この記事を読んで分かること☝
- 新築住宅の価格が上がり続ける理由
- 普通のサラリーマンが注文住宅を建てることが難しい理由
- リノベーション住宅がおすすめな理由
- リノベーション住宅のメリット・デメリット
数年前と比較して新築価格がかなり上がっています。要因は色々とありますが、材料や機器が不足して価格が上がったというだけでなく、日本経済の構造的な部分も一つの要因ではないかと想定されます。
単純に材料や機器が不足して新築価格が上昇しただけなら、ものの供給が安定すれば価格も下がってきますが、日本経済の構造的な部分が原因なら価格が下がってくることはないです。
つまり「今は家の価格が高いから住宅を購入するのをもう少し待ってみよう」という考え方だと、さらに住宅の価格が高くなってしまう可能性があるということです。
まさに「家を建てるなら今」という感じです。
普通に考えれば、注文住宅や分譲住宅を検討する際、年齢や収入、自己資金などをもとに購入するタイミングを考えます。実際、私も住宅ローンのことを考えて11年前の35歳の時に注文住宅を建てました。
ただ、11年前と現在では住宅産業を取り巻く環境が違いすぎてて、
- 職人や大工の人件費高騰、メーカーの機器価格高騰による新築価格の上昇
- 職人や大工不足による新築住宅の供給不可
が、今後、懸念されます。新築価格が上昇した上、さらには予算があってもハウスメーカーの供給能力不足により家を建てられないことも考えられます。
この記事では、今後、新築住宅の購入タイミングについて考察していますので、これから新築の購入をご検討の方は、ぜひ、最後まで読んでみてください。
2012年に年収470万円ながらローコストハウスメーカーで二世帯住宅を新築。現在、二世帯住宅での生活歴10年。(継続中)
実際にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を建てた経験とその後の生活の経験を活かし、二世帯住宅の情報を発信中。
一男一女の父親。
今後、新築価格が上昇していく要因は?
今月のグラフ(2024年3月)64年ぶりの歴史的な低水準となった注文住宅の新設着工 | 三菱UFJリサーチ&コンサルティング
ここ数年新築価格が上昇している要因として、材料不足のために価格が上がったとクローズアップされていますが、実際にはそれだけではありません。
- ハウスメーカーの人件費の上昇(優秀な設計)
- 木材価格の上昇
- 住宅機器価格の上昇
- 大工さんなど職人の作業費の上昇
- 輸送費の上昇
などがあります。これらの要因を分析するとたまたま新築価格が上がったというより、日本経済の構造的な問題により価格が上がったのではないかと感じます。表面上は材料や機器の価格が上がったため、新築価格も上がったという風に見えますが、ポイントは人件費の高騰ですね。
人件費が上がるとどうなるか
- ハウスメーカーの人件費が上がる⇒住宅価格も上がる
- 木材問屋の社員の人件費が上がると木材の価格も上がる⇒住宅価格も上がる
- 住宅機器メーカーの人件費が上がると機器の価格が上がる⇒住宅価格も上がる
- 大工・職人の作業費が上がる⇒住宅価格も上がる
- 運転手の人件費が上がると輸送費が上がる⇒住宅価格も上がる
要するに人件費が上がると住宅機器も新築価格も上がるということです。では将来的にハウスメーカーや大工さん、住宅機器メーカーの人件費はどうなっていくのでしょうか。
【新築するならローコストハウスメーカー1択⁉】価格を抑えて新築した方が良い理由4選 - 大器晩成を信じて
企業の人件費は今後も上がり続ける可能性が高い
ここ数年、少子高齢化や働き方改革の影響によりどの企業も労働力不足が生じています。特にロボットやプログラムで自動化できない仕事の場合、より影響が大きくなっています。
具体的に新築住宅の場合で考えてみると
- 家を設計する設計者が不足する
- 大工さんが不足する
- 基礎や外壁、内装の職人さんが不足する
- 住宅機器メーカーの設計者、製造担当者が不足する
- 木材などの材料を運ぶ運送業者が不足する
などなど、基本的に人がやらなければできない仕事がほとんどで、ロボットやプログラムによる自動化はできないです。
この状況を打開するためには、給与水準を上げて働いてくれる人を集めるしかないですが、そうすると必然的に人件費が上がって、つまりは住宅価格も上がるということです。
下のグラフは、人手不足により受注数を調整している業界の一覧ですが、建築業は人手不足により建築物を建てることができないことが分かります。
要するに需要に対して供給が追い付いていない状況です。
予算があっても新築を建てられない可能性もある
将来的には、お客さんから契約を貰っても設計者や大工さんがいなくて家を建てることができないハウスメーカーも出てくる可能性はあります。
社員を集めたくても、それだけの給与を用意できなければ優秀な人材を雇うことはできないですし、もしかしたら優秀な人材を競合のハウスメーカーに取られてしまう可能性もあります。
