この記事を読んで分かること☝
- 10年前と現在の「大安心の家」の比較
- 「大安心の家」の仕様
- 「大安心の家」の評価
- 「大安心の家」を検討する価値があるのかどうか
今回のテーマは、人気ローコストハウスメーカーであるタマホーム「大安心の家」が、この10年間でどのように変わったのか、考察していきます。
私は、10年前にタマホームで「大安心の家」を新築しました。
10年間、大きなトラブルもなく、不満もなく、平穏に暮らしてきましたが、タマホームのテレビCMを見ながら、ふと最新の「大安心の家」はどうなっているのだろうと感心をひかれました。
最新の「大安心の家」の
- 構造は?
- 断熱材は?
- 基礎のつくりは?
- etc
は、この10年間でどうかわったのだろう?
これからタマホームで新築を検討される方の参考になるよう、私が10年間暮らした感想も書いていきますので、ぜひ、最後まで読んでください。
2012年にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を新築。
二世帯住宅での生活(生活歴10年)しながら、最もローコストで理想の二世帯住宅が、どういうものなのか研究。
実際にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を建てた経験とその後の生活の経験を活かし、二世帯住宅の情報を発信中。
一男一女の父親。
「大安心の家」ラインナップ
10年前「大安心の家」のラインナップは、一種類のみでしたが、現在は、地域別に4種類あります。
- 大安心の家 1・2地域
- 大安心の家[暖] 3地域
- 大安心の家[愛] 4地域
- 大安心の家 5・6・7地域 ※標準仕様
日本の地域別に仕様が変わっており、標準は「大安心の家」5・6・7地域です。
1・2・3・4地域は、北海道や東北などの寒い地域の寒冷地仕様です
断熱材の比較
場所 | 最新「大安心の家」 | 10年前「大安心の家」 |
---|---|---|
天井 |
高性能グラスウール155mm
|
高性能グラスウール155mm
|
壁 |
高性能グラスウール105mm
|
高性能グラスウール90mm
|
床 |
押出法ポリスチレンフォーム65mm
|
押出法ポリスチレンフォーム65mm
|
現在と10年前で壁部分の断熱材に差があります。現在の「大安心の家」の断熱材が105mmに対して、10年前は90mmです。
やはり、10年前とは差がありますね。
また、「大安心の家」[暖]では、天井の断熱材が、高性能グラスウール115mm+吹き込みグラスウール300mm以上となり、断熱性能が高くなっています。
「えがおの家」の断熱<補足情報>
最近、タマホームが高断熱・高気密の「えがおの家」を発売しました。外壁部は「大安心の家」で採用されている高性能グラスウール105mmプラス外断熱として、押出法ポリスチレンフォーム75mmを施工しています。また基礎部分も基礎断熱を施工しています。
新築価格次第ですが、個人的には「大安心の家」の標準の断熱性能で十分と感じています。
(出典:「HEAT20・G3」水準を確保!高耐候・高耐久・高断熱・省エネ「笑顔の家」 (tamahome.jp))
私が実際に10年暮らした感想
猛烈に夏が暑くなる愛知県で暮らしていますが、エアコンはしっかり効きますし、家の中が暑すぎて困るということはないです。
また、冬に関しても家の中が寒くてどうしようもない、ということはないですし、ストーブを付けると暑くなり過ぎることもあります。
ただ、我が家は2階にLDKがあり、またロフト設置のため天井が勾配天井になっています。そのせいなのかLDKの室温は冬場暖かく、夏場は暑くなります。(LDK以外の部屋は快適です。)
⇒【リビングが暑い原因は勾配天井のせい⁉】二世帯住宅で2階にLDKを造る際の注意点
断熱性については、10年前の「大安心の家」でも全く問題ありませんね。
