この記事を読んでわかること☝
- 狭小タイプの二世帯住宅 体験談
- 狭小タイプの二世帯住宅 メリット
- 狭小タイプの二世帯住宅を建てる際の注意点
- 狭小タイプの二世帯住宅が得意なハウスメーカー
二世帯住宅と聞くと誰もが「大きな家」をイメージされますが、我が家は延床面積44坪(親世帯22坪 子世帯22坪)のどちらかと言えば、狭小タイプの完全分離型 二世帯住宅です。
普通の戸建ては地域により異なりますが、平均的には延床面積30~40坪の家が多いですから、我が家の二世帯住宅は完全分離型とは言っても「大きな家」ではありません。
私はこの二世帯住宅で11年暮らしていますが、何かと「良さ」を感じる部分が多かったので、この記事では狭小タイプの二世帯住宅で実際に暮らしてみた体験談を書かせていただきます。
<狭小タイプの二世帯住宅の良さ>
- 建築費用を抑えることができる
- 固定資産税を抑えることができる
- メンテナンス費用を抑えることができる
- 工期が短い
- 狭い土地に建てることができる
- プライバシー対策もできる
- 親世帯が一人になった場合も無駄になるスペースが少ない
もちろん予算に余裕があれば、「大きな二世帯住宅」の方が快適に暮らすことができます。でも限られた予算の中で検討するなら「小さな二世帯住宅」はおすすめですね。
これから二世帯住宅をご検討の方は、ぜひ、最後まで読んでみてください。
2012年に年収470万円ながらローコストハウスメーカーで二世帯住宅を新築。現在、二世帯住宅での生活歴10年。(継続中)
実際にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を建てた経験とその後の生活の経験を活かし、二世帯住宅の情報を発信中。
一男一女の父親。
- 狭小タイプの二世帯住宅 メリット6選
- 狭小タイプの二世帯住宅 デメリットは?
- 狭小タイプの二世帯住宅を建てる際の注意点
- 狭小タイプの二世帯住宅が得意なハウスメーカーは?
- 狭小タイプの二世帯住宅に向いている人は?
狭小タイプの二世帯住宅 メリット6選
冒頭にも書かせていただきましたが、狭小タイプの二世帯住宅にはたくさんのメリットがあります。
特にコスト面のメリットが大きく、出来る限り予算を抑えながら二世帯住宅を検討したい方にはおすすめです。
私の実際の経験談を交えながら詳細を解説させていただきます。
建築費用が安い
大きい家より小さい家の方が、建築費用を抑えられるのは当たり前ですよね。注文住宅の価格は、延床面積次第で大きく変わり
40坪の家と60坪の家を同じ坪単価70万円で建てたとすると
- 40坪×70万円=2,800万円
- 60坪×70万円=4,200万円
こうやって考えてみると、家のサイズがいかに建築費用を押し上げているのか分かります。
二世帯住宅を建てるためのハウスメーカーを選ぶ際、坪単価も大切ですが、狭小タイプの家が得意かどうかも確認した方が良いですね。大きい家しか建てられないハウスメーカーでは、いくら坪単価が安くても新築費用は高額になってしまうので。
下のグラフは建築費用の推移ですが、年々、建築費用が高くなってきているので、費用を抑えるためには、延床面積を小さくする工夫が必要ですね。
戸建注文住宅の顧客実態調査(最新)|一般社団法人 住宅生産団体連合会 (judanren.or.jp)
二世帯住宅の間取り、見積の資料請求については、こちらの記事を読んでみてください。
固定資産税が安い
家の大きさ、土地の大きさと固定資産税は連動しています。
我が家の場合は
- 土地50坪+二世帯住宅(延床面積44坪)
- 固定資産税⇒220,000円/年間
※土地を購入した際の坪単価は、42万円(50坪×42万円=2,100万円)
