最近、急激に暑くなってきましたが、皆さん、いかがお過ごしでしょうか。これだけ気候の変動が激しいとエアコンなどの電気使用量が気になります・・・と無理やりエネルギーの話に繋げましたが、というのも今日は、ZEH住宅について書こうと思います。
なぜZEHについて書こうと思ったのか、それは世の中の情勢からこのZEH住宅の割合が急速に増加するのではないかと思っているからです。
ZEHとは
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの名称です。
簡単に書くと住宅の断熱性能を向上させ、効率的な設備システムを取り入れ、室内の省エネルギー化をしつつ、太陽光発電などの再生可能エネルギーを導入し、エネルギーの消費量の収支をゼロにすることを目指した住宅のことです。
ZEHのメリットは
・経済性:光熱費の節約
・健康性:室内の温度変化を少なくし、ヒートショックによる心筋梗塞の予防
・レジリエンス:災害時に太陽光発電や蓄電池で非常対策
となっています。
色々なメリットはあるんですが、かなり政府主導の政策となっています。背景にはカーボンニュートラルということがあるとは思いますが、それ以外にも景気対策という側面もあるのではないでしょうか。(景気対策というのは、名目上、出てきませんが)
今後、ZEHの需要が拡大するであろう理由1
新築の建築数は、年々減少しており、昨年度は約81万戸でした。この数字は、十数年前の2/3の数です。これから20年後には、この半分の40万戸前後になるといわれています。
企業として、売上を上げて利益を上げていく方法としては二つあって
・顧客の数を増やす
・客単価を上げる
のどちらかです。上記に書いた通り、着工数の減少から顧客を増やすことは難しいとおもいますので、ハウスメーカーの選択肢としては、客単価を上げるしかないんですよね。
つまりZEHの技術で付加価値を高め、客単価を上げていこうという営業戦略が見えます。
今後、ZEHの需要が拡大するであろう理由2
政府の政策やハウスメーカーの取り組みにより、ZEHは普通に普及していくとは思いますが、昨今の世界情勢によりそれは急激に進む可能性があると思います。
その理由は、ウクライナとロシアの戦争ですね。日本は、火力発電に使用する液化天然ガス(LNG)をロシアから多く輸入しています。ロシアは、液化天然ガス(LNG)を始め資源の輸出が強く、日本だけでなく、各国、ロシアからの輸入に頼っている部分があります。この戦争により一部の国では、ロシアからの物資(液化天然ガスLNG含む)受け入れをやめる動きがあり、日本もそれに追随するのか政府は、苦慮しているところです。日本政府が最終的にどういう判断をするかは分かりませんが、各国がロシアから液化天然ガス(LNG)の輸入をやめるということは、世界の需給バランスが崩れることになり、価格の高騰が考えられます。
ということは、火力発電のエネルギーとして液化天然ガス(LNG)を使用している日本の電気料金は必ず上がっていくということです。それも割と急激に。
電気料金の値上げ⇒ZEH住宅の普及
という構図が生まれるわけですね。
日本の発電とエネルギー事情
現状、日本の発電は、火力発電が70%以上占めています。火力発電のうち、液化天然ガス(LNG)の割合は約40%を占めており、日本の発電にとって非常に重要な資源ということが言えます。(他、石炭、石油)
この液化天然ガス(LNG)なんですが、日本は世界一の輸入国なんです。(もうすぐ中国に抜かれそうですが・・)ということで、日本にとって、液化天然ガスの価格であったり、供給状況は、非常に重要なんです。
日本がどこの国から液化天然ガスを輸入しているのか。
1位オーストリア 2位マレーシア 3位カタール 4位ロシア 5位ブルネイ
なんと、4位にロシアがいるんです。
そのうえ、日本企業がロシアの液化天然ガス(LNG)開発プロジェクトに出資しているということもあり、今回の戦争において、日本はロシアに対する経済制裁について苦慮している要因となっています。
まとめ
新築のZEHの普及状況は、現在、2~30%程ですが、これは政府が計画しているよりもかなり少ない数字です。やはりイニシャルコスト面でコスト重視の顧客には避けられている感はあり、ローコストハウスメーカーほど、ZEHへの取組が少ない状況です。
ただ、世の中の物価の上昇や上記に記載した電気料金の値上げが、ZEH普及の追い風になることは間違いなさそうで、且つ4/22には政府が、建築物省エネ法改正案を閣議決定しており、内容は2025年度にすべての住宅・建築物に対し、省エネ基準の適合を義務付けるというもので、これらによりZEHの急速な普及は間違いない状況となりそうです。
これまでは一部ハウスメーカーがZEHに力を入れているだけでしたが、これからはすべてのハウスメーカー、工務店が、ZEHに力を入れることになると思われるため、消費者としては、比較検討がしやすくなり、またコスト比較もできるので、お値打ちにZEH住宅を建てることができるかもしれませんね。
いずれにしてもこれから新築を検討される方は、各社のZEHに対する取組みについて、注目してみてはいかがでしょうか。
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございましたm(__)m
ZEH住宅について、資料一括請求のURLを貼っておいますので、ZEH住宅をご検討の方はこちらからどうぞ。