、2023年9月期は17.4%まで改善してますので、気にする必要はありません。
自己資本比率は、健全な財務内容です。
参考データ
- タマホーム:自己資本比率 29%
- 秀光ビルド:自己資本比率 14%
- 住友林業:自己資本比率 37%
<営業利益率(営業利益÷売上高×100)>
2022年3月期 | 2022年9月期 | 2023年3月期 | 2023年9月期 | |
---|---|---|---|---|
売上高 | 61,992 | 29,367 | 56,468 | 25,939 |
営業利益 | 1,727 | △434 | △1,160 | 164 |
営業利益率 | 2.7% | △1.5% | △2.0% | 0.6% |
財務内容の観点で言うとこの営業利益率が問題です。
営業利益率がマイナスというのは、赤字経営ということです。ここをいかに改善できるかが重要です。ローコストハウスメーカー全般に言えることですが、ローコストハウスメーカーは、コストメリットを出すために、元々の利益率が低くなっています。
ですから、少し経済の状況が変わるとその影響を受けて赤字に転落しやすい体質です。
(大手ハウスメーカーは利益率が高く、赤字になりにくい。ただし、その分住宅価格が高く設定されている。)
アイダ設計の営業利益がマイナスに転じた原因
- 原価高騰(原価率の上昇)
- 原材料の納期遅延による建築棟数の減少
ちなみに原価率というのは、売上高に占める原価の割合です。原価率が高いほど、利益を圧迫します。
2024年9月期は、原価高騰が落ち着いてきたため、黒字に転換しています。もう少し営業利益率は高い方が良いですが、「高くなりすぎる=住宅価格が高い」という側面もあります。
下記は、原価率を比較したのもです。
2022年3月期 | 2022年9月期 | 2023年3月期 | 2023年9月期 | |
---|---|---|---|---|
売上高 | 61,992 | 29,367 | 56,468 | 25,939 |
売上原価 | 49,626 | 24,336 | 47,137 | 20,681 |
売上原価率 | 80% | 82.8% | 83.4% | 79.7% |
2022年3月と2023年3月で売上原価率が、3.4%も上昇しています。つまり仕入品の値上げの影響を受けているということですね。
もし2023年93月の決算で売上原価率が、前期と同じ80%であれば、赤字には転落していません。
この内容からアイダ設計が、材料費の高騰を原因に赤字に転落したことが分かります。
売上高も減少していますが、原価率を改善できれば、すぐに黒字に転じると想定できます。ちなみに原価率を改善する方法は、2つあり、
- 一つは原価低減
- もう一つは値上げ
です。
単純には言えませんが、おそらく新築価格の3%前後、値上げするのではないでしょうか。(原価上昇分)
例:3,000万円の家⇒3,090万円
値上げがあったとしても他のローコストハウスメーカー含め高いコストパフォーマンスが見込めます。
2023年9月期は、営業利益が黒字に転換しており、その要因は原価率の改善ですね。アイダ設計の決算書では、原価高騰が落ち着いてきたと説明しています。
流動比率(流動資産÷流動負債×100)
2022年3月期 | 2022年9月期 | 2023年3月期 | 2023年9月期 | |
---|---|---|---|---|
流動資産 | 43,804 | 46,801 | 52,385 | 55,740 |
流動負債 | 28,737 | 30,233 | 33,584 | 38,027 |
流動比率 | 152% | 154% | 155% | 146% |
短期的な倒産のリスクは、この比率が重要です。100%以下だとすぐにお金に換えることのできる資産より負債の方が大きくなり、健全な財務内容とは言えません。
2023年3月期で赤字に転落していますが、流動比率は逆に良くなっているので、赤字と言っても財務内容的には問題ありません。流動比率150%以上というのは健全経営の証です。
2023年9月期は150%を下回っていますが、営業利益率が改善しているため、この数字も次第に改善してきます。
他のハウスメーカーと比較しても優秀です。
参考データ
- タマホーム:流動比率 117%
- 秀光ビルド:流動比率 97%
- 住友林業:流動比率 217%
この流動比率が、企業の財政圧迫度を測る指標になりますが、赤字に転落してもアイダ設計が優良企業であることに変わりはないですね。
アイダ設計は会社を伸ばしていくのに意欲的⁉
アイダ設計は、2023年4月に89人の新入社員が入社しました。全体の社員数が1,109人ですから1割弱の増員ですね。
現在の日本は、少子高齢化の影響もあり新入社員の確保が難しい状況が続いています。大手企業でも新入社員の確保に四苦八苦している中、89人の新入社員を確保していることは、将来にわたって会社を伸ばしていこうという意欲が見て取れます。
「企業は人」という言葉もあるくらいですから、人員の確保に積極的な会社は信頼度が高いですね。
アイダ設計 倒産の可能性は?
決算書を分析した結果、倒産を心配する内容ではありません。ですから冒頭にも書かせていただきましたが、安心して家づくりを検討してください。
2021年から続いている読売ジャイアンツとのオフィシャルスポンサー契約について、2023年度も継続してスポンサー契約していますし、心配はいりません。
まず、財務内容面では、全く問題ありません。問題があるのは、材料費高騰による利益率の低下です。
ローコストハウスメーカーは、コストメリットを出すため、大手ハウスメーカーと比較して、もともと利益率が低めになっています。これはアイダ設計もタマホームも同じです。
もともと低い利益率のところに昨今の材料高騰の波が押し寄せ、利益率がさらに低下し、赤字になったわけです。
ただ、今回の赤字を逆の見方をすれば、ユーザーに安く新築を提供していた証です。赤字とは言っても倒産を心配するような内容ではないですから、新築価格重視の方は、アイダ設計で検討するのも悪くないと感じます。
アイダ設計では予算に合わせて
- 注文住宅
- パターンオーダー住宅
- 分譲住宅
- 規格住宅
の選択ができるので、一度、話を聞いてみてはいかがでしょうか。
特に2023年6月から発売開始した規格住宅「BRAVO minimal」は税込価格1,156万円~のコストパフォーマンスの高い住宅です。
「BRAVO minimal」は発売当初、税込価格1,496万円~でしたが、最近価格改定があり、より検討しやすい価格帯になっています。
詳しくはこちらの記事を読んでみてください。
【最新情報 アイダ設計なら999万円で家を新築できる】予算内で新築するなら、まずはアイダ設計で話を聞いてみよう - 大器晩成を信じて
決算書には、すでに価格の見直しを行い、対応していると説明されていましたので、次第に赤字は解消されていくことでしょう。おそらく原価率の上昇率からみて、3~5%の値上げがされていると思われます。
でも、こういった赤字情報と分析は、アイダ設計が上場企業であったから分かったことであり、未上場で決算発表をしていないハウスメーカーでは、もしかしたらもっと大きな問題を抱えているところもあるかもしれません。
そういう意味では、今後、新築を検討する際、株式を上場しているという条件は、ハウスメーカー選定で大きな要素になっていくと感じます。
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ここで解説させていただいた通り、倒産の心配はないですから、ローコストハウスメーカーで新築をご検討の方は、アイダ設計も候補の一つとして検討してみてください。値上げがあるといっても価格優位性は、他のハウスメーカーよりあります。