現在の「大安心の家」の壁は、断熱材が当時よりも多くなっていますので、より断熱性能が上がっています。
まぁ我が家の断熱性能に不満はないですが・・・それでも羨ましいです。
最近は、高気密・高断熱の家が注目されていますが、断熱材としてはグラスウールでも充分に感じます。
現在、高気密・高断熱の住宅が流行っていますが、建築コストとの費用対効果の見極めが大切です。
下記写真は、屋根裏に登る通用口部分の断熱材です。旭ファイバーグラスのマットエースという製品が使用されています。
実際に触ってみましたが、「断熱材ってすごい!」と思うくらい暖かかったです。
窓ガラスの比較
最新「大安心の家」 | 10年前「大安心の家」 | |
---|---|---|
ガラス部 |
Low-Eペアガラス(アルゴンガス入 )
|
Low-Eペアガラス
|
サッシ部 |
樹脂サッシ
|
アルミサッシ
|
窓ガラスは、現在と10年前で大きな差があります。
ガラス部分は、ペアガラスで同じですが、ガラスとガラスの間の空気層に「普通の空気」と「アルゴンガス」の違いがあります。
アルゴンガスは、熱伝導率が低く断熱効果が空気よりも高いです。
(引用元:アルゴンガス入りLow-E複層ガラス | ガラスワンダーランド - 日本板硝子)
また、「大安心の家」[暖]では、ペアガラスではなく、トリプルガラスを採用しています。トリプルガラスとは、その名の通り、ガラスが3枚になっており、空気の層が2ヶ所あるものです。当然、ペアガラスよりも断熱性能は高いです。
次にサッシ部分です。
現在の「大安心の家」が樹脂サッシに対して、10年前の「大安心の家」はアルミサッシです。樹脂とアルミニウムを比較すると樹脂の方が圧倒的に熱伝導性が低いです。
つまり、断熱効果が高いということです。
(引用元:樹脂サッシの効果 - 樹脂サッシ工業会)
私が実際に10年暮らした感想
アルゴンガスの封入がないペアガラスでも結露が生じることはありません。しかし、アルミサッシ部分は冬場、結露が生じます。
これは熱伝導性が高いため、部屋の内部に外部の冷気が伝わってきているということですね。
南側の窓は結露が生じても問題になりませんが、日当たりの悪い北側のサッシ部分には、カビが繁殖しています。定期的に掃除をしていますが、隙間などは掃除しきれないので、黒ずみなんかも残っています。
私が家を新築した10年前は、樹脂サッシという言葉自体、あまり聞くことがなかったです。10年前と比較して、「大安心の家」の窓ガラスは明らかにグレードアップしていますね。
注意点としては、タマホームはある一定数以上の部屋を造る場合、追加料金が必要です。その際、部屋ではなく納戸扱いにするとコストを抑えることができますが、この仕様はおすすめできません。
というのも、納戸には24時間換気システムの換気口がなく、部屋の空気が入れ替わりません。そのため換気口のない納戸は結露が生じやすいですね。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
⇒【タマホームの納戸】部屋としての利用は、おすすめできない3つの理由
基礎の比較
最新「大安心の家」 | 10年前「大安心の家」 | |
---|---|---|
基礎の種類 |
ベタ基礎
|
ベタ基礎
|
今でこそ、ベタ基礎を採用しているハウスメーカーが多いですが、10年前は今ほどベタ基礎は普及しておらず、タマホームはベタ基礎というのを一つの売り文句にしていました。特にローコスト系では、費用のかかるベタ基礎を採用するメーカーは、まだまだ少なかった時代ですね。
私が実際に10年暮らした感想
このベタ基礎は、私が、タマホームで家を建てようと決めた一つの要因でもあります。タマホームの家づくりに対する考え方「長く暮らせる丈夫な家」ということを感じましたね。
10年間で何回か地震もありましたが、基礎にクラックが入るなどの不具合はありません。10年経った今でもきれいな基礎です。家族とも話をしていますが、体感では、この家は揺れにくく、地震に強い家と感じています。
