この記事を読んで分かること☝
- 縦割り完全分離型 間取りの解説
- 横割り完全分離型 間取りの解説
- 部分共有型 間取りの解説
- 同居型 間取りの解説
- 二世帯住宅で成功するための間取り
- ローコストのオススメ間取りの解説
この記事にお越しくださった方は、
- 「二世帯住宅で成功するための間取りを知りたい」
- 「二世帯住宅を検討しているけど、どういった間取りが良いのか悩んでいる」
といった悩みをお持ちのことと思います。
確かに二世帯住宅の間取りは、多岐に渡るので、なかなか難しいですよね。私は二世帯住宅で10年間暮らしていますが、その経験から言えることは、「二世帯住宅の良し悪しは、間取りで決まると言っても過言ではない」ということです。
では、なぜ間取りがそれほど大切なのか。
それは、どれだけ良い人であっても二世帯住宅では、他人同士が暮らすわけです。ストレスがないわけないですよね。そしてこのストレスを緩和もしくは、発生を防ぐのが二世帯住宅です。
上記図解の通り、おすすめの間取りは
- 大手ハウスメーカー⇒左右縦割り完全分離型 二世帯住宅
- ローコストハウスメーカー⇒上下横割り完全分離型 二世帯住宅
です。ただ、予算的に厳しい場合は「部分共有型(玄関のみ)」も検討の候補としてあげても良いと考えています。具体的には生活スペースとは別にした独立した玄関ですね。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【玄関共有型の二世帯住宅はおすすめ⁉】ポイントは玄関スペースを独立させること - 大器晩成を信じて
この「玄関のみ」というのがポイントで、例えば浴室を共有にした場合を例にあげると
<浴室を共有にした場合>
- 水道代を削減できる
- ガス代を削減できる
- 将来的に一世帯となった場合、無駄がない
というメリットがあります。この考え自体は合理的で一見良さそうですが、二世帯住宅の検討において、この考え方は失敗する原因になりかねないです。
二世帯住宅の検討で優先すべきは、「合理性ではなく、いかにストレスなく暮らせる環境をつくるか」です。
ESSO onlineで下記内容の記事を見かけました。
浴室が両世帯で別となると、毎日2つ分の浴槽にお湯をためることになります。その分の水道代は当然2倍。浴室を1つにすれば、その分光熱費も抑えられるだろうと考えました。
浴室共有の二世帯住宅事例:メリットと気兼ねなく使うための間取りの工夫を紹介(ESSE-online) - Yahoo!ニュース
この筆者さんは、浴室を共有してメリットを見出すため、動線や収納にも気を遣って、問題は起きていないようです。
確かに光熱費の面でメリットは大きいですが、個人的にはオススメしないです。
特に夫の両親と二世帯住宅を建てる場合、お嫁さんには最大限の配慮をすべきと考えていますが、浴室の共有はお嫁さんに最大限配慮しているとは言えないですよね。
浴室を共有にするコストメリットは、こちらの記事にまとめていますので、読んでみてください。
この考え自体、否定するつもりはないですが、できる限りお嫁さんに優しい二世帯住宅を検討するのが良いと思います。
この記事では、様々な二世帯住宅の間取りをもとにメリット・デメリットを解説し、これから二世帯住宅を検討する際のヒントになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
2012年に年収470万円ながらローコストハウスメーカーで二世帯住宅を新築。現在、二世帯住宅での生活歴10年。(継続中)
実際にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を建てた経験とその後の生活の経験を活かし、二世帯住宅の情報を発信中。
一男一女の父親。
本題に入る前に二世帯住宅を検討されている方にすごく参考になるYouTubeを見つけました。愛知県の豊橋市にあるHAPINICEという会社の社長さんが話をされています。
何が参考になるって、この社長さんが二世帯同居を経験されている部分です。
二世帯同居って実際に住んでみないと分からない部分が多いですが、工務店の方でこういう経験の持ち主と一緒に家を検討できると良い二世帯住宅を建てることができますね。愛知県東部で新築を検討されている方は、一度、話を聞きに行ってみてはいかがでしょうか。
新築注文住宅、豊橋、豊川、新城ならHAPINICE-ハピナイス-
- 二世帯住宅 成功の間取りは?
