この記事を読んで分かること☝
- ローコストハウスメーカーで新築する人が増加している理由
- 大手ハウスメーカーが高額な理由
- これから新築するならローコスト住宅がおすすめな理由
ここ数年、新築価格を含め物価が上昇しています。最近は値上げ基調もひと段落して物価の上昇は落ち着き気味ですが、一度上がった価格はなかなか下がることはないです。
また住宅の高性能化(高断熱、高気密、省エネルギー)により材料費の高騰とは関係なく、今後、さらに新築価格が上がっていく可能性が高いです。
この新築価格の上昇に対して、収入の上昇が見合わないため、ローコストハウスメーカーで新築を検討される方が増加しています。
実際、このブログ内にある 【 おすすめローコストハウスメーカーの比較9選】という記事を読まれる方が最近急激に増えています。
理由を推察すると
- 大手ハウスメーカーの新築価格が高すぎて購入できない
- 景気の先行きが不透明で出費を抑えたい
- 新築価格の上昇に収入が見合わない
- ローコストハウスメーカーの立場が上がった(信頼があがった)
などがあります。
確かにもともと大手ハウスメーカーの新築価格は高かったですが、ここ最近の値上がりにより普通のサラリーマンではなかなか建てることのできない金額になっています。
そこで今回は、ローコストハウスメーカーが選ばれている背景を考察していきますので、これから新築をご検討の方は、ぜひ、最後まで読んでみてください。
2012年にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を新築。
二世帯住宅での生活(生活歴10年)しながら、最もローコストで理想の二世帯住宅が、どういうものなのか研究。
実際にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を建てた経験とその後の生活の経験を活かし、二世帯住宅の情報を発信中。
一男一女の父親。
ローコストハウスメーカーの関心度が高まっている
住宅情報サイトでおなじみのSUUMO(スーモ)では「全国のハウスメーカー・住宅メーカーのアクセスランキング」を開示しています。要するにサイト内でアクセスの多かったハウスメーカーをランキング形式にしているということですね。
そのランキングでは
- 1位:積水ハウス
- 2位:タマホーム(ローコスト)
- 3位:アイダ設計(ローコスト)
- 4位:サイエンホーム(ローコスト)
- 5位:桧家住宅(ローコスト)
- 6位:一条工務店
- 7位:クレバリーホーム(ローコスト)
- 8位:ヤマダホームズ(ローコスト)
- 9位:日本ハウスホールディングス
- 10位:ヘーベルハウス
となっています。トップ10位の中にローコストハウスメーカーが6社入っており、上位5位までで見ると、5社中4社がローコストハウスメーカーで価格面の関心の高さがうかがえます。
そのローコストハウスメーカーの中でも2位のタマホームと3位のアイダ設計は、価格優位性が強いので、やはり興味を持たれる方が多いですね。
<カタログ請求ランキング上位ハウスメーカーの坪単価>
ハウスメーカー | 坪単価 | |
---|---|---|
1位 | 積水ハウス | データなし |
2位 | タマホーム | 40~80万円 |
3位 | アイダ設計 | 29~78万円 |
4位 | サイエンホーム | 60~75万円 |
5位 | 桧家住宅 | 46~75万円 |
6位 | 一条工務店 | データなし |
7位 | クレバリーホーム | 58~80万円 |
8位 | ヤマダホームズ | 53~100万円 |
9位 | 日本ハウスHD | 70~100万円 |
10位 | ヘーベルハウス | 80~130万円 |
出典:【全国版】ハウスメーカー・住宅メーカーランキング(2023年9月)|SUUMO注文住宅
ローコストハウスメーカーで新築する理由
ローコストハウスメーカーで新築を検討する理由は、基本的に価格面ですよね。私もローコストハウスメーカーで家を新築しましたが、理由は価格のみです。
(大手ハウスメーカーでも話を聞きましたが、金額が高すぎてビックリしました・・)
もう少し掘り下げて考えると
- 高性能化、値上げにより大手ハウスメーカーで建てるのが予算的に難しい
- 景気の先行きに不透明感がある
- 住宅の資産的なメリットが少ない
- ローコストハウスメーカーの信頼が高まった
私は実際にローコストハウスメーカーで新築して11年暮らしていますが、家の仕上がりや耐久性はまったく問題ありません。価格面でローコストハウスメーカーを選ぶということに関して、個人的には賛成ですね。
【タマホームの家が「やばい」という噂は本当⁉】10年暮らしてみた評価を公開 - 大器晩成を信じて
<住宅の高性能化、値上げにより大手ハウスメーカーで建てるのが難しい>
新築価格の値上げは、材料費の値上がりによるものばかりではありません。昨今、光熱費の上昇もあり、ZEH住宅の需要が高まっていることも新築の値上げ要因の一つです。
- 高気密・高断熱の家
- 太陽光発電・蓄電池の完備
- 高セキュリティー化
