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二世帯住宅 × タマホーム

予算が厳しいなら二世帯住宅より賃貸マンションがおすすめ⁉【二世帯住宅 VS 賃貸マンション×2室を徹底比較】

この記事を読んで分かること☝

  • 二世帯住宅と賃貸マンション×2室のコスト比較
  • 賃貸マンション×2室借りる場合のメリット・デメリット
  • コストを抑えるなら賃貸マンション×2室がおすすめな理由

二世帯住宅というのは、「親世帯と子世帯が近くで暮らしたい」という目的を達するための一つの手段であって、親世帯と子世帯が近くで暮らす方法は他にもあります。

以前、「親世帯と子世帯の二世帯が近くで暮らす方法」について、別の記事で書かせていただきましたが、方法としては

  • 二世帯住宅を建てる
  • 戸建て住宅を2戸購入する
  • 分譲マンションを2室購入する
  • 賃貸マンションの2室借りる

の4パターンがありました。この中で大きな初期費用のかからない「賃貸マンションを2室借りる」は、予算次第で検討される方がいらっしゃると感じるので、もう少し掘り下げて解説させていただきます。

二世帯住宅と賃貸マンションの比較 コスト重視なら賃貸マンション

ポイントは、費用面と生活面ですね。現在、私は上下分離型の二世帯住宅で暮らしていますが、この家で暮らす前は、賃貸マンションや団地で暮らしていました。

その経験も書かせていただきますので、これから親世帯と子世帯とで近くで暮らそうとご検討の方は、ぜひ、最後まで読んでみてください。

■この記事を書いた人■

2012年に年収470万円ながらローコストハウスメーカーで二世帯住宅を新築。現在、二世帯住宅での生活歴10年。(継続中)

実際にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を建てた経験とその後の生活の経験を活かし、二世帯住宅の情報を発信中。

一男一女の父親。

賃貸マンションでかかる費用は?

賃貸マンションを二世帯住宅代わりに利用する場合、隣り合わせで2室借りる必要があります。間取りのサイズとしては、子世帯が3LDKで親世帯は2LDKくらいの広さで十分です。

ただ賃貸マンションの場合、都合よく3LDKと2LDKの間取りが隣り合わせということも少ないですから、3LDK~2LDKを2室と考えます。

賃貸マンションでかかる費用としては

  • 敷金・礼金(家賃の4~6ヵ月分)
  • 仲介手数料(家賃の0.5~1ヵ月分)
  • 火災保険料(2~3万円/2年間)
  • 家賃
  • 共益費

があります。

家賃は地域や築年数、広さによって変わりますので、一概には言えませんが、ここでは都市部ではなく郊外で賃貸マンションを借りたと考えます。

賃貸マンション×2室の想定費用

間取り3LDK⇒家賃80,000円を基準と考えた場合

  • 敷金・礼金:320,000~480,000円
  • 仲介手数料:40,000~80,000円
  • 火災保険料:20,000~30,000円

合計:590,000円が初期費用で、これを2室借りるため×2ですね。

二世帯で賃貸マンションを借りる場合の初期費用は

590,000円×2世帯分=1,180,000円が初期費用です。

賃貸マンションの維持費

  • 家賃:80,000円×2室
  • 共益費:5,000円×2室
  • 火災保険料:30,000円/2年間×2室

完全分離型 二世帯住宅の想定費用

ここでは郊外で土地と建物(上下分離型の二世帯住宅)の両方を取得することを想定します。初期費用の考え方が難しいですが、住宅ローンで借り入れた分は、初期費用ではなく維持費(住宅ローン)としてカウントするため、初期費用からは外します。

※賃貸マンションの家賃と比較するため

  • 土地購入手数料:2,000,000円(購入額の10%)
  • 建築諸経費:5,000,000円
  • 火災保険料:600,000円(35年分)
  • 地震保険料:50,000円(5年更新)

合計:7,650,000円が二世帯住宅の場合の初期費用になります。

二世帯住宅の維持費

  • 住宅ローン:120,000円
  • 地震保険料:50,000円/5年間
  • メンテナンス費:1,000,000円/10年間

※土地購入費用2,000万円+二世帯住宅 建築費用2,100万円の場合です。

【実例】タマホームの二世帯住宅は2205万円【ローコストで二世帯住宅を建てるコツを解説】 - 大器晩成を信じて

賃貸マンション×2室と二世帯住宅の費用比較

賃貸マンションと二世帯住宅の費用比較
  賃貸マンション×2室 完全分離型 二世帯住宅
初期費用  1,180,000  7,650,000
維持費(35年) 36,240,000 53,750,000
合 計 37,420,000 61,400,000

賃貸マンションを二世帯分借りる場合と完全分離型 二世帯住宅を建てた場合の費用比較を表にしてみました。

これまで計算したことがなかったですが、費用的には賃貸マンションを二世帯分借りる方がコストメリットがかなり大きいですね。費用を抑えつつ二世帯で近くに住みたい場合は、賃貸マンション×2室という選択肢もありだと感じます。

