普通の戸建ては、基本的に1階部分に水回りが集められていますが、上下横割りの二世帯住宅の場合、2階部分にも浴室やキッチン、トイレなど水回りがあります。
2階部分の水回りは、1階部分と比較して配管が長くなるため、うまく掃除をしていないと配管の詰まりを招いてしまいます。
特に子世帯の暮らす2階の浴室は、子供が大きくなるにつれて、トリートメントなどの使用量が増えます。トリートメントなどは有機汚れの原因となる成分が多いので、それにあった掃除をする必要がありますね。
私自身10年以上、水処理メーカーに勤めていた経験がありますので、その経験と知識を踏まえ、この記事では、浴室の汚れにあった掃除方法を解説させていただきます。
2012年にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を新築。
二世帯住宅での生活(生活歴10年)しながら、最もローコストで理想の二世帯住宅が、どういうものなのか研究。
実際にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を建てた経験とその後の生活の経験を活かし、二世帯住宅の情報を発信中。
一男一女の父親。
浴槽の汚れと掃除方法
<浴槽内の汚れ原因>
浴槽の汚れの原因は、人の皮脂や髪の毛などの有機系の物が多く、そのままお湯を貯めておくと有機物が繁殖して、ぬめりなどが発生します。
基本的には、お湯が長期間滞留するということはないので、中性洗剤での掃除で十分です。
<浴槽の洗剤>
バスマジックリン(中性)
成分:界面活性剤、泡調整剤、金属封鎖材、界面活性剤、界面活性剤/除菌成分、金属封鎖剤、界面活性剤、香料、着色料
バスタブクレンジング(中性・弱アルカリ性)
成分:バランス剤、金属封鎖剤、界面活性剤、溶剤、pH調整剤、界面活性剤、香料、増粘剤、着色剤
<浴槽掃除の説明>
浴槽の掃除には、中性、もしくは弱アルカリ性の洗剤を使用します。
人が入るということで、汚れのほとんどは皮脂や髪の毛などの有機系汚れ、及びほこりなので、普通の中性洗剤で汚れを浮かせて、洗い流すという感じで良いと思います。
スプレーして擦らず汚れを流すという製品は、界面活性剤の含有量を多くして汚れを浮かしていますが、取り切れない汚れもあるので、お風呂掃除は擦った方がよさそうですね。(界面活性剤は汚れを浮かす作用があります。)
基本的には毎日、お湯を捨てて洗った方が良いです。(雑菌が繁殖します。)
浴室の床の汚れと掃除方法
<床の汚れ>
有機系と無機系の汚れがありますが、黒ずみや茶色っぽいのは、カビなど雑菌の有機物が繁殖した汚れです。
一方、白っぽいものや擦ってもなかなか落ちない汚れは、水道水中に含まれるカルシウム分が水酸化カルシウムとして固着した無機系の汚れです。
有機系の汚れは、簡単に除去できますが、無機系の汚れは、固着しているのでなかなか手強いです。
洗剤の候補としては、有機系には殺菌作用のあるもの、無機系には溶かす作用のある酸性洗剤が必要ですね。
<床の洗剤>
カビキラー(アルカリ性)
成分:次亜塩素酸塩、水酸化ナトリウム、界面活性剤、
クリームクレンザー(アルカリ性)
成分:研磨剤、界面活性剤
サンポール(酸性)
成分:塩酸、界面活性剤
<床掃除の説明>
有機系の汚れ
有機系の汚れには、アルカリ性で殺菌剤を含有している洗剤を使用します。殺菌剤としては次亜塩素酸塩を使用している薬品ですね。
有機系の汚れは、除去しやすいので、この薬品を使用すれば簡単に除去できます。
次亜塩素酸塩は、アルカリ性の薬品で酸に触れると有害がガスを発生されるため、使用する際は注意が必要です。
<無機系の汚れ>
無機系の汚れは、非常に硬く除去しにくい特性があるので、研磨剤を含有した洗剤で削るか、酸性の洗剤で溶かして除去するかどちらかです。
研磨剤含有の洗剤は、削るわけですので、床の素材も若干削ることになります。削って表面が荒れると余計に汚れが蓄積しやすくなるというデメリットがあります。
もう一点、注意していただきたいのが、酸性の洗剤とアルカリ性の洗剤を混ぜないということです。
ここでは、両方の洗剤を紹介していますが、同時に使用してはダメです。次亜塩素酸塩は、酸性の液と混ざると塩素ガスを発生して危険です。
それに酸性とアルカリ性を混ぜると中性になってしまうので、洗浄力もなくなってしまいます。
浴室の鏡の汚れと掃除方法
<鏡の汚れ>
鏡の汚れは、水道水中に含まれる炭酸カルシウムが析出したものと石鹸の成分である水酸化ナトリウムと水道水中に含まれるカルシウムイオンが結合した、水酸化カルシウムなどが析出したもので、無機系の固い汚れですね。一般的にウロコと言われています。
