
この記事を読んで分かること☝
- 同居型 二世帯住宅で起きる問題
- 二世帯住宅 3パターンの推移
- 二世帯住宅に必要なコンセプト
- 同居型が向いているケース・向いていないケース
同居型の二世帯住宅を提案するハウスメーカーを時々見かけますが、「同居型の二世帯住宅」と言っているだけで、実際のところは少し大きめの普通の家ですね。
ハウスメーカーとしては分かりやすくするため「二世帯住宅」という言葉を使っているのかもしれませんが、もともとの二世帯住宅のコンセプトは、義両親との同居に悩むお嫁さんのために考えられた住宅ですから、ちょっと違いますよね。
基本は完全分離型で、二世帯住宅が発売された当初は、外階段を設置して世帯間を完全に分けていたようです。
ですが、実際のところは同居している方の割合が思いのほか多いです。
結論:同居型二世帯住宅は建築費を抑えやすい一方で、玄関・キッチン・浴室・生活時間・子育て方針などのズレが日常的なストレスになりやすい住まい方です。二世帯住宅の本来の目的は「親世帯と子世帯が無理なく暮らせること」なので、可能であれば完全分離型、難しければ部分共有型を優先して検討するのがおすすめです。

率直な思いとしては、「完全同居でうまくやっていけてるのかな」と疑問に思います。上記にも書かせていただきましたが、私はタマホームで建てた完全分離型の二世帯住宅で12年暮らしています。完全分離型でも色々と大変なことが起きるのに、同居型だったらどうなっちゃうの?と感じますね。
夏のエアコンの設定温度を例にあげると、ご年配の親世帯は設定温度が高め、もしくはエアコンを付けないのに対し、子世帯は設定温度を低くしたい、エアコンは付けておきたいなど、たかがエアコンの設定温度でも考えに食い違いが生じます。
そしてその結果ストレスも生じてしまいますよね。
ここでは同居型の二世帯住宅について、どういった問題が起きるのか具体的に考えていきますので、二世帯住宅、特に同居型 二世帯住宅をご検討の方は、ぜひ、最後まで読んでみてください。

👨🔧 この記事を書いた人
2012年にローコストハウスメーカーで完全分離型の二世帯住宅を新築。
生活歴12年のリアルな経験をもとに、家づくりのヒントや失敗談を発信しています。
「いかにして手の届く価格で新築住宅を検討するか」「ローコストで理想的な二世帯住宅とは」をテーマに日々研究。
価格・間取り・断熱・防音まで、実体験を交えながら徹底解説。
👨👩👧👦 一男一女の父(47歳)
🏠 二世帯住宅×ローコスト住宅の専門ブロガー
- 同居型二世帯住宅はおすすめできる?最初に結論を解説
- 同居型は減少傾向!二世帯住宅は「完全分離型」・「部分共有型」が主流に
- 同居型二世帯住宅で起きやすい6つの問題【玄関・キッチン・浴室ほか】
- 同居型二世帯住宅はなぜストレスが起きやすい?
- 同居型二世帯住宅が向いているケース・向いていないケース
- 「同居型二世帯住宅」は普通の家と何が違う?メリット・デメリットを解説
- 同居型は居候感が出てしまう
- 同居型二世帯住宅のよくある質問
- 結論 同居型の二世帯住宅はおすすめできない
同居型二世帯住宅はおすすめできる?最初に結論を解説
同居型二世帯住宅は、建築費を抑えやすく、設備も少なく済むため、一見すると合理的に感じます。
しかし、二世帯住宅で大切なのは「費用の安さ」だけではなく、「生活ストレスをいかに減らせるか」です。
実際に二世帯住宅で12年暮らして感じるのは、完全分離型でも気を使う場面があるということです。だからこそ、玄関・キッチン・浴室・リビングまで共有する同居型は、日々の小さなズレが積み重なって、想像以上にしんどくなりやすいと感じます。
特に奥さん側に負担が偏りやすいケースが多いため、同居型は慎重に考えた方が良いですね。
同居型は減少傾向!二世帯住宅は「完全分離型」・「部分共有型」が主流に