二世帯住宅をもっと大きく建てようと考えると、もう少し大きな土地が必要になるため、必然的に固定資産税は高くなります。
補足ですが、50坪の土地に延床面積44坪の二世帯住宅を建てた場合のイメージですが、駐車場は普通車2台+軽自動車1台と庭が少々ですね。
狭い感じはしないですよ。
詳しくはこちらをご覧ください。
【二世帯住宅の土地は50坪で十分⁉】実際に二世帯住宅を建てた体験談を公開 - 大器晩成を信じて
狭い土地に建てることができる
郊外であれば広めの土地を探すことも容易ですが、例えば住宅街ですでに一定の土地のサイズに区画整理されていたり、都心部であれば予算的に大きな土地を購入することが難しいです。
- 郊外の大きな土地に二世帯住宅
- 街中の小さな土地に二世帯住宅
どちらが正解ということはないですが、我が家は日々の生活の利便性や仕事・学校への通勤通学を考え、街中で50坪の土地を購入し二世帯住宅を建てました。
狭小タイプの二世帯住宅であれば、土地の広さが40坪あれば新築できるため、希望する地域でも土地を取得できて二世帯住宅を建てることができますね。
工期が短い
家が大きく間取りが複雑だと新築工事の工期が長くなります。
工期が延びると、現在、暮らしている賃貸の家賃と住宅ローンの支払いが被ることになり、家計的には厳しい支出状況になります。
我が家を建てた際の工期は、約2.5ヵ月でしたが、2ヶ月間 家賃と住宅ローンの二重払い期間があったため、やりくりが思いのほか大変でした。
(家賃:親世帯7万円 子世帯7万円 計14万円+住宅ローン11万円)
もっと大きな二世帯住宅であったり、間取りが複雑な場合は、工期が延びるため、この二重払い期間が長くなります。
【タマホームの工期は⁉】工期の短さによる3つのメリット - 大器晩成を信じて
プライバシー対策ができる
狭小タイプでも完全分離型の二世帯住宅は建てることができます。我が家の二世帯住宅は、水回りから玄関まですべて分かれている完全分離型です。
小さく二世帯住宅を建てようと考えると、どうしても同居型や部分共有型を考えてしまいますが、プライバシー対策を考えれば、二世帯住宅は完全分離型がマストですね。
大切なことは、狭小タイプの二世帯住宅を検討するなら狭小住宅の設計が得意なハウスメーカーを選ぶことです。
大手ハウスメーカーの二世帯住宅は大きな家になりがちですので、ローコストハウスメーカーを考えるのも一つの選択肢です。
【同居型 二世帯住宅で起きる問題 6つを具体的に解説】おすすめのタイプは完全分離型か部分共有型2択 - 大器晩成を信じて
親世帯が一人になった場合の心配も少ない
完全分離型で水回りなどすべて分かれているので、各世帯のプライバシーは確保できていますが、とはいっても延床面積40~50坪の狭小タイプの二世帯住宅ですから、親世帯と子世帯の交流はしやすいです。
すでに親世帯が一人の場合や将来一人になった時、「元気にしてるかな」「大丈夫かな」と様子を見に行くのも容易にできます。
我が家も親世帯が元気な時は、ほとんど顔を合わせることはないですが、体調が悪そうな時は様子を見に行ったりしています。
狭小タイプの二世帯住宅は、プライバシーも確保しつつ、ちょうど良い距離感を保てていると実感しています。
<補足:維持費が安い>
一戸建ての場合、維持費として定期的にメンテナンス費用がかかります。
- 防蟻処理
- 外壁塗装
- シーリングの打替え
㎡あたりの単価で金額が決まるため、大きな家ほど施工費用が高くなります。
実際に我が家の防蟻処理の見積金額は、2,900円/㎡となっていました。二世帯住宅の場合、親世帯の収入は年齢とともに減少傾向のため、後々にかかるメンテナンス費用は極力少なくした方が良いです。
【タマホームのシロアリ対策】防蟻処理費用の比較・まとめ - 大器晩成を信じて
狭小タイプの二世帯住宅 デメリットは?