<鏡の洗剤>
クリームクレンザー(アルカリ性)
成分:研磨剤、界面活性剤
サンポール(酸性)
成分:塩酸、界面活性剤
<鏡掃除の説明>
無機系の汚れで固いので、
- 研磨剤を含有した洗剤で物理的に擦って落とすか
- 酸性の洗剤で溶かして落とすか
のどちらかです。
ウロコ取り専用の洗剤もありますが、基本的には研磨剤含有でクリームクレンザーを同様の性能です。ウロコ取り専用の洗剤は、高額ですからクリームクレンザーで十分だと考えています。
ここも注意点があって、酸性とアルカリ性を同時に使用してはダメです。単純に中性になってしまい洗浄力がなくなります。
浴室の壁の汚れと掃除方法
<壁の汚れ>
壁の汚れは、鏡の汚れと同じですが、通気性の悪い部分は、カビなどが繁殖した有機系の汚れもあります。
<壁の洗剤>
サンポール(酸性)
成分:塩酸、界面活性剤
カビキラー(アルカリ性)
成分:次亜塩素酸塩、水酸化ナトリウム、界面活性剤
<壁掃除の説明>
基本的な汚れの考え方は、鏡と同じですが、掃除の方法は違います。
というのも無機系の汚れには、研磨剤で落とすか、酸性洗剤で溶かすかのどちらかですが、壁は鏡と違って、表面に固さがないので、研磨剤で削ってしまうと壁の表面がなくなり、余計に汚れが付着しやすくなります。
ですから、壁に付着した無機系の汚れは、酸性洗剤で溶かして落とし、有機系の汚れは、殺菌剤含有のアルカリ性洗剤で除去します。
ここも同様に酸性とアルカリ性を混ぜないでください。特にアルカリ性の洗剤には、殺菌剤として次亜塩素酸塩が含有していますので、有毒ガスが発生します。
浴室の排水口の汚れと掃除方法
<排水口の汚れ>
汚れの種類は、ほとんど有機系のものです。
人間の皮脂や髪の毛、そして石鹸やシャンプー、コンディショナーには、有機物が繁殖するにあたっての栄養分がたくさん含まれているため、これらを含んだ排水は、ものすごい勢いで有機系不純物が繁殖します。
汚れの感じは、スライム状の柔らかい物質ができて、それが排水口を詰まらせます。
特に二世帯住宅で2階に浴室がある場合は要注意です。配管が詰まってしまう前に定期的な清掃が必要ですね。
<排水口の洗剤>
パイプユニッシュ(アルカリ性)
成分:次亜塩素酸塩、水酸化ナトリウム
<排水口掃除の説明>
排水口の汚れのほとんどは、有機系の汚れなので、殺菌剤を含有しているアルカリ性の洗剤を使用します。
洗剤は液体のものと錠剤状のものがあります。どちらもアルカリ性塩素系ですので同じような効果が期待できますが、液体の方が色々な場所に使用できるので良いでしょう。(錠剤状のものは、水が溜まっているところにしか使用できません。)
パイプユニッシュなどを使用して、少し時間をおいてから勢いよく水は流すことが効果的です。薬品の力+水の力ですね。
お風呂汚れの原因は?
無機系の汚れは、水道水に含まれる炭酸カルシウムが析出したり、石鹸やボディソープに含まれる水酸化ナトリウムなどの成分が、水道水と反応して析出物を作っており、それが汚れとなっています。
無機系の汚れは、時間とともに蓄積していき、且つ固いので、蓄積してしまった後だと、除去するのが困難です。
有機系の汚れは、人の皮脂や髪の毛、またシャンプーやコンディショナー、石鹸に含まれる物質を好むカビなどの有機物が繁殖することによって発生する汚れです。
無機系と違い除去しやすい性質ではありますが、特に夏場なんかは短期間で繁殖します。
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定期的な掃除で配管の詰まりを防ぐ
冒頭にも書かせていただきましたが2階に浴室がある場合、排水配管が長くなるため、配管の詰まりが発生しやすいです。
浴室を定期的に掃除していると洗剤が配管内の汚れも除去して、配管内をきれいに保つことができます。
浴室を掃除する際は、配管内の汚れも念頭に掃除することが大切です。
<実際に意識することは>
- 入浴後、きれいな水を流すようにする(配管内に排水が残ると配管内で汚れが固着する)
- 排水口の掃除をする際、洗剤の量を増やす(配管まで届くように)
- 掃除後は、入浴後と同様にきれいな水を流す
要するに、洗剤を配管に行き届くようにする+配管内に汚れた水が残らないようにする(水置換)ということですね。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。