(出典:【注文住宅の達人】家を建てる際の相場価格と失敗しない予算計画
エニワン株式会社 | 建設業向け業務管理システム【 AnyONE(エニワン)】)
上記グラフは、実際に二世帯住宅を建てて暮らしている方を対象に取ったアンケート結果です。(2019年と2022年)
| 2019年 | 2022年 | |
|---|---|---|
| 同居型 | 31% | 14% |
| 部分共有型 | 43% | 51% |
| 完全分離型 | 25% | 35% |
数値で見ても、同居型は2019年の31%から2022年には14%まで低下しています。反対に、部分共有型は43%から51%、完全分離型は25%から35%へ増加しています。
つまり、二世帯住宅では「できるだけ生活空間を分けたい」というニーズが強くなっているということですね。
土地の広さや無駄なスペース、資産価値を考えれば、同居型が良いかもしれませんが、そもそもの二世帯住宅のコンセプトを考えれば、それは間違った考え方ですね。
いかに生活のストレスを少なくするかが二世帯住宅の役割なので、同居型の割合が減少しているのは、良いことだと感じます。
実際、私がInstagramで取った「二世帯住宅を建てるならどのタイプ」という独自アンケートでは、「完全分離型」の割合が圧倒的に高かったです。
ただ、予算やハウスメーカーの提案により「完全分離型」ではなく、実際に建てる二世帯住宅は「部分共有型」や「同居型」を選択するケースが多いようです。


