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【二世帯の浴室共有はデメリットしかない⁉】部分共有型の二世帯住宅で浴室を共有にするメリットは年間25,200円

この記事を読んで分かること☝

  • 二世帯住宅で浴室を共有にした際のコストメリット
  • 二世帯住宅で浴室を共有にした際のデメリット
  • 浴室を共有にすべきかどうかの判断基準

二世帯住宅を検討する際、部分共有型として、お風呂を共有にしている提案を見かけることがあります。

お風呂を親世帯と子世帯で共有にする理由は、下記の2点です。

<メリット>

  • イニシャルコストを抑えることができる
  • ランニングコスト(水道代・ガス代)を抑えることができる

一方<デメリット>

  • 嫁のストレス
  • 衛生面の問題

二世帯住宅 浴室共有 図解

この記事では、実際のお風呂を親世帯と子世帯で共有にした場合のコストメリットを試算しつつ、デメリットも解説していきます。

私は10年間、完全分離型の二世帯住宅で暮らしていますが、実感としては「お風呂の共有はトラブルのもと」だと感じています。

ただ、コストメリットが大きければ、検討する価値があるかもしれませんので、これから二世帯住宅を検討される方は、ぜひ、最後まで記事を読んでください。

■この記事を書いた人■

2012年にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を新築。

二世帯住宅での生活(生活歴10年)しながら、最もローコストで理想の二世帯住宅が、どういうものなのか研究。

実際にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を建てた経験とその後の生活の経験を活かし、二世帯住宅の情報を発信中。

一男一女の父親。

二世帯住宅の浴室を共有にするコストメリット

浴室を共有にするコストメリットは、「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」の2つの側面があります。

イニシャルコスト

  • 浴室設置料金:約800,000万円
  • 施工料金(坪単価):約400,000円
  • 給湯器:約200,000万円

※浴室2つ分を1つの給湯器で対応するのは難しい(能力が足りない)ので、給湯器の増設は必須です。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

【完全分離型の二世帯住宅は給湯器が2つ必要⁉】エコジョーズ2台設置がオススメな理由を解説 - 大器晩成を信じて

合計 1,400,000円

二世帯住宅を新築する際、浴室を共有にすることで、約1,400,000円の建築コストを削減することができます。

ランニングコスト

  • 給湯機のガス代
  • 湯舟を溜めるための水道代

シャワーは、お風呂が一つであろうが二つであろうが、同様に使用するため、ランニングコストからは除外します。あくまで浴室を二つにした際の余分で考えます。

<ガス代>

都市ガスとプロパンガスでガス料金が異なりますが、ここでは都市ガスの一般的な単価で考えます。

  • ガス料金:150円/㎥(お湯を1,000L使用して、150円)
  • 湯舟の量:0.2㎥/回(0.2㎥=200L 湯舟に1回で溜まるお湯の量  )

0.2㎥/回×30日/月×150円/㎥=900円/月

毎日、お風呂にお湯を溜めた際のガス代:900円/月

<水道代>

水道の単価は、地域により価格差がありますが、都市部の水道単価を参考に計算します。

  • 水道料金:200円/㎥(水を1,000L使用して、200円)
  • 湯舟の量:0.2㎥/回(0.2㎥=200L 湯舟1回で溜まる水の量)

0.2㎥/回×30日/月×200円/㎥=1,200円/月

毎日、お風呂にお湯を溜めた際の水道代:1,200円/月

<浴室を2つにした際のランニングコスト増  結果>

ガス代900円/月+水道代1,200円/月=2,100円/月

一ヵ月当たり:2,100円の増加(年間:25,200円)

二世帯住宅の浴室を共有にしたコストメリット まとめ

二世帯住宅 浴室共有 メリット・デメリット 図解

二世帯住宅で浴室を共有にした場合のコストメリット

  • イニシャル:1,400,000円
  • ランニング:25,200円/年間

実際、ランニングコストの部分は、追い炊きやお風呂の清掃など、もう少しコストがかかりますが、大きくは違わないでしょう。

ランニングコストにプラスαとして、メンテナンス費用が発生します。

約15年で給湯器の更新が必要になるので、15年で考えると

イニシャル1,400,000円+25,200円×15年+200,000円

1,978,000円/15年

浴室共有で得られるメリット 図解

コスト以外では、スペースの有効利用ですね。浴室2つ⇒1つにした場合、小さな部屋を造ることができます。

二世帯住宅で建築費用を抑えたい方は、こちらの記事もご覧ください。

【二世帯住宅の建築費用を抑える方法 7選】部分共有で費用を抑えるのは最終手段 - 大器晩成を信じて

二世帯住宅の浴室を共有にするデメリット

我が家の場合で考えますが、親世帯2人、子世帯4人ですから、この家族構成でデメリットを考えてみます。

  • お風呂に入る順番の調整
  • 待たれているとゆっくり入浴できない
  • 湯舟の清潔感がない
  • お風呂掃除を誰がやるのか決める必要がある
  • 湯舟の温度の好みが違う
  • 親世帯と子世帯の関係が悪化した際、気まずい
  • 遅い時間帯に入浴すると気を遣う(音など)
  • 朝にシャワーを浴びたいけど親世帯に気を遣う

