この記事を読んで分かること☝
- アイ工務店とタマホームの比較
- アイ工務店で新築する際のリスク
- アイ工務店で新築を検討する際の注意点
ここ数年で急成長を遂げているアイ工務店ですが、2024年6月期は6,634棟の新築を受注しました。この6,634棟の受注というのはかなりの数字で、受注しまくっているタマホームでも10,000棟前後の受注数です。
これだけ注文住宅の受注数を伸ばしているので、営業力が強いことはもちろんですが、家自体も価格を抑えながら高スペックとなっています。
「価格が抑え得られていて高スペックな家」がアイ工務店の強みということになりますが、一つも不安材料はないのでしょうか。
例えば
- 倒産の心配はないのか
- 一気に建築棟数が増えて家の品質にバラつきはないのか
などなど。
この記事では、アイ工務店と同じように業績を伸ばし続けてきたタマホームとアイ工務店を比較しながら、アイ工務店に潜む不安材料を考察させていただきます。
これから新築をご検討の方は、ぜひ、最後まで読んでみてください。
2012年に年収470万円ながらローコストハウスメーカーで二世帯住宅を新築。現在、二世帯住宅での生活歴10年。(継続中)
実際にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を建てた経験とその後の生活の経験を活かし、二世帯住宅の情報を発信中。
一男一女の父親。
アイ工務店とタマホームの会社比較
アイ工務店 | タマホーム | |
---|---|---|
会社設立 | 2010年7月 | 1998年6月 |
資本金 | 1億円 | 43億円 |
従業員数 | 2,031人 | 3,420人 |
住宅展示場数 | 220拠点以上 | 244拠点 |
受注棟数 | 6,634棟 | 10,207棟 |
引渡棟数 | 5,028棟 | 9,257棟 |
売上高 | 1,600億円 | 2,477億円 |
株式 | 未上場 | 上場 |
※実績は2024年度
一覧にまとめて比較してみましたが、思いのほかアイ工務店の実績が大きいですね。もう少しタマホームと差があるかと思っていましたが・・
受注棟数について、タマホームは注文住宅+分譲住宅の実績となっています。注文住宅だけで見るとタマホームの受注棟数は8,678棟でアイ工務店とタマホームの差はさらに小さくなります。
アイ工務店の不安材料は建築棟数が減少した時
アイ工務店とタマホームの両方のハウスメーカーに言えることですが、これだけ住宅展示場と従業員数を抱えていると建築棟数が減少した時に固定費(人件費など)が負担となり、財務的に厳しい状況になる可能性があります。
仮に建築棟数が減少した時、アイ工務店とタマホームのどちらが耐えれるか聞かれたらタマホームという回答になります。
理由はアイ工務店が注文住宅だけに注力しているのに対し、タマホームは注文住宅以外の事業展開をしているからです。
<タマホームの事業>
- 注文住宅
- 分譲住宅
- リフォーム
- マンション&リノベーション
- 金融(保険販売)
- エネルギー(太陽光売電)
特にリフォーム事業は、これまでタマホームで家を新築したお客さんを対象にしているため、かなりの需要が見込まれます。注文住宅は事業の柱ですが、今後、さらに売り上げの分散化が図られると想定します。
一方、注文住宅だけのアイ工務店は、売上のほとんどが注文住宅なので、建築棟数が減退すると経営的に苦しくなることが考えられます。
【倒産せずに生き残るハウスメーカーの見極め方は⁉】リフォーム事業の有無がポイント - 大器晩成を信じて
アイ工務店とタマホームの営業戦略は同じ?