など、以前の家と比較して各段に家の性能が上がっており、それも新築の価格を押し上げています。ZEH住宅は政府主導の側面もあり、今後も増加していくと考えられています。
一概には言えないですが、普通の住宅⇒ZEH住宅だとそれだけで200~300万円ほど価格が上がります。
もともと高額だった大手ハウスメーカーの家は、さらに高額になり普通のサラリーマンでは新築することが難しい状況だと感じます。
ローコストでZEH住宅を検討される方は、こちらの記事も読んでみてください
【2024年はZEH住宅の需要が高まる】ローコストハウスメーカー2社のおすすめZEH住宅 - 大器晩成を信じて
下のグラフは、注文住宅の着工数と建築コストを表した表です。
建築コストの上昇と合わせて、注文住宅の着工数が減少していることが分かります。
今月のグラフ(2024年3月)64年ぶりの歴史的な低水準となった注文住宅の新設着工 | 三菱UFJリサーチ&コンサルティング
<景気の先行きに不透明感がある>
経済的に見て今の日本は産業の転換期という側面があります。例えば自動車で言えば、ガソリン車からハイブリット車、電気自動車へと移行するタイミングで、自動車のエンジン部品を扱っているような企業は仮に大手であったとしても、先行きが不透明です。
自働車に限らず様々な産業で構造的な変化があり、こういう経済的な状況の中、高額な住宅ローンを組むことはリスクが大きいですね。
こういった先行きの不透明感から新築する際の建築費用を抑えるため、ローコストハウスメーカーを選ばれる方もいます。
下の表では、日本人の一人当たりの報酬(収入)を表していますが、1995年からずっと右肩下がりで実質的な収入が増えていないことが分かります。
この状況下で高額な住宅を建てるのは、リスクが大きすぎます。
(出典:白書等(経済財政白書、世界経済の潮流、地域の経済等) - 内閣府)
また、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが発表している日本経済の中期見通しを確認しても短期的には景況感が持ち直すだろうという見解ですが、長期的には不安要素が多いように解説されています。
日本経済の中期見通し(2023~2035年度) | 三菱UFJリサーチ&コンサルティング
<住宅の資産的なメリットが少ない>
ハウスメーカーの営業マンの中には「資産として家を建てる」という営業トークをする方がいるかもしれませんが、半分正解で半分不正解ですね。
確かに資産価値の高い家もありますが、「利便性の良い場所に建っている家」という条件が付きます。例えば駅に近いとか子育て環境に良いなどですね。
要するに誰も住みたがらないような土地に立派な家が建っていても、買い手がつかないので、資産という意味では価値がないということです。
ここ数年は空きや問題もあり、今後はさらに空き家が増加する見込みです。その中で住宅としての資産価値を持つためには、どうしても「場所」が重要になります。
極端な話、住宅の資産価値は、家よりも土地が大切ということですね。
【新築よりも中古住宅のリノベーションがオススメ⁉】今後、新築は値上げ一辺倒な理由 - 大器晩成を信じて
<ローコストハウスメーカーの信頼が高まった>
十数年前、ローコストハウスメーカーと言えばタマホームでした。それ以外にもローコストハウスメーカーはありましたが、とにかくタマホームが目立っていましたね。
その当時のタマホームの噂は
- 安物の材料を使っているため、5年で家はボロボロになる
- メンテナンス対応してくれない
- 欠陥住宅に決まっている
- タマホームは倒産間近らしい
などなど、ひどい言われようでした。それがタマホームの努力もあり住宅業界でローコストハウスメーカーという一つのポジションができた感じですね。
今ではたくさんローコストハウスメーカーもありますし、ローコストだからと言って家の品質が低いということもありません。
【タマホームの家が「やばい」という噂は本当⁉】10年暮らしてみた評価を公開 - 大器晩成を信じて
今後もローコストハウスメーカーで新築する人は増加する
ここまでローコストハウスメーカーを選ぶ理由を解説させていただきましたが、状況から今後もローコストハウスメーカーで新築を検討される方は増加すると感じます。
ローコストハウスメーカーを選ぶ、一番の理由は価格面ですね。
ただ、気を付けないといけないのが、ローコストハウスメーカーの価格も上がってきているということです。
特にローコストをけん引してきたタマホームは、良くも悪くも大企業になり組織が大きくなってきたため、以前ほどの価格的なメリットがないように感じます。
実際、タマホームの決算書を分析しても営業利益率があがっており、住宅価格が上がっていることが想定されるので、ローコストハウスメーカー選びの基本は相見積を取って比較することが大切ですね。
また、価格優先なら分譲住宅もおすすめです。ローコストハウスメーカーのアイダ設計やタマホームは分譲住宅にも力を入れているので、検討してみてはいかがでしょうか。
【分譲住宅は購入するタイミングが重要!】決算月前なら200万円以上 お得になることも - 大器晩成を信じて
以上、最後までお読みいただき、ありがとうござました。
ローコストハウスメーカーで新築をご検討の方は、こちらの記事も読んでみてください。