この記事を読んで分かること☝
- ハウスメーカーが平屋住宅を提案する理由
- 平屋住宅のメリット・デメリット
- 平屋住宅を検討する際の注意点
最近、各ハウスメーカーが平屋住宅をしきりに宣伝しています。「なんでだろう?」と考えると能登半島地震の影響が大きいのではないかと感じています。
このブログでも平屋の二世帯住宅について書かせていただきましたが、2階建てや3階建てにはないメリットが平屋にはあります。地震に強いというのもその一つですし、よくよく考えれば、家の中で階段を上らなくても良いというだけでも大きなメリットですよね。ただ、そういったメリットがある一方でデメリットもあります。
それは価格ですね。平屋住宅は2階建てや3階建てと比較して割高になる傾向があるし、広い土地も必要なので、土地の取得から考える人にとっては、かなり高額になってしまうこともあります。
色々なハウスメーカーが平屋住宅を全面に押し出していますが、この記事では、本当に平屋住宅が良いのか詳しく解説させていただきますので、これから新築をご検討の方は、ぜひ、最後まで読んでみてください。
2012年にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を新築。
二世帯住宅での生活(生活歴10年)しながら、最もローコストで理想の二世帯住宅が、どういうものなのか研究。
実際にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を建てた経験とその後の生活の経験を活かし、二世帯住宅の情報を発信中。
一男一女の父親。
近年、平屋住宅は増加傾向
平屋住宅はここ数年増加傾向で地震が起きたから急に増えたというわけではありません。新築のうち平屋住宅の割合を見ると、2010年度⇒6.19%、2018年度⇒9.92%、2019年度⇒10.72%と徐々に増加しています。(引用元:住宅産業100のキーワード)
ではなぜ平屋住宅が増加したのでしょうか。
- 地震発生の際、倒壊の心配が少ない
- 屋内で階段の上り下りがない
- 屋根が広くなるため太陽光パネルを設置しやすい
- ハウスメーカーが平屋住宅の提案に力を入れた
などが理由として考えられますが、「どうしても平屋住宅が良い」という理由にはならないですよね。そういう意味ではハウスメーカー主導で平屋住宅が増加してきている可能性が高いです。
営業マンとしては平屋住宅だと
- 倒壊のリスクが少ない⇒安心感がある
- 階段の上り下りがない⇒高齢になっても暮らせる
- 屋根が広い⇒効率良く太陽光を設置できる
などの営業トークがしやすいわけですね。
【タマホームは人には紹介できない】実際にタマホームで家を建てて良い家だとは思っているが・・ - 大器晩成を信じて
平屋住宅のメリット・デメリット
大きな地震が発生すると平屋住宅の需要が高まるということを考えると、平屋住宅の最大のメリットは地震対策と感じるかもしれませんが、それ以外にもメリットはあります。
もちろんデメリットもあるので、ここでは平屋住宅のメリット・デメリットを客観的に分析してみます。
平屋住宅のメリット
- 地震発生時に倒壊しにくい
- 階段の上り下りがないので楽(老後も暮らせる)
- 2階の音を気にする必要がない
- 1階と2階の温度差がない(2階は暑い)
平屋住宅のデメリット
- 建築費用が高額になる
- メンテナンス費用が高額
- 広い土地が必要
- 固定資産税が高額になる
- 近隣の建物次第で日当たりが悪くなる
- 浸水時に逃げる場所がない
平屋住宅を建てるためには広い土地が必要
100㎡の家を建てる場合、2階建てであれば1階の面積が50㎡ほどなので、30坪の土地の広さがあれば十分ですが、100㎡の平屋住宅を建てるなら60坪ほどの土地の広さはほしいですね。(駐車場込み)
すでに土地を所有していれば別ですが、土地の購入から考えている場合、土地の取得に相当な金額がかかってしまいます。
仮に坪50万円だと50万円/坪×60坪=3,000万円が土地の購入費用ということになります。これに平屋住宅の建築費用をプラスするので、かなりの高額になってしまいますね。
土地の価格が高い都心部では平屋住宅のデメリットが相当大きくなるので、おすすめはできないです。
実際、大都市と言われている東京、神奈川、大阪、愛知などでは平屋住宅の割合は少ないです。
平屋住宅を建てる際は「土地価格の安い郊外」という条件が付くことになりますね。
(土地が広いと固定資産税も高額)
新築住宅の半分以上が平屋の県とは?都道府県別にこんなに違う、今ブームの平屋事情~SUUMOジャーナル~ | 株式会社リクルートのプレスリリース
狭い土地に平屋住宅を建てるのはおすすめできない
間取りプランとして50~60㎡の平屋住宅があるので、狭い土地にも建てることはできますが、個人的にはおすすめできないですね。
というのも、50~60㎡の平屋住宅は間取りの制限が多すぎて、家賃の安価な賃貸マンションみたいな間取りになってしまいます。
どういう目的で平屋住宅を建てるかにもよりますが、小さすぎる間取りの平屋住宅は面白みのない家になってしまいます。
平屋住宅と2階建て住宅の比較
平屋住宅 | 2階建て住宅 | |
---|---|---|
建築費用 | ☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ |
土地の購入費用 | ☆ | ☆☆☆☆ |
生活のしやすさ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆ |
メンテナンス費用 | ☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ |
耐震性 | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
間取りの自由度 | ☆☆☆☆☆ | ☆☆ |
※2階建て住宅は総2階造りとする
土地を購入する費用と割高となる建築費用を許容できるなら、平屋住宅も一つの選択肢として考えても良いくらいのメリットがあります。
一番のポイントは広い土地を確保できるかどうか。
狭い土地でも平屋住宅を建てることはできますが、その分家も小さくなってしまうので、家族構成によっては厳しいかもしれません。
平屋住宅の相場は?