狭小タイプの二世帯住宅で11年暮らしてみてデメリットと感じることは
- 2階⇒1階への音が響きやすい(声の音は問題ない)
- 総2階造りで1階と2階が同じ面積のため子世帯の間取りが狭い
- 間取りの自由度が限られる
- 収納スペースが少ない
スペースが小さいのでどうしても間取りに制限があります。我が家の場合は、親世帯2LDK、子世帯3LDKとなっており、日常生活には何ら問題はありませんが、収納スペースが少ないですね。(収納スペースも生活スペースになってしまいました)
狭小タイプは、どうしても生活スペースを確保するため、収納スペースが少なくなりがちです。そのため我が家では、ロフトを採用しています。
狭小の完全分離型 二世帯住宅は「ロフト」の設置がおすすめ - 大器晩成を信じて
総2階造りは間取りの自由度が少ないですが、一方で総2階造りが「耐震性」や「耐久性」が向上するため、必ずしもデメリットとは言えない部分もあります。
※総二階建ての住宅ってどんな住宅?メリットが多くある総二階について|ナカジツの「住まいのお役立ち情報」
狭小タイプの二世帯住宅を建てる際の注意点
- 2階床の音が響きやすいので床の防音対策(二重床など)
- 間取りの工夫(1階玄関上に子供部屋を造り音対策)
- 3階建ては割高(形状によりますが1割ほど)
- 子供が複数いる場合は、子供部屋のサイズ(同じ広さにする)
- 収納スペースの工夫
狭小タイプの二世帯住宅は限られた広さに、二世帯分の生活スペースを確保するため工夫が必要です。「防音+収納+間取り」この3つを意識して検討してみると良いですね。
二世帯住宅の建築費用を抑えたい方は、こちらの記事も読んでみてください。
【2024年最新版 二世帯住宅の建築費用を抑える具体的方法 7選】部分共有で費用を抑えるのは最終手段 - 大器晩成を信じて
狭小タイプの二世帯住宅が得意なハウスメーカーは?
大手ハウスメーカーの二世帯住宅は、基本的に大きな二世帯住宅です。価格も5,000万円以上のケースが多く普通のサラリーマンではなかなか新築することができません。
一方、ローコストハウスメーカーは価格を抑えるため、基本的に小さな二世帯住宅を提案するケースが多いです。ただ注意しなければならないのが、「ただ小さいだけの二世帯住宅」です。ローコストハウスメーカーの場合、二世帯住宅の経験値が少ないハウスメーカーもあるため、単純に分かれているだけの二世帯住宅には要注意です。
ここでは狭小タイプの二世帯住宅でおすすめできるハウスメーカーをごご紹介させていただきます。
<ミサワホーム(大手ハウスメーカー)>
蔵という収納スペースを造るのが得意なハウスメーカーで収納スペースが少なくなりがちな狭小タイプの二世帯住宅も得意です。また木造の賃貸物件も手掛けているため、二世帯住宅の最重要事項である防音対策も問題ありません。
<アイダ設計(ローコストハウスメーカー)>
個人的には、ローコストハウスメーカーの中では、一番、二世帯住宅に強いハウスメーカーだと思っています。狭小タイプの二世帯住宅が得意で、ミサワホームと同様に木造賃貸物件を扱っているため防音対策のノウハウも持っています。
ローコストで二世帯住宅を検討するなら候補に必ず入れておいた方が良いハウスメーカーですね。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
狭小タイプの二世帯住宅に向いている人は?
我が家の場合は、予算を抑えたいことと生活に便利な地域(街中)で暮らしたいという理由で狭小タイプの二世帯住宅にしました。
学校が近くて、通勤の便も良くて、散歩をできる環境で、歩いて買い物に行ける場所です。今は親世帯も子世帯も自動車で移動していますが、将来、親世帯が自動車を乗らなくなった時、歩きでも不便のない場所にしました。
そのため土地の価格が高く大きな土地を確保できなかったため、二世帯住宅は小さく建てました。ただ、プライバシー対策は最大限配慮したかったため、狭小タイプの完全分離型です。
- 予算を抑えながら完全分離型の二世帯住宅を建てたい
- すでに持っている土地の面積が小さい
- 郊外ではなく便利な街中で二世帯住宅を建てたい
- 親世帯が一人、もしくは持病を抱えている
上記のような方は、一度、狭小タイプの二世帯住宅を検討してみてはいかがでしょうか。
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。