- 左右縦割り 二世帯住宅の間取り
- 上下横割り 二世帯住宅の間取り
- 同居型 二世帯住宅の間取り【プライバシーの問題からやめておいた方が良い】
- 完全分離型 二世帯住宅の同居満足度は93.6%
- 二世帯住宅 成功の間取り まとめ【二世帯住宅の間取りは、完全分離型で音問題を解消した間取りがポイント】
- <補足情報1>2階のLDKは、室温対策にも気を配るべき
- <補足情報2>二世帯住宅において、収納スペースの確保は重要
二世帯住宅 成功の間取りは?
間取りの解説の前に二世帯住宅において、なぜ、間取りが重要なのか簡単に説明させていただきます。
<二世帯住宅の間取り検討で注意すべき点>
- プライバシー空間に配慮した間取り
- 生活音対策に配慮した間取り
私も二世帯住宅で10年暮らしていますが、この2つが何よりも重要です。特に生活音対策について、2階の床は必ず二重床など防音対策を施した床材にすることを強くおすすめします。
完全分離型であれば、しゃべり声やテレビの音などは聞こえません。でも床の音は1階に響きます。
ぶっちゃけた話をすると普通の床材では、生活音でトラブルになる可能性大です。別に上から目線で言うわけではないですが、私がそれで苦労した経験があるので、お伝えさせていただきます。
防音対策をした床材+間取りの工夫です。
ちなみに防音対策をした床材とは、下記のようなものです。
防音建材・音響製品 遮音床ボード09|DAIKEN-大建工業
左右縦割り 二世帯住宅の間取り
二世帯住宅の理想形は、縦割りの完全分離型 二世帯住宅です。コストを十分にかけることのできる方は、縦割りをオススメします。
縦割りの二世帯住宅は
- プライバシー対策がしっかりできる
- 生活音問題の対策もできる
- 将来、賃貸として利用できる
それでは、解説していきます。
縦割り 完全分離型 二世帯住宅【最も理想的な間取り】
(引用元:大和ハウス/建築実例・建築事例|注文住宅|ダイワハウス)
縦割り 完全分離型 二世帯住宅
言い切りますが、二世帯住宅でベストの間取りは、この縦割りの完全分離型 二世帯住宅です。
- 2階から1階への音の心配もなし
- 独立した世帯となっているため、プライバシーの心配もなし
- 将来的に片方を人に貸すことも可能ですので、不動産資産としても申し分なし
三拍子揃っています。
ただ、もちろんメリットばかりでは、ありません。デメリットもあります。
- 家を2軒建てるイメージなので、広い土地が必要(60坪以上)
- 建築コストが、高額(5,000万円以上)
将来、人に貸すことができるので、資産価値という側面でもメリットは大きいですね。
詳しくはこちらの記事にまとめています。
1階部分 縦割り 完全分離型 二世帯住宅
(引用元:大和ハウス/建築実例・建築事例|注文住宅|ダイワハウス)
1階部分縦割り 完全分離型 二世帯住宅【一部、生活音問題の可能性あり】
1階部分は、玄関から縦割りとなっており、2階部分はすべて子世帯のスペースとなっています。
この間取りで気になるのが
- 親世帯のスペースは、これで十分なのか(1LDK)
- 2階の子世帯スペースが、1階の親世帯スペースにかぶっている
親世帯が、一人の場合は、LDKと和室一室、それにトイレとお風呂と洗面所のスペースがあれば、十分です。でも親世帯が二人の場合は、明らかに一室不足しています。
親世帯が一人の場合、「一人で占有するのが、もったいないから部分共有で」みたいな話になりがちですが、その発想は二世帯住宅で失敗するもとです。
次に2階の子世帯のスペースが、1階の親世帯のスペースにかぶっているということですが、これは2階から1階への生活音を懸念します。
少なくとも親世帯の上に子供部屋を造ることは、避けなければなりません。
これも建築コストは、4,000~5,000万円
土地の広さは、玄関を共有しているので、縦割りの完全分離型 二世帯住宅より狭い50坪もあれば十分です。
上下で分離している完全分離型 二世帯住宅と比較すると割高ですが、二世帯住宅の完成度でいえば、上下分離の完全分離型より高いです。
玄関共有 縦割り 部分共有型 二世帯住宅【土地の広さを抑えつつ、理想的な間取り】
(引用元:セキスイハイム/隣居スタイルプラン|失敗しない二世帯・多世帯住宅の間取り|セキスイハイム)
玄関共有 縦割り 部分分離型 二世帯住宅
玄関を共有していますが、子世帯スペースに勝手口もあるので、ほぼ縦割りの完全分離型 二世帯住宅に近いです。
子供部屋が1階というのが、何よりもいいです。この間取りであれば、まず、プライバシーの面で問題は起きないでしょう。