私も色々なところで暮らしてきましたが、タマホームの家は地震が起きても安心感があります。
木材・土台の比較
最新「大安心の家」 | 10年前「大安心の家」 | |
---|---|---|
土台材質 | ヒノキ | ヒノキ |
材木の種類 | 乾燥材 | 乾燥材 |
柱の寸法 | 4寸&3.5寸 | 4寸&3.5寸 |
床下の通気 | 基礎パッキン工法 | 基礎パッキン工法 |
土台や木材の種類は、基本的に10年前と変わっていません。
土台や柱のサイズは、2種類で
- メーターモジュール⇒4寸柱
- 尺モジュール⇒3.5寸柱
10年前のタマホームは、他者との差別化のため、メーターモジュールを全面的に押し出して、4寸柱をアピールしていましたが、現在は間取りの多様化に対応するため、メーターモジュールと尺モジュールどちらかに偏ることなく取り扱っています。
個人的には「4寸柱の家の方が強いのでは?」と思ってしまいますが、そのあたりはどうなんでしょう。
それについては、「ウッドアートスタジオ」さんのブログに詳細が記載されていますが、基本的に構造計算を行われていれば、耐震強度は変わらないということです。
結論からいうと、耐震強度という観点から見ると実はどちらも変わらないのです。
一番大切なのは「構造計算をきちんと行われているかどうか」です。
正確に構造計算がなされているハウスメーカーや工務店などの建築業者の場合、4寸でも3.5寸でも耐震強度は変わらないのです。家づくりの疑問に答えます!柱の太さで家の耐震強度は変わるの!? | 愛知県岡崎市・豊田市・安城市の注文住宅の工務店「ウッドアートスタジオ」のスタッフブログ
4寸柱と3.5寸柱で耐震強度に違いがあったら、さすがに誰も3.5寸の家を建てないですよね・・
次に基礎パッキン工法とシロアリ対策についてです。
「大安心の家」は10年前からシロアリ対策として、土台にはシロアリが寄り付きにくいヒノキを採用し、床下の通気のためパッキン工法を採用しています。
シロアリが好む環境をなくすということで、10年前から同様の施工をしていますね。
私が実際に10年暮らした感想
土台と柱の性能は、生活していて実感することはないですが、先日、タマホームの10年点検の際、床下に潜り込んで、土台の部分を確認しました。
実際に床下に潜り込んでみると分かりますが、通気がしっかりしているので、すごく乾燥しています。
(※写真内の土台と基礎の間にある黒い部分がパッキンです。)
木材を見る限り、劣化している様子もないですし、キズや凹みもありませんでしたね。
もちろんシロアリ被害もありません。
施工自体もしっかりされている印象で今後、5年10年と経過しても問題ないと感じます。
壁と床の比較
最新「大安心の家」 | 10年前「大安心の家」 | |
---|---|---|
壁 |
耐力面材使用
|
耐力壁使用
|
床 |
剛床工法
|
剛床工法
|
壁と床の施工方法は、10年前から変わっていません。
耐震性と強度を上げるため、壁は耐力壁を採用し、床材も厚さ24mmの構造用合板を土台や梁に直接、留めつけています。2階の床面に防音のため、強化石膏ボードを敷きつけているのも同じですね。
当時からタマホームが家の強度にこだわっていたということがよく分かります。
私が実際に10年暮らした感想
10年暮らして常に実感していることは、「大安心の家」は強いということです。
地震の揺れもそうですし、台風なども問題ありません。「丈夫な家」という表現がぴったりですね。
おしゃれな家だったり、高機能な家はたくさんありますが、家の丈夫さで言えば、タマホームの「大安心の家」はトップレベルと感じています。
ただ、一つ注文をつけるとしたら、2階の防音性能をもっと充実させてほしいです。2階の床には、防音のため強化石膏ボードを敷き詰めていますが、正直、それでは防音対策として足りていません。
地盤調査の比較
最新「大安心の家」 | 10年前「大安心の家」 | |
