この記事を読んで分かること☝
- 二世帯住宅の不安要素(家と人間関係)
- 13の不安要素を解消する方法
- 実際に二世帯住宅で暮らして感じた教訓
これから二世帯住宅を検討される方の多くは、色々な不安を抱えていますよね。普通の戸建てを建てるよりも不安要素があるのは事実で、その不安要素をいかに取り除くかが重要だったりします。
私は10年前に完全分離型の二世帯住宅を建てて、現在もその家で暮らしていますが、二世帯住宅の検討を一言で表すと「不安要素を一つずつ解消していく作業」ですね。
二世帯住宅の場合、誰か一人が不安というより、そこで暮らす全員に不安があります。子世帯のお嫁さんの不安は当然ながら大きいですが、その夫も不安を持っていますし、親世帯だって不安を持っています。
具体的な不安要素としては
<家関係の不安>
- 二世帯住宅のタイプは何が良い?
- 子供が小さいけど、うるさくならないか心配
- 二世帯住宅の内扉はカギを付けた方が良い?
- 郵便物のプライバシーが不安
- 自分のプライベート空間は確保できるか?
<人間関係の不安>
- 夫婦喧嘩になった時、親世帯に声が聞こえたら嫌だ・・・
- 自分(お嫁さん)の家族は遊びに来ることができるか?
- 夜出かけたりしたら親世帯に何か言われないか・・・
- 頻繁に一緒に食事することになると疲れる・・・
- 親世帯がきれい好きで心配・・・
- 子育てについて親世帯から口を挟まれたくない・・
- 気を遣ってしんどくなってしまわないか・・・
- 二世帯住宅はやめた方がいいという話もあるが・・・
などがあり、これらの不安をできる限り少なくするために、どういった二世帯住宅が良いのか検討するわけです。
不安を抱えているとついつい相手に文句を言いたくなり、二世帯生活がギクシャクする原因にもなるので、しっかり対策をしたいですね。
今回は私の経験を踏まえ、これら二世帯住宅を検討される方の不安が少しでも減るように二世帯住宅の検討方法を解説していきますので、ぜひ、参考にしてください。
2012年にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を新築。
二世帯住宅での生活(生活歴10年)しながら、最もローコストで理想の二世帯住宅が、どういうものなのか研究。
実際にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を建てた経験とその後の生活の経験を活かし、二世帯住宅の情報を発信中。
一男一女の父親。
二世帯住宅 家づくりの不安5選
不安の少ない二世帯住宅のタイプ
二世帯住宅の不安を最小限に抑えるタイプは、完全分離型の二世帯住宅です。特に人間関係(嫁姑)に不安のある方は、完全分離型が必須ですね。
完全分離型の二世帯住宅は、プライバシー性能が高い反面、デメリットもあります。
- 広い土地が必要
- 建築コストが高額
- 資産価値が低い
この3つが完全分離型の デメリットですね。
でも二世帯住宅が破綻する原因の多くは、人間関係(嫁姑問題)です。広い土地が必要でも、建築コストが高額でも、資産価値が低くても、完全分離型には価値があります。
出来るだけ建築費用を抑えつつ小さな土地で検討したい方には、狭小タイプでも完全分離型の二世帯住宅は可能ですから、完全分離型を諦めずに検討してみてくださいね。
狭小タイプの完全分離型のメリットとしては
- 建築コストを抑えることができる
