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【戸建てをリフォームして二世帯住宅にする】同居型の二世帯住宅にならないような工夫が重要!

この記事を読んで分かること☝

  • 戸建てを二世帯住宅にリフォームするメリット・デメリット
  • 二世帯住宅へのリフォームにかかる費用
  • 二世帯リフォームとローコスト二世帯住宅の比較

二世帯で生活することを考える場合「二世帯住宅を新築する」という方が圧倒的に多いですが、例えば、すでにある家が新しかったり、延床面積が大きい場合、二世帯住宅へのリフォームを考えられる方もいらっしゃいますよね。

パターンとしては、親世帯の家をリフォームして、そこで親世帯と子世帯が暮らすという感じが多いですね。

二世帯リフォームの最大のメリットは「予算を抑えることができる」ことです。ただ、いくら予算を抑えることができても、その後の生活がうまくいかなければ、リフォームにかかったお金が無駄になってしますので、慎重に検討する必要があります。

二世帯住宅へのリフォーム注意点 図解

というのも、このブログでは何度も書いていますが、二世帯住宅で最も重要なことは「生活音対策を含めたプライバシーの確保」です。

このポイントは、新築でもリフォームでは変わりません。

今回は、「プライバシーの確保」という視点を持ちつつ、二世帯住宅のリフォームについて書かせていただきますので、二世帯住宅をご検討の方は、ぜひ、最後まで読んでみてください。

■この記事を書いた人■

2012年にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を新築。

二世帯住宅での生活(生活歴10年)しながら、最もローコストで理想の二世帯住宅が、どういうものなのか研究。

実際にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を建てた経験とその後の生活の経験を活かし、二世帯住宅の情報を発信中。

一男一女の父親。

二世帯のリフォームを検討するケースは?

二世帯住宅へのリフォームを検討するケースは限られていて、基本的には親世帯の暮らす家をリフォームして二世帯で暮らそうということですね。

理由としては

  • 子世帯の収入が少なく単世帯で生活するのが厳しい
  • 子世帯の収入では家を購入することができない
  • 親世帯と子世帯が離れて暮らすよりも経済的だから
  • 二世帯住宅を検討したいけど、今の家が新しいからリフォームで
  • 二世帯住宅の新築は高そうだから

などです。本当は二世帯住宅を新築で検討したいところですが、すでに暮らしている家の状況や予算的なことを考えると二世帯リフォームの方が経済的という結論に至るわけです。

例えば、親世帯の家が「新しくて」「広い」のであれば、二世帯リフォームを検討することは、一つの選択肢として良いと感じますが、一方でリフォームで「プライバシーの確保」できる二世帯住宅ができるのか不安はあります。

特にお嫁さんの立場で考えると「完全同居になって気疲れしてしまうのではないか」と不安になってしまいますよね。

【二世帯住宅 一番の不安は人間関係⁉】不安解消のポイントは、二世帯住宅の造り方とルール造り - 大器晩成を信じて

親世帯の住宅(土地を含む)は利用した方が良い

こう書かせていただくとちょっと嫌な感じを受けるかもしれませんが、実際は嫌な話ではなくまじめな話です。

将来、親世帯の戸建てが空き家になる可能性があるなら、事前に空き家対策をした方が良いです。

というのも、空き家の状況によっては、固定資産税が通常の6倍かかる可能性があります。

日本では毎年空き家の数が増加しており、政府も空き家対策に力を入れています。

詳しくはこちらの記事を読んでみてください。

【空き家を放置すると6倍の固定資産税がかかる⁉】二世帯住宅への建て替えなら一石二鳥 - 大器晩成を信じて

二世帯リフォームは難しい?

