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【タマホームは倒産秒読み⁉】2024年度 決算書から倒産の可能性を読み解く

この記事を読んで分かること☝

  • タマホームの経営状況が大丈夫なのかどうか
  • タマホームの倒産の可能性
  • タマホームの決算結果
  • タマホームの将来性

ネットで「タマホーム」と検索すると必ず出てくる「タマホーム 倒産秒読み」というキーワード。

なぜ、このキーワードが出てくるのか分かりませんが、実際にどうなのかは、決算書を分析すれば一目瞭然です。

今月(2024年4月11日)、2024年度5月期 第3四半期の決算が発表されました。

  • 売上高:152,508百万円(前期173,853百万円)
  • 営業利益:1,459百万円(前期7,711百万円)
  • 営業利益率:0.9%(前期4.4%)
  • 自己資本比率:29.6%(前期31.2%)

ここ数年は、右肩上がりで業績を伸ばしていましたが、昨年の夏ごろから急ブレーキがかかっています。ただ、数字が悪くなっているとは言っても倒産を心配するような内容ではありません

ただ、営業利益率が下がっているのは気になります。0.9%とはかなり低い数字で赤字になりかねないですね。自己資本比率は30%近くを維持できているので安心できますが、営業利益率の低い状況が続くのかどうか様子を見ておいた方が良いですね。

決算短信等 | IR資料室 | IR情報 | 家を建てるならタマホーム株式会社

タマホーム倒産の可能性 図解

とりあえず倒産の心配はないですが、タマホームは営業戦略として、早期受注、早期着工、早期売上を掲げているため、契約を急かされたり、仕様決めを急かされたりする可能性があるため、タマホームで新築を検討される場合は、営業マンのペースにはまらないことが大切ですね。

家は高い買い物で失敗が許されないため、少なくとも複数社のローコストハウスメーカーとの比較は必須だと感じます。

タマホームでご検討の方は、こちらの記事も読んでみてください。

とにかく価格にこだわりたい!【2023年度 おすすめローコストハウスメーカーの比較9選】 ランキング1位はアイダ設計 - 大器晩成を信じて

■この記事を書いた人■

2012年にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を新築。

二世帯住宅での生活(生活歴10年)しながら、最もローコストで理想の二世帯住宅が、どういうものなのか研究。

実際にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を建てた経験とその後の生活の経験を活かし、二世帯住宅の情報を発信中。

一男一女の父親。

タマホーム 2023年5月期の決算から倒産の心配は全くない

タマホーム 将来性

簡単に決算書から企業の診断をする際は

  • 自己資本比率
  • 流動比率
  • 営業利益率
  • 有利子負債月商倍率

を分析すれば、倒産しそうな企業なのか、優良企業なのか判断することができます。

2023年5月期(最新)のタマホームの業績は

自己資本比率:31.2% (前期:29.4%)

※10%以下だと危険

流動比率:122% (前期:121%)

※100%以下だと危険

営業利益率:5.2% (前期:4.9%)

※5%以上で優良企業

有利子負債月商倍率:0.8倍 (前期:0.8倍)