---|---|---|
地盤調査方法 | スウェーデン式 | スウェーデン式 |
地盤改良費 | 別途費用 | 別途費用 |
10年前からタマホームでは、全棟地盤調査をしています。
調査方法は、「スウェーデン式サウンディング試験機」を用いての調査です。地盤の強さと家の耐震性は密接に関係しており、建築基準法の観点から、タマホームに限らず、地盤調査なしで家を建てることができません。
地盤の許容応力度及び基礎ぐいの許容支持力は、国土交通大臣が定める方法によつて、地盤調査を行い、その結果に基づいて定めなければならない。
地盤改良の種類
- 表層改良工法
- 柱状改良工法
- 鋼管杭工法
実際に地盤改良工事を行うのはタマホームの外注先ですが、改良内容によって費用はかなり異なります。予算は、30~200万円ほどみておいた方がいいですね。
「大安心の家」の評価
この記事では、家の機器ではなく構造部分を解説してしてきました。
家の仕様も大切ですが、長くその家で暮らすことを考えれば、構造の方が重要ということも言えます。ですから、ここでは「大安心の家」について、構造的な観点で評価させていただきます。
いたって個人的な評価ですから、参考程度に考えていただければと思います。
評価 | 一 言 | |
---|---|---|
断熱性 |
○
|
10年間で特に不満なし |
耐震性 |
◎
|
体感として揺れにくい家です |
耐久性 |
◎
|
10年間でこれといった不具合なし |
安心感 |
◎
|
明らかに丈夫さを感じます |
10年経過して、機器の消耗はありますが、構造的な部分は新築の時とほとんど変わっていないように感じます。
床下を見た時、特に思いましたが、長い間、人が暮らせるように配慮された構造の家ですね。
家というのは、新築してその後、長い付き合いになるものですから、構造の丈夫さは非常に大切だと実感しています。
タマホームの営業マンの特徴について、まとめてみました。ぜひ、読んでみてください。
【タマホームの営業マンは利益最優先⁉】タマホームの営業戦略から営業マンの特徴を分析 - 大器晩成を信じて
<ローコストハウスメーカーで新築をご検討中の方へ>
ローコストハウスメーカーで価格比較するなら、予算に合わせて3つの選択肢があるアイダ設計もおすすめです。
というのも、ここ数年のタマホームは、会社規模が大きくなったせいか、以前ほどのコストメリットがなくなっています。
比較対象のない中で契約してしまっては、あとで後悔することになるので、複数のハウスメーカーで価格を比較することは必須の時代です。
- 999万円の注文住宅
- 888万円の規格住宅
- 分譲住宅
まとめ「大安心の家」は10年前から完成されていた
最新の「大安心の家」と10年前の「大安心の家」を比較してみましたが、結果としては、構造上10年前から大きく変わっていないということが分かりました。
これを「進歩していない」と捉えるのか「10年前から完成していた」と捉えるかで、「大安心の家」の評価は全く変わってしまいますが、私の意見は
「10年前から大安心の家は、完成していた」
です。
理由は、実際に10年暮らした満足度からそう判断しました。
まさに「大安心できる家」という感じですね。
普通、新築を検討する際、家の仕様や断熱性などの機能に目が行きがちです。もちろん満足度の高い家を建てるために仕様や機能を求めることは必要なことです。
ですが構造部分は、それと同じくらい、もしくはそれ以上に大切です。構造がダメであれば、高いお金を払って建てた家も価値がなくなってしまいます。
この記事を読んでいただいた方には、ぜひ、構造部分にもこだわって後悔のない素晴らしい家を手に入れてほしいを願っています。
それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ローコストハウスメーカーで新築をご検討の方は、ぜひ、おすすめローコストハウスメーカーの記事も読んでみてください。