だから施主の予算がいくらあっても、ハウスメーカーによっては、完成までに1年以上というケースも出てくるでしょう。
実際、2024年10月も人手不足による中小建築業の倒産が増加しています。
建設現場での「職人不足」と求人難に伴う人件費の高騰が、中小建設業者の経営を圧迫している。帝国データバンクの調査では、人手不足感を抱える建設業の割合は2024年9月時点で69.8%に上り、高水準での推移が続いている。
ハウスメーカー選びは慎重に(倒産を懸念)
すぐの話ではないですが、将来的にはハウスメーカーの倒産は避けられない状況になると感じます。契約を取れる取れない以前の話として、ハウスメーカーとして新築住宅を建てることのできる力量(技術者)がなければ、やっていくことができません。
将来的に厳しくなるであろうハウスメーカー
- 多くの営業マンを抱えているハウスメーカー
- 多くの建築数があってようやく黒字になっているハウスメーカー
- 新築住宅だけ販売しているハウスメーカー(リフォームなどがない)
- 下請け業者を大切にしないハウスメーカー(金額を安くたたく)
ハウスメーカーを選ぶ際、上記条件の状況がどうなっているのか調べてから実際に契約するハウスメーカーを選んだ方が良いです。
それぞれについて詳しく解説させていただくと
<多くの営業マンを抱えているハウスメーカー>
多くの営業マンがいると新築住宅の契約は取れやすくなりますが、契約をとっても肝心の家を建てることができなければ、売上を上げることができません。
営業マンばかりが多くなって、売上が減少してしまうと人件費として固定費の割合が大きくなってしまうので、ハウスメーカーとしては厳しい状況になります。
<多くの建築数があってようやく黒字になっているハウスメーカー>
タマホームや一条工務店、最近だとアイ工務店が建築数ありきの営業戦略となっています。契約を取っても建築数をこなせなければ赤字となってしまいます。
【アイ工務店で新築する際の不安材料は何?】タマホームとの比較で分かった不安材料2選 - 大器晩成を信じて
<新築住宅だけ販売しているハウスメーカー>
新築住宅の需要は必ず減少していきます。仮に需要があっても人の問題で契約をとっても住宅を建てて売上を上げることができないことも考えられます。
新築住宅だけでなくリフォーム事業などで売上を確保できる体制ができていないと厳しいですね。
<下請け業者を大切にしないハウスメーカー>
下請け業者を大切にしないハウスメーカーでは、下請け業者離れが起きる可能性が十分にあります。その結果、新築住宅を建てることができず、売上を確保できなくなる可能性があります。
最近だとタマホームと一条工務店が、下請け業者との価格交渉にあまり応じないとニュースになっていましたね。
【タマホームと一条工務店は優良企業ではない⁉】下請け業者との関係悪化で住宅品質に影響が出る可能性も… - 大器晩成を信じて
リノベーション住宅が増加する
今後はリノベーション住宅の市場が伸びていくことが考えられます。
理由としては
- 新築住宅が高額すぎて購入できない
- 空き家が増加し続けておりその対策として
- 新築住宅を建てるよりリノベーション住宅の方が作業者が少なく済む
ですね。お客さんは価格を抑えて住宅を手に入れることができ、ハウスメーカーや工務店は新築住宅よりも少ない労働力でも工事を対応できる、尚且つ、空き家問題の解決にもなる、ということでリノベーション住宅の注目度は高いです。
上のグラフは中古住宅の販売数の推移です。年々増加していることが分かります。住宅取得の費用を抑えたいということが根底にありますが、リノベーション住宅が世間に認知されてきたことも中古住宅が伸びている一つの要因と想定されます。
リノベーション住宅の利点は
- 新築の注文住宅より費用を抑えることができる
- 費用を抑えつつこだわりの家づくりができる
- 家の状態を実際に目で見て確認し購入できる
ですね。今後はますますリノベーション住宅の需要が高まる可能性があります。
【予算的に注文住宅が難しいなら中古住宅+リノベーションがおすすめ】1,000万円以上予算を抑えられる可能性も! - 大器晩成を信じて
費用面がクローズアップされますが、リノベーション戸建にはメリットが多いので、費用を抑えながら住宅を検討されている方は、一度、「リノベ不動産」の資料請求をしてみてください。
新築を購入するなら価格が下がるのを待っていてはいけない
「今は新築価格が高いからもう少し待ってみよう」という考え方だと今後もっと価格が高くなってしまう可能性があります。
予算や年齢、家族のことでまだ家を購入するタイミングじゃないという方もいらっしゃるとは思いますが、すぐに決断するかどうかは別にして、このタイミングで一度、住宅の購入を検討してみてはいかがでしょうか。
個人的におすすめなのが、
- ローコストハウスメーカーの新築
- リノベーション住宅
の比較です。価格の比較はもちろんのことですが、間取りや設備仕様の比較をすると面白いですよ。
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。