この記事を読んで分かること☝
- 二世帯住宅と相続税 減税のルール
- 小規模宅地等の特例の二世帯住宅に関わる説明
- 小規模宅地等の特例が適用される対象
二世帯住宅のメリットとして、よく話にあがる相続税節税についてです。
簡単に書くと、二世帯住宅で一緒に暮らそうと考えているご両親に大きな土地があって、そこに二世帯住宅を建てて一定の条件を満たせば、相続税を減税される(小規模宅地等の特例)という内容ですね。
ただ、ご両親の土地に二世帯住宅を建てた全員に減税のメリットがあるわけではないので、この記事では、実際に二世帯住宅を検討されている人目線で分かりやすく解説させていただきます。
まず、結論を先に書かせていただくと、二世帯住宅を建てようとしているご両親の土地の評価額(価値)が、3,600万円超もしくは土地も含め資産が3,600万円超ないとそもそも減税のメリットを受けることができません。
ちなみに我が家の土地は、50坪で評価額は約2,000万円です。こういうケースは相続税の減税のメリットがないということです。
2012年にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を新築。
二世帯住宅での生活(生活歴10年)しながら、最もローコストで理想の二世帯住宅が、どういうものなのか研究。
実際にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を建てた経験とその後の生活の経験を活かし、二世帯住宅の情報を発信中。
一男一女の父親。
二世帯住宅で小規模宅地等の特例により相続税が減税されるとは?
相続税の細かなルールは後ほど説明させていただくとして、「二世帯住宅で相続税が減税される(小規模宅地等の特例)」のを分かりやすく記載すると
親が所持している土地+二世帯住宅で同居=親の土地を相続する際の相続税が減税
ということです。
土地の相続税額は、土地の評価額(価値)によって決まります。
例えば、土地の評価額が、5,000万円だとその5,000万円の価値に対して、相続税額が算出されるということです。ですから土地の価値が高ければ高いほど、相続税も高くなります。
で、ここで取りあげる「二世帯住宅で相続税が減税される」というのは、この評価額を80%減額できるという話しです。
上記の例で説明すると
<通常の場合>
5,000万円の評価額に対して相続税が算出される
<二世帯住宅の場合>
5,000万円の評価額から80%を引いた金額(5,000万円ー4,000万円(80%))が、土地の評価額となる。
つまり、1,000万円の評価額に対して相続税が算出される
この減税のルールの名称が「小規模宅地等の特例」です。
相続税の支払いが大変と言われる方も多いので、ご両親が土地を持っている方は、二世帯住宅を検討してみるのも一つの手だとは思いますね。
ただし、すべての場合に適用されるわけではなく、条件があります。
(参考:二世帯住宅で相続税を節税?!小規模宅地等の特例のメリットと注意点)
土地の相続税対策にならないケースも
ここが重要ポイントですね。「親の土地に二世帯住宅を建てて同居すると相続税対策になる」という小規模宅地等の特例ですが、そもそもこの特例が適用されなくても相続税がかからない場合があります。
それは、評価額が3,600万円以下の土地です。
※土地以外に遺産がある場合は、土地+その他の遺産で3,600万円以下
相続税には、基礎控除額というものがあって、この基礎控除額を超えると相続税の対象となり小規模宅地等の特例のメリットが出ます。
逆に基礎控除額以下の価値の土地の場合、そもそも相続税の対象にはならないので、減税対策する必要がないということですね。
相続税の基礎控除額の算出
<3,000万円+600万円×法定相続人の人数>
- 相続人1人の場合:3,600万円
- 相続人2人の場合:4,200万円
⇒基礎控除額以下は、相続税がかからない。
相続税の基礎控除額以下(評価額3,600万円以下)の土地では、そもそも相続税がかからないので、二世帯住宅を建てても相続税対策とは言わない
例えば、土地の評価額が数千万円~1億を超えるような場合は、二世帯住宅による小規模宅地等の特例により、相続税の減額を受けるメリットが大きいです。
ちなみに我が家の土地は、50坪で評価額は2,000万円です。こういう土地の場合は、相続税の対象にはならないです。(そもそも相続税がかからない)
二世帯住宅で小規模宅地等の特例を受ける対象は
- 親の持っている土地が大きい
- 親の持っている土地の価値が高い
という感じです。
(参考:相続税の基礎控除とは|控除額の計算や法定相続人・申告要否の考え方)
二世帯住宅が相続税対策になる人は限られる⁉
相続税の対象となる3,600万円を超える資産をお持ちの方が、世の中にどの程度いらっしゃるのか分かりませんが、この小規模宅地等の特例による相続税の減額を二世帯住宅のメリットとして、大々的に紹介するのはちょっと気が引けます。
確かに減税は二世帯住宅のメリットに違いないですが、でも二世帯住宅を検討されている方のほとんどは対象外なのではないかと感じます。
結論としては
親が、3,600万円を超えるの資産を持っている場合は、小規模宅地等の特例による相続税の減税を調べる。3,600万円以下の場合は、調べる必要なし。二世帯住宅の間取りなどの検討に全力を注ぐ。
二世帯住宅の説明をしているほとんどの情報サイトは、「二世帯住宅を建てると相続税の減税を受けることができる可能性がある」としか説明していないため、二世帯住宅を検討されている方は勘違いしてしまいますよね。
この記事では、その曖昧になっている部分を分かりやすく説明させていただきました。ぜひ、今後の二世帯住宅の検討にお役立てください。
詳細のルールは、税理士さんのリンクを載せていますので、読んでみてください。