二世帯住宅へのリフォームと言っても色々な考え方があります。

親世帯と子世帯を完全分離にするのか、部分共有にするのか、それとも同居ベースで考えるのか。

ここでは普通の戸建てを完全分離型の二世帯住宅へリフォームすることを念頭に考察していきます。

キッチンの増設

戸建ての2階にキッチンを増設する場合

  • 約2~3坪分のスペースがあるか
  • 耐荷重の対策をできるか
  • 給水・排水配管の施工をできるか
  • レンジフードの排気口を施工できるか
  • ガスの引き回しをできるか
  • 給湯器の増設が必要

の検討が必要になります。かなり大掛かりな工事になることが想定されるうえ、2階の状況によってはキッチンを増設できない可能性もあります。

給水・排水配管やガス管のことを考えると、1階キッチンの上部あたりに増設することになりますが、その部分にスペースがあるかどうか、また耐荷重対策をできるかどうかが、キッチン増設の可否につながります。

【二世帯住宅のキッチン共有型は避けた方が良い⁉】4つのデメリットを詳しく解説 - 大器晩成を信じて

浴室の増設

戸建ての2階に浴室を増設する場合

  • 1階浴室の2階部分に空きスペースがあるか(防水・漏洩対策のため)
  • 耐荷重の対策をできるか
  • 換気をどうするか
  • 給水・排水配管の施工をできるか
  • 給湯器の増設が必要

の検討が必要になります。キッチンほどではないですが、こちらも大掛かりな工事ですね。すでに2階にトイレがある場合、給水・排水配管のルートはあるため、スペースがあれば、割と対応しやすいです。

ポイントは、1階浴室の2階部分に空きスペースがあるかどうか。当然、防水をして水が漏れないように施工はしていますが、万が一、水漏れが発生した場合、下が浴室だと被害を最小限に抑えることができます。

【二世帯の浴室共有はデメリットしかない⁉】部分共有型の二世帯住宅で浴室を共有にするメリットは年間25,200円 - 大器晩成を信じて

玄関の増設

玄関の増設をできるかどうかは、間取り次第の部分があります。すでに暮らしている家の玄関が大きい場合は、その玄関を二つに分けることもできますが、それ以外の場合は外壁を取り除き玄関ドアを取付ける必要があります。

また玄関を入ってからも世帯毎に空間を分ける必要があり、例えば2階へ行く階段がリビング内にある場合は、壁で分けることができません。

二世帯住宅へのリフォームの中でも玄関の増設はもっともハードルが高いと感じます。

玄関を増設できるかどうかは、もともとの家の間取り次第と考えていいでしょう。

【玄関共有型の二世帯住宅はおすすめ⁉】ポイントは玄関スペースを独立させること - 大器晩成を信じて

トイレ・洗濯場の増設

トイレと洗濯場の増設は、対応しやすいですね。給水・排水の配管ルートがあれば、施工できます。配管を通す場所がないとさすがに厳しいですが。

あと注意したいのが、排水配管の位置ですね。二世帯住宅の場合、2階⇒1階段へ排水を流すわけですが、排水の流れる音でトラブルが起きる可能性もあります。

詳しくはこちらの記事を読んでみてください。

【二世帯住宅の排水音はトラブルのもと⁉】排水音の対策方法は、防音配管か間取りの工夫 - 大器晩成を信じて

※キッチンと浴室の増設なら給湯器の追加は必要

二世帯住宅へのリフォームをする際、キッチンや浴室を増設する場合は、給湯器の増設が必ず必要です。

我が家は上下分離型の二世帯住宅ですが、給湯器(エコジョーズ)は2台設置しています。給湯器の能力が不足しているとお湯がでなくなり、生活に支障をきたすため注意が必要ですね。

詳しくはこちらの記事を読んでみてください。

【完全分離型の二世帯住宅は給湯器が2つ必要⁉】エコジョーズ2台設置がオススメな理由を解説 - 大器晩成を信じて

現実的なのはミニキッチンとシャワールームか

二世帯住宅へのリフォームが難しい理由 図解

普通の戸建てを完全分離型の二世帯住宅へリフォームするのは、かなりの労力と費用が必要になります。感覚的にはリフォームの域を超えてしまっていて、それなら二世帯住宅に建て替えてしまった方がいいのでは、と感じます。

リフォームのメリットは、すでに建っている家を活かしながら、より生活のしやすい家に変えていく、ということですが、完全分離型へのリフォームは、そのメリットよりもデメリットの方が大きくなっています。

具体的なデメリット

  • 2階に重量物を設置するため、新築の家より耐震性に不安がある
  • 無理やりに詰め込むため、導線が確保できない
  • 不具合が発生した場合、責任の所在が分かりにくい
  • 長期に渡り仮住まいの必要がある
  • リフォーム費用が高額になる