問題があるとすれば、住宅価格と土地の広さですね。
価格帯は、5,000~6,000万円。土地の広さは、50~60坪以上必要でしょう。
予算的に問題ないのであれば、この間取りは、検討する価値ありですね。
上下横割り 二世帯住宅の間取り
<おすすめの間取り>
本題に入る前にローコストハウスメーカーで理想的な二世帯住宅の間取りを見つけましたので、先にご紹介させていただきます
ローコストハウスメーカーのアイダ設計の二世帯住宅です。
上下横割りの二世帯住宅ですが、生活音に配慮した間取りとなっています。特に2階の子供部屋が玄関の上に設置されているのが良いですね。
アイダ設計は、木造の賃貸物件の建築も手掛けていますので、生活音対策が必要なことを理解しています。
また狭小タイプの設計が得意ということもあって、延床面積が45坪とうまく省スペースに納められていて、仮に坪単価50万円としたら
50万円×45坪=2,250万円で完全分離型の二世帯住宅を建てることができます。
総2階造りの間取りなので、「建築費用が抑えられる」「耐震性・耐久性が高い」「メンテナンス費用を抑えることができる」といったメリットがあります。
詳しくはこちらの記事にまとめましたので、読んでみてください。
話を戻しますが、上下横割りの二世帯住宅は、縦割りよりもコストを抑えることがでるので、ローコストで完全分離型の二世帯住宅を検討される方は、上下横割りの二世帯住宅がオススメです。
ローコスト系は、費用を抑えるため、どうしても上下横割り 総二階造りの二世帯住宅になります。
ポイントは
- 費用を抑えることができる
- 2階⇒1階への音問題を懸念
- 将来、賃貸として利用することは難しい
上下横割り 完全分離型 二世帯住宅(間取りに若干問題あり)
(引用元:住友林業/https://sfc.jp/ie/lineup/nisetai/case1/)
上下横割り 完全分離型 二世帯住宅
玄関は、親世帯と子世帯で離れており、普段から顔を合わせることのないように工夫されています。
上下で完全に分かれているので、プライバシーの問題は良さそうですが、その中で一点、大きな問題があります。
それは、「1階の親世帯の寝室の上に2階の子供部屋が設置されている」ことです。
木造住宅は、やはり防音の面で劣ります。親世帯の寝室の上に子供部屋があると生活音の問題が、ほぼ確実に発生します。
子供は大きくなればなるほど、夜型への生活になるケースが多いです。夜、静かな時間帯に2階で子供が起きていれば、音は必ず発生します。
ちょっと想像してみてください。
夜の静かな時間帯に2階から物音が聞こえたら気になりませんか?
最低限、ここは寝室にすべきですね。
上下横割り 完全分離型 二世帯住宅(理想的でローコストコスト)
(引用元:セキスイハイム/完全分離プラン|失敗しない二世帯・多世帯住宅の間取り|セキスイハイム)
上下横割り 完全分離型 二世帯住宅
玄関は、親世帯と子世帯で離れており、普段から顔を合わせることのないように工夫されています。
上下で完全に分かれているので、プライバシーの問題は良さそうです。
1階の親世帯の寝室の上に2階の子世帯の寝室が設置されているので、生活音対策もなされています。
2階の子供部屋が、親世帯の寝室に対して、一番遠い場所に設置されている部分も好感を持てます。
上下横割りの完全分離型 二世帯住宅では、これが理想形です。
ハウスメーカーに関わらず、上下分離の二世帯住宅を検討するのであれば、この間取りをベースに考えることがベストですね。
上下横割り 完全分離型 二世帯住宅(低コストでオススメ)
(引用元:クレバリーホーム/二世帯住宅│住まい作りお役立ち情報│【公式】クレバリーホーム (cleverlyhome) 自由設計の住宅メーカー)
上下横割り 完全分離型 二世帯住宅
完全分離型の二世帯住宅で間取りは、すごくうまく考えられています。
1階の親世帯の寝室の場所と2階の子世帯の子供部屋の場所が離れており、総2階の造りなので、建築コストも抑えられています。
子世帯のお風呂が一階の玄関横というのは、若干気になりますが、そこを気にしなければ、問題ない間取りと言えます。
家の広さにもよりますが、ローコストハウスメーカーであれば、2,000万円台で建てることができると思います。
玄関共有 上下横割り 部分共有型 二世帯住宅【生活音の問題が必ず発生する】
(引用元:セキスイハイム/部分共有のプラン|失敗しない二世帯住宅の間取り|セキスイハイム)
玄関共有 上下横割り 部分共有型 二世帯住宅