延床面積によって価格は異なりますが、ローコストハウスメーカーであれば、家の価格として1,000万円~という感じですね。
注意点としては、この1,000万円~というのはかなり狭い間取りの平屋住宅ということです。坪数で言うと20坪以下(約66㎡)の平屋住宅の価格ですね。
20坪の平屋住宅だと間取りの自由度も少なく、また狭いので4人家族で生活するには少し狭いです。
金額が安いからと言って、この平屋住宅にしてしまうと、本来、平屋住宅が持っているメリットを活かしきれないですね。
平屋の二世帯住宅はおすすめ
平屋住宅の需要が増えていますが、二世帯住宅の場合、平屋で造るメリットはかなり大きいと感じています。
もちろん広い土地が必要という課題はありますが、防音対策の面で大きなメリットがあります。二世帯住宅でよく起きるトラブルの中で生活音の問題は、かなりの割合を占めています。
平屋で完全分離型の二世帯住宅を造れば、2階⇒1階への音問題(足音など)を心配する必要がないため、トラブルを未然に防ぐことができます。
広い土地をお持ちなら、平屋の二世帯住宅を検討してみても良いですね。
【平屋の二世帯住宅はメリットがいっぱい⁉】広い土地があるなら平屋がおすすめ - 大器晩成を信じて
ローコストで平屋住宅を建てる際のおすすめハウスメーカー
情報 | 公式サイト | |
---|---|---|
アイダ設計 | HP内に間取りプランあり | 平屋住宅 アイダ設計 |
タマホーム | HP内に平屋の施工事例あり | 平屋|タマホーム株式会社 |
秀光ビルド | HP内で平屋特集あり | オシャレな平屋暮らし。 | 秀光ビルド |
クラシスホーム | 東海4県のみ | 東海4県No.1ビルダー・クラシスホーム |
クレバリーホーム | HP内で平屋特集あり | (グランシェア)クレバリーホーム ( |
富士住建 | 完全フル装備の家 | HIRARI(平屋)富士住建 |
アイ工務店 | HP内に建築事例あり | 平屋|建築実例|アイ工務店 |
アキュラホーム | 1LDK 1,290万円~ | 平屋住宅 アキュラホーム |
ヤマト住建 | 全館空調タイプあり | 平屋の家 | 注文住宅のヤマト住建 |
木下工務店 | HP内に間取りプランあり | シンプルな平屋 木下工務店 |
アイフルホーム | HP内に平屋特集あり | 平屋っていいかも【アイフルホーム】 |
アエラホーム | 大空間リビング | アエラホームの平屋 (aerahome.com) |
各社、平屋住宅には力を入れていますが、ただ、ハウスメーカーごとの特色が出にくいですね。要は平屋住宅の場合、造りが単純なので各社の技術力を発揮する部分が少なく、どのハウスメーカーも似たような造りになってしまうということです。
平屋住宅を検討する際に確認しておきたいポイント
- 建築費用
- メンテナンス費用
- 屋根の断熱性能
- 間取りの工夫
- 収納スペース
特に屋根の断熱性能は重要です。我が家は完全分離型 二世帯住宅の2階で暮らしていますが、夏場はかなり暑くなります。一方、1階はそれほど暑くなりません。
平屋住宅というのは、完全分離型 二世帯住宅の2階部分と同じ状況になりますが、今年の夏は暑かったこともあり、エアコンを多用したため、月の電気代が7万円を超えてしまいました。(エアコンを付けていても暑かったです・・)
【二世帯住宅にはZEHが必須⁉】エアコンを使用しすぎて電気代が月7万円を超えてしまった - 大器晩成を信じて
これから平屋住宅をご検討の方は、特に屋根の断熱性能に着目してハウスメーカー選びをしてみてはいかがでしょうか。
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。