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二世帯住宅 × タマホーム

【同居型 二世帯住宅で起きる問題 6つを具体的に解説】おすすめのタイプは完全分離型か部分共有型2択

この記事を読んで分かること☝

  • 同居型 二世帯住宅で起きる問題
  • 二世帯住宅 3パターンの推移
  • 二世帯住宅に必要なコンセプト

同居型の二世帯住宅を提案するハウスメーカーを時々見かけますが、「同居型の二世帯住宅」と言っているだけで、実際のところは少し大きめの普通の家ですね。

ハウスメーカーとしては分かりやすくするため「二世帯住宅」という言葉を使っているのかもしれませんが、もともとの二世帯住宅のコンセプトは、義両親との同居に悩むお嫁さんのために考えられた住宅ですから、ちょっと違いますよね。

基本は完全分離型で、二世帯住宅が発売された当初は、外階段を設置して世帯間を完全に分けていたようです。

ですが、実際のところは同居している方の割合が思いのほか多いです。

二世帯住宅の役割 図解

率直な思いとしては、「完全同居でうまくやっていけてるのかな」と疑問に思います。上記にも書かせていただきましたが、私はタマホームで建てた完全分離型の二世帯住宅で10年暮らしています。完全分離型でも色々と大変なことが起きるのに、同居型だったらどうなっちゃうの?と感じますね。

最近、暑いのでエアコンの設定温度を例にあげると、ご年配の親世帯は設定温度が高め、もしくはエアコンを付けないのに対し、子世帯は設定温度を低くしたい、エアコンは付けておきたい、とたかがエアコンの設定温度でも考えに食い違いが生じます。

そしてその結果ストレスも生じてしまいますよね。

ここでは同居型の二世帯住宅について、どういった問題が起きるのか具体的に考えていきますので、二世帯住宅、特に同居型 二世帯住宅をご検討の方は、ぜひ、最後まで読んでみてください。

■この記事を書いた人■

2012年に年収470万円ながらローコストハウスメーカーで二世帯住宅を新築。現在、二世帯住宅での生活歴10年。(継続中)

実際にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を建てた経験とその後の生活の経験を活かし、二世帯住宅の情報を発信中。

一男一女の父親。

同居型より完全分離型や部分共有型が増加傾向にある

2019年 二世帯住宅 3タイプアンケート結果
2022年 二世帯住宅 3タイプアンケート結果
2019年 アンケート結果        2022年 アンケート結果

(出典:【注文住宅の達人】家を建てる際の相場価格と失敗しない予算計画

エニワン株式会社 | 建設業向け業務管理システム【 AnyONE(エニワン)】

上記グラフは、実際に二世帯住宅を建てて暮らしている方を対象に取ったアンケート結果です。(2019年と2022年)

二世帯住宅 3タイプの調査結果
  2019年 2022年
   同居型    31%    14%
部分共有型    43%    51%  
完全分離型    25%    35%

2019年と2022年のアンケート結果を比較して、2022年は同居型の割合が大きく下がっています。

土地の広さや無駄なスペース、資産価値を考えれば、同居型が良いかもしれませんが、そもそもの二世帯住宅のコンセプトを考えれば、それは間違った考え方ですね。

いかに生活のストレスを少なくするかが二世帯住宅の役割なので、同居型の割合が減少しているのは、良いことだと感じます。

実際、私がInstagramで取った「二世帯住宅を建てるならどのタイプ」という独自アンケートでは、「完全分離型」の割合が圧倒的に高かったです。

ただ、予算やハウスメーカーの提案により「完全分離型」ではなく、実際に建てる二世帯住宅は「部分共有型」や「同居型」を選択するケースが多いようです。

二世帯住宅のアンケート①
二世帯住宅のアンケート②
「希望する二世帯住宅」と「実際に建てた二世帯住宅」

二世帯マイスター(@nisetaitam) • Instagram写真と動画

同居型の二世帯住宅で想定される問題点

同居型二世帯住宅で起きる問題 図解

同居と聞いただけで色々な問題を無限に想像できそうですが、ここでは実際に二世帯住宅で暮らしていて感じた問題点を書かせていただきます。

玄関周りの問題

玄関を共有にしていると行動を管理されているように感じます。どこかへ出かけるたびに義両親から「どこに出かけるの?」と聞かれるのはストレスですよね。帰ってきたら「どうだった?」なんで毎回聞かれるのもしんどいですよね。