- 固定資産税を安く抑えることができる
- 狭い土地でも建築可能
- 家族の人数変化(減少)に対して対応しやすい
狭小タイプの二世帯住宅については、こちらの記事で詳しく解説していますので、読んでみてください。
⇒【狭小タイプの二世帯住宅はメリットが大きい⁉】おすすめは延床面積40~50坪の完全分離型
子供の騒ぐ音で親世帯と揉めないか不安
子供関連の音は、大きくわけて2パターンあります。
<子供が小学生以下>
走り回ったり騒いだりするので、親世帯に対する音対策は必要です。ただ、小学生以下の子供が騒ぐのは昼間で、夜寝るのは早いですからそれほど気にならないです。
床を二重床にするなど、対策をしておけば問題ありません。
<子供が中学生以上>
中学生にもなると夜寝る時間が、親世帯より遅くなることもあります。夜は周りが静かなので、ちょっとした音でも気になります。
親世帯が寝ようとしている時間に2階の子供部屋から音がしたら、気になって眠れないということもあります。中学生という難しい年齢の子供に「おじいちゃん、おばあちゃんが、もう少し静かにしてほしいと言っている」とうまく伝えるのも難しいですね。
二世帯住宅で10年暮らしてきた私の意見は、「完璧に対策することは難しい」です。音問題は、間取りの工夫と二重床などで対策しますが、100%音問題を防ぐことはできません。
- 間取りの工夫
- 2階床の防音
- 家庭内のルール作り
が重要です。
⇒二世帯住宅を建てるなら【大手HM⇒ミサワホーム】【ローコストHM⇒アイダ設計】 床防音の観点で考えてみた
二世帯住宅の内扉にカギがないと不安
完全分離型の二世帯住宅では、各世帯をつなぐ内扉があります。その内扉を使って、世帯間を移動できるため「親世帯が自由に子世帯側に来たら嫌だ」と思い不安になります。
内扉にカギをつければ、物理的に行き来ができなくなりますが、それでは二世帯住宅の本質的な不安の解消にはなりません。
本質的な不安の解消は「カギで対策」するのではなく「ルールを作って対策」することですね。例えば「内扉を使って相手の世帯へ行くときは、事前に連絡すること」などです。要するに皆が納得する理由が必要ということです。
どうしても内扉に鍵を付けたい場合は「仮に泥棒が侵入した場合、被害を最小限に抑えるため鍵を付けた方が良い」と言ってみてはいかがでしょうか。
嫌な感じもなく且つ鍵をつける明確な理由があります。
【二世帯住宅の内扉はカギありなし⁉】内扉なしという選択肢も - 大器晩成を信じて
郵便物のプライバシーが不安
郵便物のプライバシー対策は重要ですね。郵便受けを親世帯と子世帯で分けることはもちろんのこと、郵便局の配達員さんが投函間違いを起こさないような工夫も必要です。
我が家は、郵便受けを各世帯ごとに設置していますが、どちらか一方の郵便受けにすべての郵便物が収められていることがよくあります。
配達員さんにすれば、「同じ敷地なので、分けるのが面倒」という気持ちがあるのかもしれませんが、きちんとしてほしいものです。
どうしても不安という方は、郵便受けにはカギがついていますので、そのカギで対応することも良いと思います。
ただ、カギの場合、生活し始めて途中からだと、ちょっと嫌味な感じがあるので、郵便受けにカギをかけるなら、最初からですね。
【二世帯住宅の郵便受け】親世帯と子世帯で郵便受けを分けても問題発生 - 大器晩成を信じて
二世帯住宅は自分のプライベート空間はある?