※3倍以上だと危険

この中で、会社の信用度に直結する数字は、自己資本比率、流動比率、有利子負債月商倍率で、この3つとも前年より良い数字をなっています。

というか原材料の値上げ基調の中、この内容はかなり良くて新築価格の値上げがうまくできていると感じます。

逆の見方をすると施主の購入金額が上がっているとも言えます。

タマホームで新築をご検討の方は、他のローコストハウスメーカーも検討して価格比較をした方が良いですね。

とにかく価格にこだわりたい!【2024年度 おすすめローコストハウスメーカーの比較9選】 ランキング1位はアイダ設計 - 大器晩成を信じて

これだけで、会社の信用は十分に確認できますね。タマホームの財務状況は、7年前と比較してかなり強くなっています。

参考までに7年前(2015年)の決算は

  • 自己資本比率:15%
  • 流動比率:100%
  • 営業利益率:1.5%
  • 有利子負債月商倍率:1.8倍

とかなり、厳しい数字でした。ちなみに私が家を建てた10年前はもっと酷い数字でしたね。

<タマホームの新築価格はあがっている>

ここまで決算書を分析して、倒産の心配がまったくないことは理解できましたが、その決算書分析の中で気になる数字があります。

それは営業利益率ですね。営業利益率は販売価格から原価や人件費、宣伝広告費などを除いた本業でどの程度稼げているかの指標になります。

7年前の営業利益率は1.5%でしたが、現在(2023年)は5%ほどまで高まっています。これが何を意味しているかと言うと、原価に対して売値が以前より高くなっている可能性があります。要するに以前よりたくさん稼いでいるということですね。

当然、それ以外の要素(経費削減や原価低減など)もありますが、普通に考えてもそれだけで営業利益率を完全するのは難しいです。つまり、タマホームの新築価格は上がっています。

企業が利益を上げることは健全経営のためには必要なことなので、それ自体を否定はしませんが、それでも消費者としては少しでもお得に良い家を建てたいですよね。

もしローコストで新築を希望されているのであれば、他のハウスメーカーで相見積を取って、価格・仕様を比較してみてはいかがでしょうか。

⇒2024年度 おすすめローコストハウスメーカーの比較9選

タマホームの玉木社長によるスキャンダルは業績に影響なかった⁉

2022年5月期のタマホームを振り返る上で、玉木社長のスキャンダルを取り上げないわけにはいきません。

スキャンダル1 新型コロナワクチン問題

これは会社が、新型コロナワクチンを接種しないよう強要しているという問題です。

真偽のほどは分かりませんが、社員と思われる人物が、社内の情報をリークしたことによって、判明しました。Yahoo!ニュースでも取り上げられていたので、結構問題になっていましたね。実際、このスキャンダルの影響でタマホームの株価は、3,500円⇒2,500円程度まで下落しました。

【タマホームと新型コロナワクチン】タマホームのスキャンダルがツイッター上を賑わせている - 大器晩成を信じて

スキャンダル2 大人のお店 利用促進問題

これもよく分からない問題ですが、タマホーム社内のお偉方が一部の社員に対して、大人のお店を利用して、その内容は報告させていた、ということです。

まぁ雰囲気的には、う~ん昔の企業であれば、こんなこともあったかもしれないですが、今の時代、問題にはなりますよね。

【タマホームに集中砲火】タマホーム こんなに文春砲くらって大丈夫? - 大器晩成を信じて

スキャンダル3 ワンモアベイビー問題

これは、少子化対策の観点からだとは思いますが、社内の女性社員にワンモアベイビーのバッジを強制的につけさせていたとか。人それぞれ色々な状況や価値観のある中で、価値観の押し付け、ハラスメントという問題です。

【タマホームのスキャンダル⁉】タマホーム社長のワンモアベイビーは今の時代問題だ - 大器晩成を信じて

これらの問題を週刊文春で掲載されて、一時期、メディアでもかなり取り上げられていましたね。株価もかなり下がったですし、個人的には業績にも影響がでるのでは?と思っていましたが、締めてみれば、過去最高益ですからビックリです。

ウッドショック、ウクライナショックの影響は?

家を新築するための原価は、必ず上がっています。それは木材もそうですし、住宅機器もほとんど値上がりしています。

ハウスメーカーとしては、そんな中でも原価を抑えつつ、顧客からも原価の上がった分は、もらわないと会社として成り立っていきません。

収益性が悪くなれば、途端に会社の財務は厳しくなりますが、そのあたりはどうでしょうか。

決算書から原価率を見ていきます。

2022年5月期

売上高:256,065

売上原価:194,428

原価率:75.9% (売上金額の75.9%が原価)

2022年5月期

売上高:240、760   

売上原価:185、502

原価率:77% (売上金額の77%が原価)

2021年5月期(前期)

売上高:218、092

売上原価:165、872

原価率:76% (売上金額の76%が原価)

タマホーム原価率 分析図解

数字でみると分かりますが、やはり原価率が下がっています。つまり値上げをして利益をしっかり確保しています。

タマホームの新築価格は以前よりかなり上がっていると想定されます。

【営業マンの口車に乗ってはいけない】タマホームの値上げ幅は【約3%UPが適正】な理由を解説 - 大器晩成を信じて

今後のタマホームはどうなる?

