この記事を読んで分かること☝
- 高齢の親世帯(75歳以上)と二世帯住宅を建てる際のポイント
- 部分共有型(玄関共有)がおすすめな理由
- 介護対策はレンタル機器で対応できる
高齢化の影響で50歳代の子世帯が、二世帯住宅を建てて、75歳以上の親世帯と暮らすケースが増加しています。
理由としては
- 親世帯の老後を考えて
- 何かと心配
- 介護が必要だから
などです。子世帯が若い(30歳代)の場合は、「経済的な理由」で二世帯住宅を建てるケースが多いですが、子世帯と親世帯の年齢により二世帯住宅を建てる目的は違います。
2025年には団塊の世代が後期高齢者になり75歳以上の人口が増加するとみられています。それに伴い子世帯の年代も団塊ジュニアと呼ばれる50代が増加することとなり、かつて二世帯住宅に居住する方は親世帯60代・子世帯30代が典型的であった時代から、より高齢の二世帯が多くなることが予想
~2月10日は二(2)世帯住(10)宅の日~子世帯の年代によって変化する二世帯同居 | 旭化成ホームズ株式会社のプレスリリース (prtimes.jp)
この記事では、これからさらに増加傾向になりそうな子世帯が50歳代、親世帯が75歳以上という条件に絞り、二世帯住宅のあり方を考察していきます。
高齢の親世帯と二世帯住宅を建てる際に
- パターンをどうするか(分離型 or 同居型)
- 将来的にその二世帯住宅をどうするか(中古として売るかどうか)
- バリアフリーをどう考えるか
- 建築費用の支払いをどうするか
など、普通に二世帯住宅を検討する場合と視点を変える必要があります。
我が家の親世帯は、現在、75歳以上でちょうどこの条件に当てはまっていますので、経験談も踏まえながら、解説させていただきますので、ぜひ、最後まで読んでみてください。
2012年に年収470万円ながらローコストハウスメーカーで二世帯住宅を新築。現在、二世帯住宅での生活歴10年。(継続中)
実際にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を建てた経験とその後の生活の経験を活かし、二世帯住宅の情報を発信中。
一男一女の父親。
75歳以上の親世帯と二世帯住宅を建てる際のポイント
親世帯が若い場合は、生活空間を分けて独立させた方が、お互いに気兼ねなく暮らせるため、完全分離型の二世帯住宅が良いですが、75歳以上の親世帯と二世帯住宅を建てる場合は、介護やその後のことも考える必要があるため、必ずしも完全分離型が良いとは限りません。
75歳以上の親世帯と二世帯住宅を建てる際のポイントは
- ある程度の独立性を持っていること
- 高齢の親世帯が暮らしやすいこと
- 介護しやすいこと
- 将来、中古住宅として販売しやすいこと
- 低価格で建てること
です。
<ある程度の独立性>
75歳以上といっても健康であれば、独立して暮らすことのできる年齢です。親世帯が元気な状況で同居型の二世帯住宅にしてしまうとトラブルのもとですし、親世帯も子世帯に頼り切りになってしまう可能性があるため、ある程度、独立性を持った二世帯住宅が良いです。
現在、我が家の親世帯は76歳ですが、まだまだ自分たちで独立して生活できますし、完全同居は気を遣うので、嫌だと言っています。
<高齢の親世帯が暮らしやすい工夫>
高齢の親世帯で怖いのがケガですね。バリアフリーはもちろんのこと危険な部分を減らす工夫が必要です。
特に注意が必要なのは、玄関(土間)と庭です。大きな段差があるため、転んでしまう可能性があります。
あと盲点なのが、メンテナンスです。浴室の換気システムのフィルター清掃や24時間換気システムのフィルター交換、電球の交換ですね。
- 浴室の換気システムのフィルター清掃⇒1ヵ月に1回
- 24時間換気システムのフィルター交換⇒6ヵ月に1回
- 電球の交換⇒電球が切れたタイミング
電球については、LEDを採用して極力交換を減らした方が良いですね。我が家は高所のメンテナンスについて、私が親世帯スペースに行って実施することにしています。
<介護しやすい造り>
将来的に介護が必要になった時のことも考えておく必要があります。
- 介護用ベッドのスペース
- 寝室⇔玄関の動線の確保
- 寝室⇔浴室までの距離
- 親世帯⇔子世帯の動線(行き来しやすい)