同居型の場合、自分のプライベート空間を確保することは難しいです。でも部分共有型(玄関のみ共有)や完全分離型であれば、自分のプライベート空間はあります。
奥さんの立場で考えれば、
- 自分の部屋の確保
- 自分が占有できるキッチン
- くつろげる浴室
- 安心できるトイレ
が必要ですよね。各世帯で独立した二世帯住宅であれば、この4つを確保できます。我が家は、完全分離型で上記4つが揃っていますので、自分の空間について不安はないです。
ただ、極端に狭い二世帯住宅だと部屋数を確保できないケースがあるため、40坪以上の完全分離型がおすすめです。
【30坪の二世帯住宅は狭すぎる⁉】完全分離型なら40坪以上がおすすめ - 大器晩成を信じて
二世帯住宅 人間関係の不安8選
夫婦喧嘩の声が聞こえないか不安
完全分離型の二世帯住宅だと思いのほか、人の声は聞こえないです。というかまったく聞こえないですね。我が家は割と狭小タイプの二世帯住宅ですが、それでも声は聞こえないですね。
ですから夫婦喧嘩の声は聞こえないので、思い切り夫婦喧嘩しても大丈夫です。我が家は、よく喧嘩します。
【二世帯住宅の防音問題】会話の声が聞こえてしまう⁉完全分離型で10年暮らした体験談 - 大器晩成を信じて
自分(嫁)の家族が遊びに来れる二世帯住宅がほしい
完全分離型であれば、普通に遊びに来れます。二世帯住宅で暮らし始めたばかりの頃は、遊びに来にくい雰囲気を感じますが気のせいです。同居型や部分共有型の場合は気を遣うかもしれませんが、完全分離型であれば、まったく気になりません。
妻の姉や友達も遊びに来たりしています。親世帯と会うこともないですし、普通の一戸建てと変わらないですよ。
そして二世帯住宅の造りも大切ですが、他に大切なこととしては親世帯と子世帯の普段からの関係性ですね。風通しの良い関係を作ることができていれば、何の問題もありません。
親世帯と子世帯の関係が悪いとギクシャクして友人やご家族を呼びにくい雰囲気になってしまいます。
【二世帯住宅に友人や親戚が来たらどうなる?】来客が多いなら分離型&動線の確保が大切 - 大器晩成を信じて
夜出掛けたら何か言われないか不安
我が家の場合、親世帯は何も言わないですが、この問題は親世帯の性質次第ですね。判断基準は、親世帯がどれだけ子世帯のことを信用しているかです。
子世帯のやることを信じている⇒親世帯は何も言わない
心配性な親世帯と二世帯住宅で暮らす場合は、苦労するかもしれません。二世帯住宅の向き不向きは、心配性という部分を見て判断することも大切です。
対策としては、親世帯の性格による部分もあるので、完全に対策することはできないですが、これも親世帯と子世帯で良好な関係を築くことが大切です。要するに信頼関係です。
親世帯が子世帯のことを信頼していれば、夜出掛けたとしても問題にはなりません。
皆で頻繁に食事に行くと疲れてしまう
頻繁というのがどの程度かにもよりますが、それほど心配する必要はないです。
理由は
- 親世帯と子世帯で食べ物の好みが違う
- 子世帯と同じような量を食べると体調が悪くなる
- 実は親世帯も気を遣って疲れる
私は二世帯住宅で11年蔵していますが、実際には親世帯も気を遣うため、頻繁に一緒に食事をしたいと思っていないです。こういう部分を冷静に判断できる人は二世帯住宅での暮らしに向いていますね。
ちなみに我が家の場合、親世帯と子世帯が一緒に食事をする機会は、年に2~3回程度ですね。
【二世帯住宅 親世帯と子世帯の適切な距離は⁉】ストレスなく過ごせる頻度は、年2~3回の食事 - 大器晩成を信じて
親世帯がきれい好き過ぎて不安
親世帯となる年代の方は、子育てもひと段落して、生活が落ち着いているため、部屋を掃除したり片づけたりときれい好きな方が多いですね。
一方、その人の性格にもよりますが、子育て真っ只中の方は、なかなか片付けまで手が回らないですよね。
この不安の解消する方法は2つで
- 頑張って片づけてきれいな状態を維持する
- 完全分離型の二世帯住宅にして親世帯が来ないようにする
私のおすすめは、「完全分離型にして親世帯が来ないようにする」ですね。我が家はまさにこういう状況です。