現実的には「ミニキッチン」や「シャワールーム」で対応することになりそうですが、個人的には二世帯住宅で「ミニキッチン」や「シャワールーム」というのはおすすめできません。

やはりプライバシーの面で問題がありますね。

ミニキッチンやシャワールームの設置されている二世帯向けの中古住宅を、時々、見かけますが、実際に暮らし始めると様々な問題が起きる可能性がありますね。

詳しくは、下記の記事を読んでみてください。

【二世帯住宅の中古住宅をオススメできない2つの理由】予算が厳しいならローコストハウスメーカーがオススメ - 大器晩成を信じて

二世帯リフォームの価格は?

二世帯住宅へのリフォーム費用 グラフ

(出典:【SUUMO】二世帯を目的としたリフォーム費用・価格相場情報)

上のグラフは、二世帯住宅を目的としたリフォーム費用のグラフです。

価格帯としては、900万円以下と3,000万円以上の割合が多くなっています。

二世帯住宅のリフォームと費用 図解

戸建てを二世帯住宅仕様へリフォームする際、問題になるのは予算ですね。予算がなければ、浴室やキッチン、トイレといった水回りを増設することができません。

予算がなくて希望のリフォームを出来ない場合、将来的なストレスの原因になる可能性があるため注意が必要です。

<900万円以下のリフォーム>

大掛かりなリフォームではなく、トイレの追加やバリアフリー、玄関部分のスロープなど、すでにある家で年配の方が不自由なく生活できるような工事の場合、数百万円のリフォームになります。

この内容だと本来の目的である「二世帯住宅へのリフォーム」とは目的が違ってきていますね。完全同居が前提にあるリフォームです。

ここで言う本来の目的と言うのは、「親世帯と子世帯がストレスなく暮らすことのできる二世帯住宅」のことです。

<3,000万円以上のリフォーム>

完全分離型や部分共有型へのリフォームを考える場合、1,000万円以上の費用が必要になります。

例えば新築の二世帯住宅の場合

  • キッチンの増設⇒150~200万円
  • 浴室の増設⇒150~200万円
  • 玄関の増設⇒100~200万円
  • トイレの増設⇒20~30万円

の費用がかかります。リフォームの場合はこの金額プラス、壁の解体費用、耐荷重工事、床の張替え、などの工事が追加されるため、工期が長くかかり工事費も新築より高額になります。また廃材の処分費もかかってきます。

リフォームしようと考えている戸建てが、リフォームしやすい状況かどうかで費用が大きく変わるため、「予算がいくらあれば、二世帯住宅へのリフォームができる」とは言えないですね。

予算の面で妥協するのは後悔のもと

親世帯と子世帯で二世帯リフォームの話し合いをしていると当然ながら予算の話にもなります。予算の考え方や価値観は人によって異なるため難しい部分ですね。

例えば子世帯が2階にキッチンや浴室、トイレを設置したいと希望しても、親世帯が予算の問題で反対するかもしれません。

一ノ勢さい子さんが著書「二世帯住宅で絶対に後悔したくないあなたへ」では、一ノ勢さんが二世帯住宅のリフォームをした経験談と経験に基づいた注意点を解説しています。

二世帯住宅のリフォームを検討されている方にとって参考になる内容が多いので、読んでみてはいかがでしょうか。数百円で購入できます。

二世帯住宅へのリフォームをお得にできる可能性がある

国土交通省では、多世帯へのリフォームに対し、改修業者への支援に力を入れています。改修業者への支援は実際にリフォームを検討する消費者へも還元されるため、お得にリフォームできる可能性があります。

二世帯住宅へのリフォームをご検討の方は、下記、国土交通省のホームページを確認してみてください。

国土交通省では、耐震性等性能の向上に資するリフォーム工事や、三世代同居に対応する改修工事を行う事業者等に対して支援を行うことにより、「長期優良住宅」へのリフォームを推進している。