親世帯が若い時に二世帯住宅を建てるのであれば、実際に暮らしながら親世帯が将来を考えて対策しますが、親世帯が75歳以上で二世帯住宅を新築するなら始めから考えておいた方が良いですね。
【地震が発生すると二世帯住宅の需要が増える⁉】二世帯住宅の安心感は大きい - 大器晩成を信じて
<将来、中古住宅として販売しやすい造り>
二世帯住宅は親世帯がいなくなってからのことも考えなければなりません。
- 子世帯がそのまま暮らし続ける⇒玄関共有型
- 中古住宅として販売する⇒玄関共有型
- 賃貸として人に貸す⇒完全分離型
といった選択肢があります。まずは方向性を決める必要がありますね。個人的におすすめなのは、玄関共有型の二世帯住宅です。
完全分離型の場合、うまく賃貸利用できれば良いですが、借り手がいない場合、無駄なスペースが大きくなりすぎます。また完全分離型は大きすぎるため、中古住宅として販売しにくい側面もあります。
親世帯が若ければ、完全に生活空間を分けることのできる完全分離型がおすすめですが、75歳以上の親世帯の場合、完全に分けることよりも親世帯がいなくなったあとのことを考えるところがポイントです。
玄関共有型なら
- 建築費用を抑えることができる
- ランニングコストを抑えることができる
- 中古住宅としても販売しやすい
といった特徴があります。
【玄関共有型の二世帯住宅はおすすめ⁉】ポイントは玄関スペースを独立させること - 大器晩成を信じて
<低価格で建てる>
親世帯が若ければ、子世帯と合わせて二世帯住宅の建築費用を負担することができますが、親世帯が75歳以上になると収入の年金だけのケースが多いため、できる限り予算を抑えて二世帯住宅を建てることがおすすめです。
私も最近気づきましたが、親世帯は仕事を辞めて収入が年金だけになると、将来的な不安を抱えます。我が家の親世帯も収入が年金だけになった時、漠然とした不安を持っていました。
そういう状況で高額な二世帯住宅を建ててしまうと親世帯もプレッシャーになりますし、子世帯としても支払いの負担が大きくなってしまいます。
価格を抑えて二世帯住宅を建てるポイントは
- 二世帯住宅の延床面積は40坪で十分
- ローコストハウスメーカーで検討する
詳しくはこちらの記事を読んでみてください。
【2024年最新版 二世帯住宅の建築費用を抑える具体的方法 7選】部分共有で費用を抑えるのは最終手段 - 大器晩成を信じて
防音対策は重要だが存在を感じることのできる生活音は必要
二世帯住宅を検討する上で防音対策は、何よりも重要ですが、例えば親世帯が一人の場合は、子世帯の生活音が聞こえると安心します。
これは我が家の親世帯も言っていましたが、子世帯が不在で静かだと寂しいようですね。
介護用の機器はレンタルで対応
土間や庭の段差は、高齢の親世帯が暮らすには危険です。二世帯住宅の新築を検討する際にハウスメーカーと打合せをして対策をするのも良いですが、親世帯の体が不自由になってから検討するのもありです。
高齢者の生活に必要なサポート機器は、レンタルで対応できるため、二世帯住宅の建築費用を抑えるならレンタルがおすすめです。
レンタル費用も介護保険利用するとかなり金額を抑えることができます。


子世帯は高齢の親世帯の近くで暮らした方が良い
75歳といえば、健康であれば誰の助けも借りずに生活できます。とはいってもケガをしたり体調が悪い時は、誰かの助けが必要です。
実際、我が家の両隣はお年寄りが、一人暮らしをしていました。現在は特定養護老人ホームに入居していますが、それまでは何かと問題がありました。
- 道路で転んでいたところを発見したけど、身内の連絡先が分からない
- 何らかの理由で家に入れなくなっていたが、身内の連絡先が分からない
- 家の周りにゴミが散乱しているけど、身内の連絡先が分からない
などなど、隣に住んでいるので私も対応してきましたが、子世帯が近くで暮らしていれば、こういったことも起きなかったでしょう。
同居となると日々の生活でストレスになる可能性がありますが、二世帯住宅をうまく活用することにより、親世帯の状況を確認しながら自分の生活も大切にすることができます。
今後、75歳以上の親世帯と二世帯住宅を検討しようとお考えの方は、ぜひ、この記事の内容を参考にしてみてください。
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。