タマホーム 決算書分析

下のグラフは、2022年5月期の注文住宅の受注金額です。
前期から受注棟数が減少していますが、金額は逆に増加しています。これは「値上げ分」と「高単価の住宅」が売れていることを推察させます。
将来的には、少子高齢化で受注棟数は、必ず減少していくので、どれだけ単価を上げることができるのかがポイントですね。
このグラフを見る限り、営業戦略はうまく時代に合わせてシフト出来ているように感じます。

注文住宅 受注金額 グラフ

注文住宅 受注金額

 次に2022年5月期の分譲住宅の受注金額です。

 金額的には、注文住宅の1/10ですが、受注金額は2年前の約2倍で伸び率は大きいです。建売の市場は大きいので、低価格+高品質の住宅を投入して、建売市場の開拓を進めているという感じですね。

この数字は、今後もしばらく伸びそうです。

分譲住宅 受注金額 グラフ

分譲住宅 受注金額

最後に2022年5月期のリフォームの受注実績です。

このリフォームには、新築10年後の保証延長に伴う工事も入っています。

【タマホームの保証延長】保証延長の条件は「防蟻処理」と「シーリング」施工だった - 大器晩成を信じて

この数字も今後は伸びていきそうです。大手ハウスメーカー、ローコストハウスメーカー含め、タマホームの年間の建築数はトップクラスです。

その実績が、活きていますね。

リフォーム 受注金額 グラフ

リフォーム 受注金額

これらの数字や戦略を見る限り、タマホームの財務状況が数年で悪くなることは考えにくいです。やはり母数が大きいと何をやってもスケールメリットの恩恵を受けることができるので、玉木社長が、よっぽど変な方向へ舵を切らない限り、大丈夫そうですね。

2024年5月期 第3四半期 タマホームの決算 まとめ

これまでずっと右肩上がりで伸ばしてきた業績に陰りは見えますが、問題となるような下がり方はしていません。決算書からは健全な企業体質といえるのではないでしょうか。

大手ハウスメーカーと比較しても遜色ないです。

【タマホームは決算月に契約しても特典はない】ハウスメーカーと契約するなら決算月の3~4ヵ月前がおすすめ - 大器晩成を信じて

タマホームで新築する際の注意点としては

  • 契約を急かされる可能性がある
  • 価格が上昇している可能性がある

決算内容を良くするためには、この2つの要素が欠かせないので、打合せ時はこの2つの見極めが大切ですね。

今の時代、相見積で比較することは当たり前になっているため、2~3社で相見積を取って比較することが、損せずにローコストで新築するコツだと感じます。

結論

  • タマホームの財務内容は良く倒産の心配はない
  • 契約や契約後の仕様決めを急かされる可能性がある
  • 原価率には、注視しておいた方がよい(相見積で価格の比較が大切)
  • 建売分譲、リフォームの売上を伸ばしており、収益の多角化ができている

これからタマホームで家を検討しようと考えられている方は、倒産の心配することなく、家の間取りや仕様の検討に集中してください。

まだ、ハウスメーカーを決められていない方は、ハウスメーカーの財務内容を確認しつつ、見積価格も確認しつつ、あなたに合ったハウスメーカーを見つけてくださいね。

ローコストハウスメーカーでご検討の方に2つオススメ記事をご紹介させていただきます。新築コストにこだわりたい方は、ぜひ、読んでみてください。

■おすすめ記事①■
■おすすめ記事②■