1 地域・住まいの快適化に対応する取組み

二世帯リフォームの業者

二世帯住宅へのリフォームを手掛けている会社はたくさんありますが、ここではハウスメーカー系を紹介させていただきます。

<住友不動産 新築そっくりさん>

二世帯住宅リフォーム|一戸建てのリフォームなら、住友不動産の新築そっくりさん

住友不動産が運営している「新築そっくりさん」は、大規模リフォーム受注実績No1という二世帯住宅へのリフォームを検討するにはもってこいの業者です。

耐震診断に基づいたリフォームをしてくれ、間取りの変更も可能ですから、完全分離型や部分共有型の二世帯住宅へのリフォームに向いていますね。

<パナソニックリフォーム>

二世帯リフォーム・リノベーション - パナソニック リフォーム株式会社 - Panasonic

パナソニックホームズの同系列の会社です。

マンションのリフォームを得意としていますが、戸建ての二世帯住宅へのリフォームも手掛けています。

公式ホームページ内に「二世帯リフォーム」の実例集があるので、気になる方は確認してみてください。

<サンヨーリフォーム>

2世帯同居リフォーム | リフォーム | サンヨーリフォーム

サンヨーホームズのグループ会社ですね。

「住まいのドック」という建物の耐震性・劣化状態を確認した上でリフォームのプランを提案してもらえるので安心です。

もちろん二世帯住宅へのリフォームも対応できます。

<旭化成リフォーム>

二世帯化 | リフォームメニュー | 旭化成リフォーム株式会社

二世帯住宅が得意なヘーベルハウスのグループ会社です。

1975年に日本で初めて二世帯住宅を発売してから、40年以上の二世帯住宅に関するノウハウを持っています。

リフォーム費用は、少し高額になりそうですが、安心感は一番です。

ヘーベルハウスで二世帯住宅をご検討の方は、こちらの記事も読んでみてください。

【ヘーベルハウスの二世帯住宅を分析してみた】予算(6,000万円以上)があるならヘーベルハウスの二世帯住宅はおすすめ - 大器晩成を信じて

<トヨタホーム>

二世帯 | リフォーム・メニュー | リフォームもトヨタホーム | 住宅・ハウスメーカーのトヨタホーム

トヨタホームは別会社にはしていませんが、リフォーム事業に力を入れています。

戸建て⇒完全分離型の二世帯住宅へのリフォームにも対応していますので、トヨタ系でお勤めの方にはおすすめですね。

KULABO(愛知県・岐阜県)

愛知・名古屋市のリノベーションスタジオKULABO

地域限定ですが、愛知県にあるKULABOという会社でも二世帯住宅のリフォームを展開しています。対応地域は愛知県・岐阜県になりますが、二世帯リノベーションに力を入れています。

期間限定ですが、2023年12月16日17日に二世帯リノベーション住宅の見学会を実施しています。

[東郷会場]

✔ 分離型の二世帯住宅へ

玄関や水回りを分け、各世帯が独立して暮らせるような間取りを計画しました。両世帯ともに廊下をなくし、スペースを無駄なく活用できるようにしたのもポイント。

【KULABO】12月16日・17日に愛知県豊明市と愛知郡東郷町の二会場で、リノベーション完成見学会を開催決定! | 株式会社sumarchのプレスリリース

二世帯住宅の新築も視野に検討した方が良い

二世帯住宅のリフォームと新築の関係 図解

二世帯住宅へのリフォームの解説をさせていただきましたが、実際に調べたり記事を書いていて感じることは、二世帯住宅へのリフォームは思いのほかハードルが高いということですね。

  • 間取りや構造上、対応できないリフォームがある
  • 新築と変わらないレベルの費用がかかることもある

軽微なリフォームで二世帯住宅に大切なプライバシー対策をできるなら二世帯住宅へのリフォームに価値はありますが、プライバシー対策ができずに同居しやすくするだけのリフォームでは、あまり価値を見出せません。

記事内でも書かせていただきましたが、まずはご自宅が二世帯住宅へリフォーム可能かどうか確認する必要があり、満足できるリフォームができないのであれば、新築で二世帯住宅を検討した方が良いですね。

確かに二世帯住宅は高額ですから、リフォームを含めコストを抑える方法を考えたくなりますが、新築でも建築コストを抑える方法はありますので、幅広い視野を持ちながら、ぜひ、検討してみてください。

以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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