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二世帯住宅 × タマホーム

【タマホームと一条工務店は優良企業ではない⁉】下請け業者との関係悪化で住宅品質に影響が出る可能性も…

家はハウスメーカーや工務店が、仕入れ業者から木材や設置器具、住宅機器を購入してそれを下請け業者に設置工事してもらい完成します。

当然ですが、仕入れ業者や下請け業者から見るとハウスメーカーはお客さんということですね。ハウスメーカーもあらゆる材料が値上がりしているので厳しいですが、こういう仕入れ業者や下請け業者も厳しい状況です。

ただ、仕入れ業者や下請け業者は、お客さんであるハウスメーカーに値上げを強く要求すれば仕事がなくなってしまう可能性もあり、価格転嫁できていないケースも多くあります。

そういった弱い立場の仕入れ業者や下請け業者を守るため、2021年から経済産業省 中小企業庁が毎年3月と9月を価格交渉促進月間として、弱い立場の業者を守るルールを作っていますが、2024年8月にその価格交渉に後ろ向きな会社としてハウスメーカーではタマホームと一条工務店の名前があがってしまいました。

中小企業の価格転嫁に関する調査結果(速報版) 価格交渉促進月間(2023年9月)フォローアップ調査 (METI/経済産業省)

タマホームと一条工務店、この2社に共通していることは、年間の建築棟数が多く大手ハウスメーカーと言ってもよい存在です。

この内容だけ見ると業者の価格が抑えられすぎて、家に仕上りにも影響が出てくるのではないかと心配になりますが、この記事ではタマホームと一条工務店の内情を考察していきますので、これから新築をご検討の方は、ぜひ、最後まで読んでみてください。

■この記事を書いた人■

2012年にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を新築。

二世帯住宅での生活(生活歴10年)しながら、最もローコストで理想の二世帯住宅が、どういうものなのか研究。

実際にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を建てた経験とその後の生活の経験を活かし、二世帯住宅の情報を発信中。

一男一女の父親。

タマホームと一条工務店が取引先との価格交渉に消極的

タマホームと一条工務店 取引先との関係 図解

2024年8月2日に経済産業省が、取引先(仕入れ業者や下請け業者)との価格交渉に後ろ向きな企業を公表しましたが、その中でタマホームと一条工務店が最低評価を受けました。

分かりやすく言うと仕入れ業者や下請け業者が「値上げをしたい」と相談しても受け付けない傾向があるということですね。

ハウスメーカーにとって仕入れ価格の値上げは利益の減少につながるので、タマホームや一条工務店の判断は理解はできますが、一方でこの2社とも大きな会社で社会的にも影響力があるので、経済産業省から最低評価を公表されてしまう状況はよくないですね。

タマホームと一条工務店の共通点は建築棟数が多いこと

タマホームと一条工務店に共通していることは、年間の建築棟数が多いということですね。

  • タマホーム⇒10,000棟前後
  • 一条工務店⇒13,000棟前後

大手ハウスメーカーでも年間2,000~5,000棟の会社が多いなかでタマホームと一条工務店の建築棟数は、少し抜けた存在です。

材料の仕入価格があがることによる影響

仕入れ価格の上昇は、建築棟数が多ければ多いほど影響が大きいです。例えばタマホームの場合で考えると

  • 新築価格3,000万円
  • 新築原価2,250万円

(新築価格の75%を原価とする ※ハウスメーカーの原価率は75~80%が一般的)

この新築原価が5%値上げされたると2,363万円となります。仮に新築価格が3,000万円のままだった場合、単純に113万円利益が減ることになります。

年間10,000棟の家を建てているので、113万円×10,000棟=113億円の利益が減るということです。

113億円利益が減ってしまうと建築棟数次第では赤字になってしまう可能性もありますね。もし仕入れ価格が上昇するなら、新築価格も上げなければやっていけません。

タマホームと一条工務店が取引先との価格交渉に後ろ向きな理由

タマホームと一条工務店は、営業戦略として拡大路線を取っているので、建築棟数を減らすことができません。というのも、仮に建築棟数を確保できないければ、これまで増やしてきた住宅展示場や社員を維持することが難しくなるからです。

仕入れ価格を上げることは直接利益の減少につながってしまうので、仕入れ価格を上げるならば、新築の販売価格も上げなければならないです。

ただ、新築の販売価格を上げたことによって、客離れの可能性もあるため、それならばとりあえず取引先との価格交渉は避けた方が良いという考えなのではないかと想定されます。

