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二世帯住宅 × タマホーム

ローコスト住宅の断熱性を比較!9社の標準仕様と選び方のポイント」

新築を検討するために情報収集をしていると、「断熱性」といった情報を見かけることが多くなりますね。「断熱性」は快適に暮らすためには重要なことですし、暮らし始めてからの光熱費にも関わってくるので新築を検討する人の関心度は高いです。

この断熱性の能力に大きく関わるのが断熱材ですが、一体、どういった断熱材があるのでしょうか。

  • グラスウール
  • ロックウール
  • ウレタンフォーム
  • 発砲ポリスチレン

などなど。種類によって断熱性能も違いますし価格も違います。基本的には新築価格の高い家ほど価格の高い高性能な断熱材が使用されています。

一方、新築価格の安いローコストハウスメーカーの断熱材はどうなのでしょうか。新築の価格から安い断熱材を使用しているハウスメーカーが多いですが、断熱材が安いからと言って断熱性能が見劣るということはあるのでしょうか。

ちなみに、2025年4月からは「省エネ基準への適合義務化(建築物省エネ法改正)」が始まり、全ての新築住宅に省エネ性能(断熱性能)が求められるようになります。

つまり、これからは「断熱材の性能」が新築住宅の標準になり、断熱材の選び方が家づくりでますます重要なポイントになります。

この記事では大手ハウスメーカーとローコストハウスメーカーの断熱材を比較していますので、これから新築をご検討の方は、ぜひ、最後まで読んでみてください。

■この記事を書いた人■

2012年にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を新築。

二世帯住宅での生活(生活歴11年)しながら、最もローコストで理想の二世帯住宅が、どういうものなのか研究。

実際にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を建てた経験とその後の生活の経験を活かし、二世帯住宅の情報を発信中。

一男一女の父親。

 

大手ハウスメーカーとローコストハウスメーカーの断熱材

断熱材の種類と考え方

ハウスメーカー(ローコスト)別 断熱材(壁部分)
ハウスメーカー 断熱材 補足情報
アイダ設計 グラスウール 一部商品は断熱材一体型パネル
タマホーム グラスウール 寒冷地仕様は吹付ウレタン
アキュラホーム グラスウール 「超断熱の家」
秀光ビルド 吹付ウレタンフォーム 全棟ZEH水準
アイフルホーム グラスウール 天井はオリジナル断熱材
クレバリーホーム 無機質繊維断熱材 断熱材の厚み 壁100mm 天井210mm
ヤマダホームズ グラスウール ダブル断熱仕様あり
桧家住宅 アクアフォーム(ウレタン) 吹付断熱材
木下工務店 発泡ウレタンフォーム セミオーダー住宅もウレタンフォーム

ローコストハウスメーカーの断熱材を確認すると、断熱材の中では価格が安くそれなりの性能があるグラスウールを採用しているハウスメーカーが多いですね。

一部のローコストハウスメーカーでは、グラスウールより価格の高いウレタンフォームを採用しているローコストハウスメーカーもありますが、単純に「グラスウールは性能が低く、ウレタンフォームは性能が高い」と決めつけてハウスメーカーを選んでしまうのは良くないですね。

一方、大手ハウスメーカーの断熱材はどのようになっているのでしょうか。

大手ハウスメーカーの断熱材は?

ここでは大手ハウスメーカーの中でも木造住宅系の一条工務店と住友林業の断熱材を調べてみました。

  • 住友林業:高性能グラスウール
  • 一条工務店:ウレタンフォーム

ローコストハウスメーカーと同じですね。ただ、注意点として一概にグラスウールやウレタンフォームと言ってもハウスメーカーによって扱っている断熱材の厚さやグレードに違いがあります。

だから断熱材の材質だけでハウスメーカー毎の断熱性能を比較するのは難しいです。

断熱性能の違いで光熱費はいくら変わる?

例えば、30坪の家で比較した場合、断熱性能の違いによって年間の冷暖房費は以下のように変わることが分かっています。

断熱性能 年間冷暖房費(目安)
断熱等級4(UA値0.87) 約12万円
ZEH基準(UA値0.6) 約8万円

断熱性能を高めると、光熱費は年4万円ほど下がりますが、初期コストも上がるため「回収にどれだけかかるか」を考えることが大切です。

グラスウールは価格が安く高性能

断熱材グラスウール 図解

グラスウールは、価格が安いので多くのローコストハウスメーカーで採用されています。ただ価格が安いからと言って性能が低いわけではなく、断熱性・防音性・耐火性は高いですね。

新築するハウスメーカーを選ぶ際の注意事項は、同じグラスウールと言っても密度や厚みによって性能が異なるので、ハウスメーカー選定の際は、グラスウールの密度や厚みの確認が必要です。

グレード 密度(kg/m³) 特徴
低グレード 10K 安価だが断熱性能は低め
標準グレード 16K 一般住宅で最も使用される
高グレード 24K 断熱性能が高く、省エネ住宅向け
最高グレード 32K 高断熱・高気密住宅向け

この表を見る限り10Kのグラスウールを使用しているハウスメーカーは避けた方が良いですね。

ウレタンフォームは断熱性能は高いが価格も高い

断熱材ウレタンフォーム 図解

ウレタンフォームはグラスウールと比較して価格は高いですが、ローコストハウスメーカーでも高気密住宅にはウレタンフォームを採用しているケースがあります。

秀光ビルドや桧屋住宅、木下工務店はこのウレタンフォームを採用していますね。ウレタンフォームにもグラスウール同様にグレードがあります。

グレード 密度(kg/m³) 特徴
低密度(軟質) 20~25 吸音性があり、簡易断熱向け
標準密度(半硬質) 30~40 一般住宅の断熱材として使用
高密度(硬質) 50~60 高気密・高断熱住宅向け
超高密度 80以上 産業用・冷蔵倉庫など特殊用途向け

ハウスメーカーで話を聞く際は、ウレタンフォームの密度を確認してみてください。密度が20~25㎏/㎥の場合、避けた方がいいハウスメーカーということになりますね。

断熱材は「種類」より「グレードと厚み」が重要

ハウスメーカー選びの際の断熱材の考え方 図解

一般的にはグラスウールよりウレタンフォームの方が高断熱と言う認識ですが、個人的にはグラスウールの断熱性でまったく問題ないように感じます。

というのも、私は断熱材がグラスウールの家(タマホーム)に11年間暮らしていますが、断熱性能に不満を持ったことはありません。当然、冬は寒く夏は暑いですが以前住んでいた賃貸マンションと比較すると遥かに断熱性能が良いです。

断熱材を考える際に重要なことは、グラスウールやウレタンフォームといった断熱材の種類ではなくグレードや厚さですね。

いくらウレタンフォームといってもグレードが低ければ、グラスウールより劣るということになります。

これから新築をご検討の方は、断熱材の種類だけでなくグレードや厚さの確認もしてみてください。

以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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