11年間で子世帯スペースに親世帯が来た回数は、5回もないですね。
子育てについて、親世帯に口を挟まれたくない
二世帯住宅に関係なく多くのお嫁さんが思っていることですね。我が家は子供が幼稚園の頃から二世帯住宅で暮らしており、現在、子供たちは高校生と中学生です。
子供が小さい頃は、親世帯も子供にかまいたいので色々なことが起きますが、子供たちが中学生になった頃からは、子供も自分の意思で動くし、反抗期で誰の言うことも聞かない時期もあり、親世帯に口を挟まれたくないとかそういう次元の話じゃなくなります。(子供たちは、親と親世帯とそれぞれに人間関係を築くので)
問題なのは子供が小さい頃ですね。割と多くの親世帯は自分の立場を理解しており、「子育てに口を挟んではいけない」と考えています。
我が家の親世帯もそうでした。ですからそれほど意識過剰になる必要はないと感じますが、心配な方は最初にしっかりルールを決めておくことが重要です。
ポイントは「最初に」という部分です。二世帯住宅で暮らす前に意思表示をするということです。
こういうことは後回しにすると傷が深くなりますので、嫌なことは最初に決めておくことがおすすめです。じゃないと後でツケが回ってきてしまいます。
気を遣って疲れてしまわないか不安
すごく気を遣ってしまう性格の方は、正直、二世帯住宅での生活には向かないですね。正確に言うと「気を遣い過ぎてストレスが溜まってしまう方」ですね。そういう方は、ストレスが溜まり過ぎていつか大爆発を起こしてしまいます。
一度、大爆発が起きるとどうしてもギクシャクしてしまい、二世帯での生活が息苦しくなってしまいます。
- 適度に気遣いできる方
- あまり色々なことに気づかない方
が二世帯での生活に向いています。
二世帯住宅はやめた方が良いという情報があって不安
二世帯で暮らす必要がないのであれば、無理に二世帯住宅にする必要はないと思います。要するに二世帯住宅で暮らす必要があるのかどうか、メリット・デメリットを理解して、それを許容できるのかどうかだけです。
- 経済的な問題
- 相続的な問題
- 共働き世帯による子育ての問題
- 親世帯の面倒の問題
などなど、他の理由も含めて二世帯住宅が必要なのかどうか。
無責任な情報に惑わされることなく、「二世帯住宅が必要」と考えているのであれば、理想の二世帯住宅を建てるために頑張るのが良いです。
「二世帯住宅 大丈夫かな」と迷いながら検討していても面白くないですし、良いアイデアも浮かばないですから。
⇒【同居型 二世帯住宅で起きる問題 6つを具体的に解説】おすすめのタイプは完全分離型か部分共有型2択
二世帯住宅に自分(妻)の家族や友人を招くことはできるのか
番外編として、「二世帯住宅だと自分(妻)の家族や友人を招きにくい」という不安もあります。確かに同居型の場合、親世帯のいる同じ空間に自分の家族を招くのはハードルが高いですよね。それに来訪してくれる家族も気を遣ってしまうでしょう。
個人的にこの不安解消は、二世帯住宅でうまくやっていくための重要ポイントと感じていますので、しっかり対策したいですね。
詳しくはこちらの記事にまとめていますので、読んでみてください。
【二世帯住宅に友人や親戚が来たらどうなる?】来客が多いなら分離型&動線の確保が大切 - 大器晩成を信じて
二世帯住宅の不安を解消 まとめ
二世帯住宅にまつわる不安を13個解説させていただきましたが、そのほとんどが「どういう二世帯住宅を建てるか」と「二世帯生活のルール決め」で解決できる内容です。
つまり大事なことは
- 二世帯での生活を想定する
- 希望に沿う二世帯住宅を考える
- 希望に対応できるハウスメーカーを探す
- 二世帯生活のルールを決める
- 二世帯住宅の得意な営業マンを探す
この5つですね。何となく不安を持ったまま検討を進めても、せっかくの家づくりが面白くないですから、この4つをしっかり考えてくださいね。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
二世帯住宅をご検討の方は、こちらの記事も読んでみてください。