数日間であれば問題ないかもしれないですが、家を建てるということは、その後の生活ずっとですからね。子世帯の行動をまったく干渉しない義両親であれば良いですが、人の行動が気になって仕方ないという義両親の場合は要注意です。

ただ、玄関共有はメリットもあるので、一概に玄関共有がダメとは思いません。

【玄関共有型の二世帯住宅はおすすめ⁉】ポイントは玄関スペースを独立させること - 大器晩成を信じて

キッチン周りの問題

キッチンを共有にすると「物をどこにしまってあるのか分からない」という状況が起こりストレスになります。女性の方はキッチンにこだわりを持たれる方が多いですし、自分なりの使い方もあるので、いつもと少し状況が違うだけで嫌ですよね。

それと親世帯と子世帯で食べ物の好みも違うし味付けも違うので、極端な話、健康にも関わることだと感じます。

【二世帯住宅のキッチン共有型は避けた方が良い⁉】4つのデメリットを詳しく解説 - 大器晩成を信じて

リビング周りの問題

リビングが一緒だとくつろげないです。要するにゴロゴロダラダラできないということです。家の中では、緊張感ゼロでのんびり過ごしたいですよね。

あと忘れがちなのがエアコンの設定温度です。夫婦間でも室温の感じ方が違いエアコンの設定温度で揉めるケースがあるのに、年配の義両親となら尚更室温の感じ方が違います。

浴室周りの問題

子供(孫)の人数にもよりますが、二世帯で浴室が一つは明らかに少ないです。例えば全員で6人いたとして、1人が30分入浴したらそれだけで3時間です。

年頃の子供(中学や高校)の場合は、1時間でも平気で入浴するため、順番を決めるのが大変です。我が家の子供たちも年齢と共に入浴の時間が長くなっています。

また、6人が同じ湯舟に浸かるというのは、個人的には嫌ですね。特に潔癖というわけではないですが、う~んシャワーだけになりそうです。

【二世帯の浴室共有はデメリットしかない⁉】部分共有型の二世帯住宅で浴室を共有にするメリットは年間25,200円 - 大器晩成を信じて

起床就寝時間の問題

これはリビングの話しにも通じますが、朝ゆっくり寝ていたい人いますよね。我が家の妻は、土日の朝はいつまでも寝ています。子供の用事がある時は起きてきますが、何もない時は、昼近くまで布団の中にいることもあります。

同居型だと義両親もいるので、こういったことはなかなか出来ないと思います。それに義両親も「いつまで寝てるの?」という感じになります。

日々規則正しい生活を送られている人であれば問題ないかもしれませんが、常に「起きなくちゃ」と思いながら生活するのは辛いです。

子育て方針の問題

子供が小さいうちは、親も義両親も皆子供に意識が集中します。そうなると子育てに関して義両親も色々と言ってくるケースが多いです。

例えば、食事の内容や就寝時間、勉強などですね。本来であれば、こんなことは親が考えているので、義両親が口を挟むことではないのですが、同居していると目に付くので何かと言いたくなります。

母親からすると子育てのことで口を挟まれるのは嫌ですよね。

同居型 二世帯住宅は普通の家

同居型 二世帯住宅は、基本的に普通の家で二世帯(親世帯と子世帯)が暮らすことと変わらないです。

<普通の家と同居型 二世帯住宅の違い>

  • 間取りが全般的に大きい
  • 浴室やキッチン、玄関への導線が工夫されている

二世帯住宅というには物足りないので、個人的には同居型を二世帯住宅と呼ぶことに抵抗がありますが、親世帯が1人でご高齢の場合は、間取りを工夫した同居型でも良いかと思います。