アイ工務店とタマホームは似たような営業戦略を取っていますね。正確に書くと似てはいますが、タマホームの方が先に進んでいる状況です。
10年前のタマホームは「大安心の家」をメイン商品として今のアイ工務店と同じように拡大路線を取っていました。実際、売上の伸ばし続け、現在では大手ハウスメーカーにも負けない規模のハウスメーカーになった経緯があります。
今のアイ工務店を見ると10年前のタマホームと同じような営業戦略を取っているように感じます。
我が家は11年前にタマホームで建てた大安心の家ですが、低価格を前面に出してかなりの売込みをしていましたね。
アイ工務店とタマホームの家の比較
アイ工務店は商品ラインナップが少なく、基本的には高性能注文住宅(ZEH住宅レベル)しか扱っていません。要するに高性能な家を大手ハウスメーカーより安くという販売戦略ですね。
タマホームの商品で考えると「笑顔の家」ですね。
アイ工務店 | タマホーム | |
---|---|---|
商品名 | N-ees | 笑顔の家 |
UA値 | 0.4以下 | 0.23 |
外壁断熱 | ダブル断熱 | ダブル断熱 |
基礎断熱 | 高性能ガラス繊維 | グラスウール |
窓ガラス | トリプルガラス | トリプルガラス |
参考坪単価 | 70万円~ | 80万円~ |
ローコスト住宅ではないですが、高断熱・高気密の住宅としては価格が抑えられています。価格を抑えながら高断熱・高気密の注文住宅を検討するならこの2社には話を聞きたいですね。
アイ工務店の不安材料は「倒産の可能性」と「家の品質確保」
高スペックな住宅を価格を抑えながら建てることで、建築棟数を伸ばしているアイ工務店ですが、お客さんの立場に立って考えると不安材料がないわけではないです。
アイ工務店の不安材料とは
- 将来的な会社規模の縮小・倒産の可能性
- 新築工事の品質のバラつき
です。
<将来的な会社規模の縮小・倒産の可能性>
10年間ずっと業績を伸ばし続けており、住宅展示場や従業員数を拡大していますが、新築需要が減少した時に厳しい状況になることは間違いないです。
また、最近では大工さんなどの建築業に従事する人も少なくなってきてり、需要はあるけど、家を建てる技術者がいないため、家を建てることができない、という状況も十分に考えられます。
もしアイ工務店が倒産してしまったら、新築したあとのメンテナンスなど困るのは施主です。
<新築工事の品質のバラつき>
2024年10月は建築業の倒産がかなり増加しました。資材の値上がりで利益を確保しにくくなったことも倒産の原因ですが、人手不足によることも大きな原因になっています。建築業は人手がなければ建物を建てることができません。
新築住宅はハウスメーカーで契約をしても実際に工事するのは、小さな工務店や建築業者がほとんどです。(ハウスメーカーは管理)
その小さな工務店や建築業者の倒産が増えると、必然的にハウスメーカーも工務店や建築業者をどうやって確保していこうか悩むわけです。
今までとは違う不慣れな工務店や建築業者をアイ工務店が使った時に、今までと同じクオリティの家が建つかは何とも言えません。
私も工事に関係する仕事に就いていますが、下請けの施工業者さんによってかなり品質が変わってしまいますね。基本的には良い施工業者さんを使うようにはしていますが、その施工業者さんが対応できなければ、少し施工レベルが下がったとしても別の施工業者さんを使わざる負えないですからね。
アイ工務店の不安材料 まとめ
アイ工務店の不安材料を書かせていただきましたが、当然、アイ工務店としてもこれらの課題があることは理解していると思います。
メンテナンスについては、実際に暮らし始めて10年程度は何も問題は起きないですし、仮にメンテナンスの必要があったとしてもハウスメーカーではなく他の業者さんでも対応できることが多いです。
将来的なことは分かりませんが、アイ工務店は直近で倒産してしまうような業績ではないので、価格を抑えて高スペックな家を建てられるのであれば、選択肢としては良いですね。
大工さんや建築業者さんの施工能力については、アイ工務店の営業マンに念押しするしかないです。この記事に書いてある不安点を営業マンにぶつければ、きちんと対応してもらえるでしょう。当然、アイ工務店としてもクレームになるのは嫌なわけですから。
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。