この記事を読んで分かること☝
- アイ工務店の営業マンの特徴
- アイ工務店の営業マンが、今後、施主に対して親切になる可能性
どのハウスメーカーも同じですが、営業マンは販売実績に応じて報酬を得ています。もちろんハウスメーカーによって報酬額が異なりますが、年収1,000万円以上の営業マンも少なくありません。
逆に家を販売できない営業マンの年収はかなり抑えられており、ハウスメーカーの離職率が高い原因の一つになっています。
そんな中、ここ数年で新築の引渡数を大幅に伸ばして業績好調なアイ工務店が、Xactly㈱が提供しているサービス「インセンティブ報酬管理ソリューション」を採用するニュースが流れてきました。
簡単に書くと、「営業マンの販売実績に応じた報酬を管理するサービスで、報酬の可視性・透明性を高めて営業マンのモチベーションを上げていこう」ということですね。
つまりアイ工務店は、今後、さらに営業を強化していくと宣言しているわけです。
営業マンの押しに弱い私としては、「そんなに営業を強化してると住宅展示場に行きにくくなる」という気持ちになりますが、あなたは大丈夫ですか?
この記事では、今後、アイ工務店の営業マンがどのように変化していくのか考察していますので、「これからアイ工務店で話を聞いてみよう」とお考えの方は、ぜひ、最後まで読んでみてください。
2012年にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を新築。
二世帯住宅での生活(生活歴11年)しながら、最もローコストで理想の二世帯住宅が、どういうものなのか研究。
実際にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を建てた経験とその後の生活の経験を活かし、二世帯住宅の情報を発信中。
一男一女の父親。
アイ工務店の営業マンは不満がたまっている
今回、アイ工務店は営業マンの成果と報酬に関して、可視性・透明性を持たせるためのシステムを導入しました。
私も営業職ですが、営業マンの評価とそれに対する報酬の決め方ってなかなか難しいです。営業なので「販売すること」が会社の求める大きな結果ではありますが、実際に営業マンには、販売する以外の仕事もたくさんあります。
ハウスメーカーの営業マンの仕事としては
- 新築の契約をもらための営業活動
- 契約をもらってからの施主との打合せ
- 施主の住宅ローンなど相談ごとの対応
- 外構工事業者を施主に紹介
- 施主からの建築費用の支払いの管理
- 家が完成したら引渡し業務
- 引渡し後のフォロー
など、仕事内容は多岐に渡ります。会社がこの仕事内容に対して、どのように評価をして、どのように報酬を決めるかがポイントで、例えば、販売数だけを評価の対象にしてしまうと営業マンは契約をもらうこと以外の仕事の優先順位が下がってしまいます。
その結果、顧客満足度が低下して、短期的には業績が上がったとしても、長期的に見た場合、会社の評価を下げている可能性もあります。
この仕事内容と結果に対する報酬のバランスが悪いと営業マンは大きな不満を持つことになります。
正当に評価されないと優秀な営業マンは会社を辞める
ハウスメーカーの営業マンは、アイ工務店に限らず離職率が高いです。家を売ることができれば報酬を得られるので会社を辞めることはないですが、家を売ることができないと報酬が少なく全体の給与も低くなってしまうので、会社を辞めるという判断をする社員が一定数します。
極端な話、年間に相当数の新築住宅を販売するけどクレームも多い営業マンもいて、そういう営業マンの場合、必ずしも会社の業績に貢献できているとは言えないです。
でも、販売数だけの評価基準だと、こういう営業マンが評価され、他のまじめな営業マンは不満を募らせるわけです。その結果、営業マンの離職につながってしまうということですね。
顧客満足度も営業マンの評価基準になる
アイ工務店はこの数年間でかなり業績を伸ばしており、強引な営業をしている口コミもよく見かけます。以前、このブログでハウスメーカー別の社員の平均給与について記事を書かせていただきましたが、ローコスト系のハウスメーカーでアイ工務店の社員の給与はかなり高水準でした。
大きな成果報酬を付けて営業マンの営業活動を強化していたのだと想定されますが、ここからさらに業績を伸ばそうと考えると、アイ工務店で新築してくれた施主からの紹介であったり、良い口コミ評価を得ていく必要があります。
要はアイ工務店というブランドの確立ですね。例を上げると一条工務店が分かりやすいです。一条工務店は営業力もありますが、それ以上に「技術の一条工務店」という印象が世間で根付いています。
これは過去に一条工務店で家を建てた人たちの評価に基づいて、世間で周知されるようになってきた経緯があります。顧客満足度って目に見えて分かることではないので、会社としては評価しにくいですが、今後のアイ工務店を考えた場合、大切なことですね。
この顧客満足度を上げるのも営業の一つの仕事ですが、新築の販売数に関わらない部分なので、会社としては評価が難しいところです。
今後のアイ工務店は期待できるか
アイ工務店は来期の目標を新築引渡数8,000棟と考えています。前期の引渡数が5,000棟ほどだったのでかなり強気な目標ですね。
2023年度の主要ハウスメーカーの引渡数(注文住宅+分譲住宅)は
- 一条工務店:約16,000棟
- 旭化成ホームズ:約13,000棟
- タマホーム:約9,200棟
- 積水ハウス:約9,100棟
- 住友林業:約8,100棟
となっています。アイ工務店の目標8,000棟は住友林業と同レベルの数字ということですね。実際に数字で見て見るとかなり大きな目標なので、もしかしたら以前にも増して強引な営業になる可能性もゼロではありません。
それに抱えている設計者や現場監督、職人の数も限られているので、契約が取れたとしても、その数の家をきちんと完成させることができるのかも少し心配ですね。
これからアイ工務店で新築をご検討の方は
- 営業マンの対応の見極め
- 新築の工事が無理なスケジュールになっていないか
をしっかり確認した方が良さそうですね。
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。