二世帯マイスター(@nisetaitam) • Instagram写真と動画
同居型二世帯住宅で起きやすい6つの問題【玄関・キッチン・浴室ほか】

同居と聞いただけで色々な問題を無限に想像できそうですが、ここでは実際に二世帯住宅で暮らしていて感じた問題点を書かせていただきます。
玄関周りの問題
玄関を共有にしていると行動を管理されているように感じます。どこかへ出かけるたびに義両親から「どこに出かけるの?」と聞かれるのはストレスですよね。帰ってきたら「どうだった?」なんで毎回聞かれるのもしんどいですよね。
数日間であれば問題ないかもしれないですが、家を建てるということは、その後の生活ずっとですからね。子世帯の行動をまったく干渉しない義両親であれば良いですが、人の行動が気になって仕方ないという義両親の場合は要注意です。
ただ、玄関共有はメリットもあるので、一概に玄関共有がダメとは思いません。
【玄関共有型の二世帯住宅はおすすめ⁉】ポイントは玄関スペースを独立させること - 大器晩成を信じて
キッチン周りの問題
キッチンを共有にすると「物をどこにしまってあるのか分からない」という状況が起こりストレスになります。女性の方はキッチンにこだわりを持たれる方が多いですし、自分なりの使い方もあるので、いつもと少し状況が違うだけで嫌ですよね。
それと親世帯と子世帯で食べ物の好みも違うし味付けも違うので、極端な話、健康にも関わることだと感じます。
【二世帯住宅のキッチン共有型は避けた方が良い⁉】4つのデメリットを詳しく解説 - 大器晩成を信じて
リビング周りの問題
リビングが一緒だとくつろげないです。要するにゴロゴロダラダラできないということです。家の中では、緊張感ゼロでのんびり過ごしたいですよね。
あと忘れがちなのがエアコンの設定温度です。夫婦間でも室温の感じ方が違いエアコンの設定温度で揉めるケースがあるのに、年配の義両親となら尚更室温の感じ方が違います。
浴室周りの問題
子供(孫)の人数にもよりますが、二世帯で浴室が一つは明らかに少ないです。例えば全員で6人いたとして、1人が30分入浴したらそれだけで3時間です。
年頃の子供(中学や高校)の場合は、1時間でも平気で入浴するため、順番を決めるのが大変です。我が家の子供たちも年齢と共に入浴の時間が長くなっています。
また、6人が同じ湯舟に浸かるというのは、個人的には嫌ですね。特に潔癖というわけではないですが、う~んシャワーだけになりそうです。
【二世帯の浴室共有はデメリットしかない⁉】部分共有型の二世帯住宅で浴室を共有にするメリットは年間25,200円 - 大器晩成を信じて
起床就寝時間の問題
これはリビングの話しにも通じますが、朝ゆっくり寝ていたい人いますよね。我が家の妻は、土日の朝はいつまでも寝ています。子供の用事がある時は起きてきますが、何もない時は、昼近くまで布団の中にいることもあります。
同居型だと義両親もいるので、こういったことはなかなか出来ないと思います。それに義両親も「いつまで寝てるの?」という感じになります。
日々規則正しい生活を送られている人であれば問題ないかもしれませんが、常に「起きなくちゃ」と思いながら生活するのは辛いです。
子育て方針の問題
子供が小さいうちは、親も義両親も皆子供に意識が集中します。そうなると子育てに関して義両親も色々と言ってくるケースが多いです。
例えば、食事の内容や就寝時間、勉強などですね。本来であれば、こんなことは親が考えているので、義両親が口を挟むことではないのですが、同居していると目に付くので何かと言いたくなります。
母親からすると子育てのことで口を挟まれるのは嫌ですよね。
実際に完全分離型で暮らしている私でも、二世帯住宅では多少の気遣いや調整が必要だと感じます。だからこそ、生活スペースをほぼ共有する同居型では、こうした小さな違和感が積み重なって大きなストレスになりやすいですね。
同居型二世帯住宅はなぜストレスが起きやすい?
同居型二世帯住宅で一番の問題は、設備不足よりも「心理的な距離を取りにくいこと」です。
玄関、リビング、キッチン、浴室などを共有すると、常に誰かの気配を感じながら暮らすことになります。
一つひとつは小さなことでも、毎日のこととなると話は別です。
- 今日はどこへ行くのか聞かれる
- 料理のやり方や味付けに違いが出る
- リビングでダラダラしにくい
- 入浴時間が重なる
- 子育てへの口出しが増える
こうしたことが積み重なると、家の中なのに気が休まらない状態になってしまいます。
二世帯住宅は、本来「助け合える住まい」であるべきですが、同居型では「我慢し合う住まい」になりやすいのが難しいところです。
同居型二世帯住宅が向いているケース・向いていないケース
| 項目 | 向いているケース | 向いていないケース |
|---|---|---|
| 親世帯の人数 | 親1人で生活スペースの希望が少ない | 親2人で生活リズムがしっかりある |
| 子世帯の状況 | 夫婦のみ、または在宅時間が短い | 子どもが複数いて生活音が多い |
| 生活時間 | 食事・入浴・起床就寝時間が近い | 世帯ごとに生活時間がズレやすい |
| 人間関係 | 干渉が少なく距離感を守れる | 行動確認や口出しが多い |
| 同居期間 | 一時的・短期間の同居 | 長期間の同居を前提にしている |
この表を見ると分かる通り、同居型が向いているのはかなり限定的です。
特に、子育て世帯や生活時間がバラバラな家庭では、同居型の負担が一気に大きくなりやすいですね。
「同居型二世帯住宅」は普通の家と何が違う?メリット・デメリットを解説
同居型 二世帯住宅は、基本的に普通の家で二世帯(親世帯と子世帯)が暮らすことと変わらないです。
<普通の家と同居型 二世帯住宅の違い>
- 間取りが全般的に大きい
- 浴室やキッチン、玄関への導線が工夫されている
二世帯住宅というには物足りないので、個人的には同居型を二世帯住宅と呼ぶことに抵抗がありますが、親世帯が1人でご高齢の場合は、間取りを工夫した同居型でも良いかと思います。
ただ、親世帯が1人の場合であっても若くて元気の良い場合は、狭小タイプの完全分離型か玄関共有型の二世帯住宅で独立した生活スペースを持っていた方が良いように感じます。
【狭小タイプの二世帯住宅はメリットが大きい⁉】おすすめは延床面積40~50坪の完全分離型 - 大器晩成を信じて
「義両親の実家が大きいからそこに同居」は難しい
このパターンは結構多いと思います。要するに義両親の自宅が大きくて割と新しい場合、子世帯もそこで一緒に暮らせば家賃を節約できるという話ですね。
このパターンは本当にうまくいかないと思います。このパターンで仮に現在うまくやっていけているのであれば、それは奥さんの努力や我慢の賜物です。
義両親の実家で同居するなら、少なくとも二世帯住宅へのリフォームをした方が良いです。できれば「プライバシー対策」のため、生活空間を分けたいですね。
- 浴室の増設
- キッチンの増設
- 玄関の増設
ただ、これらをリフォームで対応しようとすると予算も高額になる上、実家の構造によっては対応できない可能性もあります。