一言で言うと、親世帯と子世帯の関係性次第ですね。親世帯と子世帯が仲良しで、気兼ねなく何でも話しをできる(特にお嫁さん)環境であれば、これらのデメリットは克服できるでしょう。(ストレスは溜まると思いますが)

例えば、二世帯住宅を建てる前から、親世帯と子世帯で年に数回、旅行に行っているとか、親世帯の家に泊まりに行ってくつろいでいるなど、こういう状況であれば、デメリットにならない可能性があります。

しかし、親世帯と子世帯の接点がそれほどなく、表面上うまく関係を作っている場合は、要注意です。

大人ですから、たまの付き合いであれば、うまく取り繕いますが、近くに暮らすとなると状況は違います。この見極めが重要ですね。

あとは実際に二世帯住宅で10年間暮らして分かったことですが「ゆっくり入浴できない」という問題は、子供が大きくなってくると発生します。

子供が小さいうちは親と一緒に入浴するので、それほど時間がかかりません。私も子供が小さかった頃は、子供二人と一緒に入って、一緒に出てきていました。

でも、子供が中学生になった現在、当然ながら二人とも一人で入浴します。その上、二人とも入浴が好きなので、なかなかお風呂から出てきません・・・1人1時間です。

こうなると私が30分、妻も30分、子供たちが二人合わせて2時間で、合計3時間ですね。親世帯も合わせると家族全員の入浴時間は、4時間を超えます。

順番待ちの問題も発生しそうですよね。

⇒30坪の二世帯住宅は狭すぎる⁉完全分離型なら40坪以上がおすすめ

<入浴人数と湯舟を汚れ>

出典:お風呂の残り湯は使ってもよい? – 株式会社 衛生微生物研究センター

上の表は、入浴人数と細菌数、そして一晩経過後の細菌数をまとめたものです。

2名入浴時と5名入浴時で入浴後の細菌数が、約25倍も増加しています。当然と言えば当然ですが、入浴人数が増えれば湯舟の汚れは増加します。

二世帯住宅の場合、家族構成にもよりますが、6名以上になるケースも少なくないので、衛生面を考えても浴室共有はおすすめではないですね。

二世帯住宅の浴室共有はストレスの方が大きい

二世帯住宅で浴室を共有にするメリットは、コスト面のみです。当然、二世帯住宅は安い買い物ではないですから、浴室を省けば大きなコストダウンにはなります。

一方で親世帯と子世帯との関係性で問題になる可能性もあります。浴室を共有にするメリット・デメリットを分かりやすく表現すると

コストの削減 VS ストレス要因の削減

どちらの選択が良いのかは、親世帯と子世帯の関係性と予算次第ですが、二世帯住宅で10年間暮らしている私の意見は、「浴室は絶対に分けた方がいい」ということです。

二世帯住宅を建てて、それから長い期間、その家で暮らしていくことになると思いましが、二世帯住宅で重要なことは、「ストレスになりそうな火種はすべて取り除く」ということです。

ランニングコストをもっと大きく削減できるのであれば、考える余地はありますが、年間25,200円の削減に対して、その後の生活を考えるとリスクが大きいと感じます。家づくりはやり直しができないですから、この検討は慎重になった方がいいですね。

例えば夫の両親と二世帯住宅で暮らすのであれば、お嫁さんには最大限の配慮をすべきです。その配慮にはしっかりお金をかけるべきだと感じています。

仮にコスト面が厳しいのであれば、大手ハウスメーカーだけでなくローコストハウスメーカーも視野に検討することがおすすめです。

ハウスメーカーから色々な提案があると思いますが、その後の生活をイメージしながらしっかり考えて後悔のない二世帯住宅の検討を頑張ってください。

二世帯住宅をご検討の方にオススメ記事を2つご紹介させていただきます。ぜひ、読んでみてください。

■オススメ記事①■
■オススメ記事②■