ただ、親世帯が1人の場合であっても若くて元気の良い場合は、狭小タイプの完全分離型か玄関共有型の二世帯住宅で独立した生活スペースを持っていた方が良いように感じます。

【狭小タイプの二世帯住宅はメリットが大きい⁉】おすすめは延床面積40~50坪の完全分離型 - 大器晩成を信じて

義両親の実家が大きいから、そこに同居は難しい

このパターンは結構多いと思います。要するに義両親の自宅が大きくて割と新しい場合、子世帯もそこで一緒に暮らせば家賃を節約できるという話ですね。

このパターンは本当にうまくいかないと思います。このパターンで仮に現在うまくやっていけているのであれば、それは奥さんの努力や我慢の賜物です。

義両親の実家で同居するなら、少なくとも二世帯住宅へのリフォームをした方が良いです。できれば「プライバシー対策」のため、生活空間を分けたいですね。

  • 浴室の増設
  • キッチンの増設
  • 玄関の増設

ただ、これらをリフォームで対応しようとすると予算も高額になる上、実家の構造によっては対応できない可能性もあります。

義実家での同居は難しい 図解

【戸建てをリフォームして二世帯住宅にする】同居型の二世帯住宅にならないような工夫が重要! - 大器晩成を信じて

家賃がもったいないという気持ちも分かりますが、節約するために生きているわけではなく、豊かな人生を送りたいと思って皆生きていると思うので、本末転倒な話だと感じてしまいますね。

こういった話が出た場合は、二世帯住宅の検討を積極的に勧めた方がいいです。

【初めて二世帯住宅を検討する方へ】2024年度 二世帯住宅の検討 21社を徹底比較 ローコストハウスメーカーから大手ハウスメーカーまで - 大器晩成を信じて

同居型は居候感が出てしまう

同居型二世帯住宅のストレス 図解

すでに義両親が暮らしている家で同居した場合、どうしても子世帯に居候感が出てしまいます。要するに「他人の家で暮らしていて落ち着かない」という感じですね。

例えば夫の両親と同居した場合、夫は実の親なので気にならないかもしれませんが、お嫁さんにとっては他人の家で暮らしているので、気の休まるタイミングがないですよね。

もう一つ例えをあげると親世帯一人+子世帯で同居型の二世帯住宅を建てる場合、どうしても親世帯の専有スペースが狭くなってしまいます。

ちょっと嫌な言い方をすると「隅に追いやられている」感じさえ受けるかもしれません。

どちらの場合も不満が溜まり、何かの拍子にトラブルになる可能性があります。

例え義両親の家が新しかったとしても、親世帯が一人であったとしても、同居ではなく分離型にすることがマストですね。一つの独立した世帯という感覚を持てることが二世帯住宅においては大切です。

結論 同居型の二世帯住宅はおすすめできない

二世帯住宅を建てる目的 図解

この記事で解説させていただいた通り、同居型の二世帯住宅では様々な問題の発生が考えられます。

完全分離型や部分共有型の二世帯住宅は

  • 大きな土地が必要
  • 将来、無駄なスペースができる
  • 売ろうと思っても需要がない(資産価値が低い)
  • 建築費用が高い

などのデメリットがありますが、二世帯住宅の最大の使命は、二世帯(親世帯と子世帯)がストレスなく問題なく暮らせることですから、目先のメリットやデメリットに振り回されないように注意が必要ですね。

「建築費用が安いから」

「資産価値が高いから」

といった理由で同居型にしてしまうのはリスクが大きいように感じます。

これから二世帯住宅をご検討の方は、同居型、部分共有型、完全分離型の選択を慎重に考えてください。

以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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