【戸建てをリフォームして二世帯住宅にする】同居型の二世帯住宅にならないような工夫が重要! - 大器晩成を信じて
家賃がもったいないという気持ちも分かりますが、節約するために生きているわけではなく、豊かな人生を送りたいと思って皆生きていると思うので、本末転倒な話だと感じてしまいますね。
こういった話が出た場合は、二世帯住宅の検討を積極的に勧めた方がいいです。
同居型は居候感が出てしまう

すでに義両親が暮らしている家で同居した場合、どうしても子世帯に居候感が出てしまいます。要するに「他人の家で暮らしていて落ち着かない」という感じですね。
例えば夫の両親と同居した場合、夫は実の親なので気にならないかもしれませんが、お嫁さんにとっては他人の家で暮らしているので、気の休まるタイミングがないですよね。
もう一つ例えをあげると親世帯一人+子世帯で同居型の二世帯住宅を建てる場合、どうしても親世帯の専有スペースが狭くなってしまいます。
ちょっと嫌な言い方をすると「隅に追いやられている」感じさえ受けるかもしれません。
どちらの場合も不満が溜まり、何かの拍子にトラブルになる可能性があります。
例え義両親の家が新しかったとしても、親世帯が一人であったとしても、同居ではなく分離型にすることがマストですね。一つの独立した世帯という感覚を持てることが二世帯住宅においては大切です。
【宅配業者さんへのお願い】二世帯住宅の荷物は依頼した世帯へ届けてほしい - 大器晩成を信じて
同居型二世帯住宅のよくある質問
同居型二世帯住宅は建築費を抑えやすいですか?
はい。玄関・キッチン・浴室などの設備を共有できるため、完全分離型より建築費を抑えやすい傾向があります。ただし、将来的なストレスやリフォーム費用まで考えると、必ずしも安上がりとは言えません。
同居型二世帯住宅で特に揉めやすい場所はどこですか?
玄関、キッチン、浴室、リビングです。生活時間や家事のやり方、温度感覚、片付けの基準が違うため、日常の小さなズレが蓄積しやすいです。
同居型二世帯住宅は誰に向いていますか?
親世帯が1人で、干渉が少なく、生活時間が近く、短期間の同居を想定している家庭なら検討の余地があります。ただし、長期同居なら生活空間を分けた方が安心です。
二世帯住宅でおすすめの形は何ですか?
生活ストレスを抑えたいなら完全分離型が理想です。予算や土地条件が厳しい場合は、玄関や浴室の共有範囲を慎重に絞った部分共有型が現実的です。
結論 同居型の二世帯住宅はおすすめできない

この記事で解説させていただいた通り、同居型の二世帯住宅では様々な問題の発生が考えられます。
完全分離型や部分共有型の二世帯住宅は
- 大きな土地が必要
- 将来、無駄なスペースができる
- 売ろうと思っても需要がない(資産価値が低い)
- 建築費用が高い
などのデメリットがありますが、二世帯住宅の最大の使命は、二世帯(親世帯と子世帯)がストレスなく問題なく暮らせることですから、目先のメリットやデメリットに振り回されないように注意が必要ですね。
「建築費用が安いから」
「資産価値が高いから」
といった理由で同居型にしてしまうのはリスクが大きいように感じます。
これから二世帯住宅をご検討の方は、同居型、部分共有型、完全分離型の選択を慎重に考えてください。
実際に完全分離型で12年暮らしてきた立場から言うと、二世帯住宅は「どれだけ設備を減らせるか」ではなく、「どれだけストレスを減らせるか」で考えるべきだと思います。
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。