「新築原価の上昇⇒新築価格の値上げ⇒建築棟数減少の可能性(購買意欲の減退)」

取引先(仕入れ業者や下請け業者)が値上げするのはハードルが高い

実際のところ仕入れ業者や下請け業者が、売り先に値上げの依頼をするのは、結構なハードルがあります。タマホームも一条工務店も大きな会社ですから購買部署を持っていると想定されます。

購買部署の役割は、仕入れコストの低減、納期調整、価格の安い代替品の調査、などで仕入れ価格の低減がメインの仕事になっているので、値上げの依頼には過剰な反応を示すかもしれません。

これは私も経験したことがありますが、大手企業に値上げの依頼をすると値段が上がる理由を明確にしなければならないケースがあります。

具体的に言うと、材料費が何%上がった、輸送費が何%上がった、などなど。納得できる理由でなければ値上を認めないというケースも割と多くあって、中小の業者は苦戦を強いられています。

家の品質が下がる可能性は?

タマホームと一条工務店 家の品質低下の可能性 図解

タマホームや一条工務店が、取引先の値上げを認めないとその取引先はどうなるのでしょうか。

  • 取引先の財務内容が悪くなり倒産
  • 利益が少なく従業員の給与を上げることができないため人材を確保できない
  • 他のハウスメーカーとの取引を模索する

基本的にタマホームや一条工務店の取引先は、それなりのボリュームの仕事を受けていると想定されます。価格は安いけど仕事のある状況で他のハウスメーカーを探すことはリスクが大きいため、実行に移す取引先は少なそうですね。

現実的な問題として大きいのが人不足です。

  1. 人が不足していると仕事を請けることができない
  2. 仕事を断ると次からの仕事に影響があるので、無理やり請ける
  3. 少ない人数で残業を重ね仕事をこなす

その結果、施工上のミスが生じたり、受発注のミスで納期が伸びたりなど、新築時の品質が下がる可能性があります。

住宅業界だけでなく今は人不足で中小企業は、業務を何とかこなすのに必死です。私も設備関係のお仕事をしていますが、人がいないので今までやったことのない業務もやったりしていて、「こんなことをしていたら、その内大きなミスが発生しそうだなぁ」と感じることが多くなりました。住宅業界も同じですね。

【大工不足により新築工事ができない⁉】ハウスメーカー選びのポイントは、大工養成の有無 - 大器晩成を信じて

タマホームと一条工務店の新築価格の値上げはある?

ここ数年間、どこのハウスメーカーも新築価格の値上げに踏み切っています。それはタマホームも一条工務店も同じです。

要はそこからさらに値上げがあるかということですが、タマホームと一条工務店は値上げの可能性が十分にあると考えています。

<タマホーム>

ここ数年、良い業績を上げていましたが、前期(2024年5月期)は黒字ではあるものの業績は右肩下がりでしたね。原因は単純に建築棟数の減少ですが、タマホームが業績を改善しようと考えて場合

  • 建築棟数を増やす努力をする
  • 値上をして収益性を改善する

のどちらか、もしくは両方を実施する必要があります。タマホームの現状を見ていると値上げというよりは、CMやQUOカードなど販売促進にかなり力を入れているので、建築棟数を増やそうとしていますね。

【最新版 タマホームの値上げ状況を考察】今後も1~2%の値上げはありえる! - 大器晩成を信じて

<一条工務店>

一条工務店の一番の強みは技術力ですね。価格が高くてもそれ以上の技術を提供できているので、ここまで建築棟数を伸ばしているわけですが、一方で予算がローコストの価格帯しか用意できない人には遠い存在です。

そんな中、一条工務店は数量限定ですが価格を抑えた規格住宅「HUGme(ハグミー)」を販売するようになりました。これはローコストの価格帯で新築を検討しているお客さんを取り込もうとしていて、一条工務店のこの営業戦略から今の段階で値上げということはないと想定されます。

 

今回、経済産業省 中小企業庁の調査で取引先の値上げ交渉に後ろ向きな企業として名前があがったタマホームと一条工務店ですが、今後も大々的に取り上げられてしまうと企業イメージも悪くなってしまうので、取引先との価格交渉は行うと想定されます。

現状では、その価格交渉によって新築価格も値上げをするのではなく、新築棟数を伸ばす方向で考えるのではないでしょうか。

これからタマホームや一条工務店で新築をご検討の方は、こういった背景があることも念頭において、営業マンと話をしてみてはいかがでしょうか。

以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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