【高齢者向け賃貸住宅はメリットが大きい⁉】高齢の親世帯との関わり方を考える - 大器晩成を信じて

賃貸マンション×2室と二世帯住宅のメリット・デメリット比較

コストは上記で説明させていただいた通り、賃貸マンション×2室の方が大きなコストメリットがあります。

ただ、実際に生活するとなるとコストだけでは判断できない部分もあるため、コスト以外のメリット・デメリットも解説させていただきます。

<賃貸マンション×2室のメリットデメリット>

メリット

  • 初期費用・維持費ともにコストを抑えることができる
  • 機器が故障した際、修理費は大家さんの負担
  • メンテナンス費用が不要
  • うまくいかなかった時、二世帯での生活を解消しやすい
  • 親世帯がいなくなった場合、部屋の契約を解約できる
  • プライバシー対策が不要

デメリット

  • 隣り合わせで借りれる物件が少ない
  • 最新設備のある賃貸マンションは家賃が高額
  • 大家さんの都合による退去の可能性がある
  • 基本的に若い家族が多いため、親世帯の友達ができにくい
  • 2室が繋がっていないため、親世帯が高齢になった時の対応が難しい
  • 最終的に資産と呼べるものが残らない
  • 駐車場が離れている
  • 住所が長い

<二世帯住宅のメリットデメリット>

メリット

  • 親世帯との距離が近いため交流しやすい
  • 間取りや仕様をライフスタイルにあった造りにできる
  • 退去させられる心配がない
  • 戸建て内で行き来ができるので、何かあった際安心
  • 税金の優遇を受けることができる
  • 退去費用の心配をする必要がない

デメリット

  • 初期費用・維持費が高額
  • メンテナンスや修理費用は実費
  • 親世帯が不在になった場合、スペースが余る
  • うまくいかなかった時、二世帯を解消しにくい
  • プライバシー対策が必要

我が家は二世帯住宅で11年暮らしていますが、個人的に賃貸マンション×2室のパターンで良いと思うのは、「メンテナンスや修理の費用がかならない」という部分ですね。戸建ても11年経過すると色々と修理しなければならない部分が出てきます。

持家という魅力を取るか、合理性を取るか、の側面もありますね。

一つエピソードを書かせていただくと

我が家の向かいに賃貸マンションを2室借りて親世帯と子世帯で隣同士で暮らしている方がいました。(少し古めの賃貸でした)

その賃貸物件は、古いせいか入居者も少なく、その親世帯と子世帯のみが暮らしていましたが、そういう状況になってしまうと大家さんも家賃収入を得られないため、その賃貸物件を取り壊したいということになりました。

結果、その親世帯と子世帯は立ち退くことになったわけですが、二世帯で隣り合わせで暮らせる賃貸物件はなかなかないようで、間取りの大きい賃貸マンションを1室借りて二世帯で暮らすことになったようです。

賃貸マンション×2室には、こういうリスクがあることも承知しておく必要がありますね。

UR賃貸住宅では「近居割」もある

UR賃貸住宅 近居割 資料 国土交通省

出典:国土交通省

賃貸マンション×2室で近居を考えるなら、国が運営しているUR賃貸住宅という選択肢もおすすめです。

高齢化社会の中、国としても当然ながら対策の必要性を感じており、一定条件を満たしていれば、UR賃貸住宅で「近居割」を受けることができます。

割引の対象となる条件は

<子育て世帯や高齢者など支援を必要とする世帯>+<それを援助する世帯>の両方がUR賃貸住宅で生活する

⇒「近居割」

<子育て世帯や高齢者など支援を必要とする世帯>+<それを援助する世帯>の片方がUR賃貸住宅で生活して、もう一方がUR賃貸住宅以外で近居生活をする

⇒「近居割WIDE」

「近居割」以外にも子育て世帯への割引もあるため、賃貸で近居を考えるならUR賃貸住宅も選択肢の一つとして考えるのも良いですね。

詳しくは下記の公式ホームページでご確認ください。

独立行政法人都市再生機構(UR)は、「近居」を推進するため、家賃割引制度を設けている。具体的には、子育て世帯や高齢者世帯等の支援を必要とする世帯と、それを支援する世帯との2世帯が、1)UR賃貸住宅同士で近居をはじめた場合に、新しく入居する世帯の家賃を割り引く「近居割」、2)UR賃貸住宅とそれ以外の住宅で近居をはじめた場合に、新しくUR賃貸住宅に入居する世帯の家賃を割り引く「近居割WIDE」を実施している。

1 地域・住まいの快適化に対応する取組み

結局、賃貸マンション×2室と二世帯住宅 どちらがおすすめ⁉

二世帯住宅と賃貸マンションのトータル比較 図解

賃貸マンションと二世帯住宅の評価
  賃貸マンション×2室 完全分離型 二世帯住宅
初期費用  ☆☆☆☆☆☆  ☆☆
維持費  ☆☆☆☆☆  ☆☆☆
プライバシー  ☆☆☆☆☆  ☆☆☆☆
メンテナンス費  ☆☆☆☆☆☆  ☆☆☆
資産性  ☆  ☆☆☆☆☆☆
安心感  ☆☆  ☆☆☆☆☆
生活環境  ☆☆  ☆☆☆☆☆
満足度  ☆☆  ☆☆☆☆☆

予算的に抑える必要があれば、賃貸マンション×2室という選択ですね。予算以外にもメリットはあるので、検討する価値は十分にあると感じます。

もちろん二世帯住宅には二世帯住宅の良さがあるので、予算的に許すのであれば、二世帯住宅をおすすめしたいですが。

賃貸マンション×2室にするのか、二世帯住宅にするのか、の分かれ道は予算の部分ですね。一概にどちらが良いとか悪いとかは言えません。

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