先日、二世帯住宅の中古ってどの程度あるのか、ネットで調べていたんですが、完全分離の二世帯住宅というのは、ほとんどなかったですね。時々、築浅の二世帯住宅がありましたが、おそらく色々あって二世帯を解消したんだと思います。あとは、二世帯で暮らせるだけの広さがあるという感じで、二世帯住宅ではなかったです。
そこで、ふと思ったんですが、中古住宅の市場規模ってどの程度あるのでしょうか。我が家の近所にも結構、空き家がありますが、売りに出されている気配がないんですよね。俗にいう空き家問題というやつですかね。
ということで、今回は中古住宅に市場について書いていこうと思います。
- 中古住宅の取引状況
- 日本人は新築好き⁉
- 日本の中古住宅の取引数が少ない要因は?
- 経済的な戦略により、なぜ中古住宅の取引が少ないのか
- 実際日本の家は何年の耐久性があるのか
- 今後、新築の価格は必ず上昇していく
- 将来的な中古住宅市場はどうなる?
- 新築、特に建売の検討ならば中古住宅も視野に入れた方がよさそう
- まとめ
中古住宅の取引状況
このグラフは、国土交通省の住宅経済関連データから引用しています。ちょっと見にくいですが、黄色のグラフが新築住宅の取引数で青色が中古住宅の取引数です。一番右のグラフで考えると全体の住宅の取引数が、約110万戸でその内、約15%が中古住宅の取引です。
全体の約15%が中古住宅の取引数というのが、多いのか少ないのか分かりにくいですが、海外の住宅市場と比較すると日本の15%というのはかなり低いです。
ちなみにアメリカは、住宅取引全体の約80%が中古住宅の取引です。イギリスにおいては、約90%近くが中古住宅の取引ということです。
これを見ても日本人は、「家は新築するもの」という認識が強いことが伺えます。
日本人は新築好き⁉
上記にも書きましたが、日本において中古住宅の取引量は諸外国と比較して非常に低いです。一方、新築を購入する割合は非常に高くなっています。
下のグラフは、人口千人当たりの新築住宅着工数です。イギリス、ドイツ、アメリカと比較すると日本は二倍です。
日本の中古住宅の取引数が少ない要因は?
日本において、中古住宅の取引数が少なくなっている要因は色々と考えられますが、少なくとも技術的に日本が劣っているということではないと思います。
・長期住むと家の痛みが大きい(四季があるため)
・日本人は潔癖症である
・昔の建築基準法が緩かったため、耐震で劣る
・経済的な戦略により
・核家族化の促進により
などなど、推測はできますが、根本的な要因は、「経済的な戦略により」ということなんだと思います。他の要因もすべては、ここから始まっているのではないかと思います。
経済的な戦略により、なぜ中古住宅の取引が少ないのか
これは単純に新築を建てると経済効果が大きいため、ハウスメーカーというよりは、国が新築を推し進めているということですね。家というのは、一軒建てるだけで相当な企業が関わることになります。企業だけではなく役所だってそうですよね。
・土地を探せば、不動産業者が潤う
・家を建てるので、ハウスメーカーが潤う
・実際に工事をする下請け業者が潤う
・材木、壁、瓦、フローリング、サッシなどなど、様々なメーカーは潤う
・キッチン、トイレ、浴室などなど、機器メーカーも潤う
・家電量販店・家電メーカー、その他、新築に伴い買い揃える品物の業者が潤う
・そして、それらの機器を構成している部品を製造している部品工場なども潤う
という感じで、住宅産業は非常に裾のが広く、経済的な部分で日本を支えているわけです。
だから、新型コロナで経済が停滞しそうになると国は、新築を促すような税金控除の施策を発するわけです。経済を動かすために。
国がこういう考えだと、どうしても中古住宅の取引数は少なくなりますよね。
実際日本の家は何年の耐久性があるのか
耐震基準との兼ね合いですが、1981年以降の新耐震基準が適用されている住宅であれば、普通にメンテナンスして何年でも暮らせると思います。できれば2000年以降の物件が良いとは思いますが。
最新の家と比較すれば、性能の差はありますが、根本的な家の造りは変わらないです。ただ、新築と比較すると気密性や断熱性は劣るのではないかと思います。
今後、新築の価格は必ず上昇していく
これから新築の価格は、上がる一方というのは間違いなさそうですね。各ハウスメーカーは、ZEH(ゼロエネルギー住宅)への取り組みを強化しており、高断熱、節電機器、太陽光発電や蓄電池など、高性能の家が標準になるということは、必然的に価格は上がります。そのうえ、住宅機器メーカーのタカラスタンダードが、今年の4月から、ノーリツ、クリナップが今年の7月からの値上げを発表しており、YKKAPも値上げの第二弾を考えているとのことです。普通に住宅を建てても値上がり傾向なところにZEHですから販売価格の上昇率は相当なものになると思います。
分かりやすい例でいくと自動車ですよね。20年前に200万円だったグレードの自動車が、今は300万円ですからね。自動車も安全装置などの高性能化により価格は上がっています。この自動車で起きた現象が住宅でも起きるということですね。
将来的な中古住宅市場はどうなる?
ヤマダ電機グループの傘下ヤマダホームズが、買取再販事業に注力するというニュースがありました。購入した住宅を配管や水回りなどのリフォームをして家具・家電、そして保証もつけて、新築よりも安価で販売するということです。
現在は、40~50億円規模の受注ですが、2025年度には10倍の500億円を目指すということです。
ヤマダホームズの松本社長曰く「将来的には新築を上回る事業にしたい」とのことです。
空き家問題もあるので、この市場は大きく育つ可能性があると思います。現状、中古住宅というと基本的には現状渡しと思いますが、リフォームされて保証までついて、新築より価格が安いのであれば、市場規模としては、それなりにありそうですね。
新築、特に建売の検討ならば中古住宅も視野に入れた方がよさそう
おそらく拘りのある方は、注文住宅という流れは変わらないと思います。なので、注文住宅の市場は残るとは思いますが、(まぁ人口減によって、減るのは間違いないですが)建売の市場が今のままの規模を保てるかといえば、何とも言えません。個人的には、ヤマダホームズの取り組んでいる買取再販事業というのは、建売の客層を取り組む戦略だと思うからです。
建売と買取再販住宅を比較すると結構悩むと思うんですよね。
1.内装がリフォームされていてきれいで、家具や家電もついて、且つ保証も付いて価格の安い中古住宅
2.新築できれいだけど、家具や家電はなく、保証は新築の保証が付く価格の高い建売
この条件なら中古住宅を選択する方、結構多いんじゃないでしょうか。
まとめ
住宅業界も生き残りをかけて、各企業、事業戦略を練っています。これまでは割と新築一択という感じでしたが、これからは中古住宅も充実していくのではないかと思っています。事実、ここ数年、買取再販の市場規模は大きくなってきています。これは消費者にとっては、すごい良いことで、選択肢が広がるということは、お得に家を購入できる可能性が高まるということですから。
以上、中古住宅の今後について書かせていただきました。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。