玄関共有はいいとして、それ以外の間取りが気になります。
1階の親世帯の寝室や和室の上に2階の子世帯の子供部屋があると、やはり生活音の問題は発生します。
この形で家を造ると玄関は共有ですし、1階2階の間取りが、ほとんど同じなので、建築費用を安く抑えるとはできます。
でも実際に二世帯住宅で暮らしている者としては、いくらイニシャルコストが安くでもこの間取りをオススメすることはできません。
同居型 二世帯住宅の間取り【プライバシーの問題からやめておいた方が良い】
(引用元:セキスイハイム/完全共有プラン|失敗しない二世帯・多世帯住宅の間取り|セキスイハイム
同居型 二世帯住宅
これは二世帯住宅というより、普通の家ですね。
部屋を多くしているので、二世帯で暮らすことのできる家という感じです。
色々な家庭事情があるので、何とも言えないですが、私は完全分離型の二世帯住宅が良いと思っていますので、オススメはできません。
仮に親世帯と子世帯の仲がよかったとしても、一緒に暮らすとお互いの粗が見えたりするもんです。
家というのは、高額でやり直しが効かないので、ここの見極めはしっかりした方が良いです。
ただ、一般的な一戸建てとしての資産価値はあるので、資産性ということであれば、縦割り完全分離型 二世帯住宅についで高いということになります。
完全分離型 二世帯住宅の同居満足度は93.6%
ここまで実際の間取りを見ながら解説させていただきましたが、完全分離型の二世帯住宅について、下記は旭化成ホームズの二世帯住宅研究所が発表している調査結果です。
<完全分離型 二世帯住宅で暮らす親世帯と子世帯の同居感覚>
- 完全分離型:約70%が別々に暮らしていると感じている
- 完全同居型:約12%のみ別々に暮らしていると感じている
当然と言えば当然の結果ですが、注目すべきは、完全分離型の場合、多くの方が別々に暮らしていると感じている部分です。
私も完全分離型の二世帯住宅で10年間暮らしてますが、全く別の世帯ですよ。それくらい完全分離型は、プライバシーが確保されています。
<二世帯住宅のタイプ別 親世帯と子世帯の同居満足度>
- 完全分離型:満足度93.6%
- 完全同居型:満足度66.3%
客観的に見ても完全同居は難しいと感じます。個々のプライベート空間を確保できるかどうかがポイントですが、完全分離であれば、その問題はありません。
(出典:20170210_レター_二世帯住宅研究所 調査報告 別々な家感覚でも良好な親子関係「独立二世帯住宅」のくらしとは)
二世帯住宅 成功の間取り まとめ【二世帯住宅の間取りは、完全分離型で音問題を解消した間取りがポイント】
二世帯住宅の間取りといっても一概にこれが良いとは言えません。価格であったりプライバシーの問題であったり、検討しなければならない部分がたくさんあります。
- 理想の二世帯住宅⇒縦割りの完全分離型
- コスト重視の二世帯住宅⇒横割りの完全分離型
二世帯住宅を検討するならまずは、縦割りの完全分離型を検討してみてはいかがでしょうか。
タイプ | 予算 | 満足度 | 資産価値 |
---|---|---|---|
縦割り完全分離型 | ☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ |
縦割り部分共有型 | ☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆ |
横割り完全分離型 | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆ |
横割り部分共有型 | ☆☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆ |
完全同居型 | ☆☆☆☆☆ | ☆ | ☆☆☆☆ |
下記記事では、二世帯住宅の得意なハウスメーカーをまとめています。合わせてお読みください。
<補足情報1>2階のLDKは、室温対策にも気を配るべき
これは我が家の話ですが、2階のLDKの室温は結構暑くなります。
室温が上昇しないような配慮が必要です。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
<補足情報2>二世帯住宅において、収納スペースの確保は重要
これは我が家に限らずですが、二世帯住宅は収納スペースが少なくなりがちです。これは当然のことですよね。限られた広さの中に二世帯分の間取りを造るわけですからどうしても収納が少なくなります。
収納スペースを確保するため、ロフトを造ることをオススメします。