
この記事を読んで分かること☝
- ハウスメーカーの大工事情
- 大工が不足している理由
- 家の仕上がりは大工の腕に左右される理由
- 大工不足時代のハウスメーカー選びのポイント
- 今後の大工という職業の将来性
家を建てる時、様々な業者さんが施工してくれるわけですが、その中でも特に重要なのが大工ですよね。
「良い大工であれば良い家が建ち、悪い大工であれば悪い家が建つ」と言われていますが、実際に家づくりを経験すると、この言葉はかなり重いと感じます。
どれだけ立派な図面があっても、どれだけ性能の良い建材を使っても、最後に現場で形にするのは職人さんです。
ところが昨今、この大工になる担い手が不足しているようです。
この記事の結論
これから家を建てる人は、ハウスメーカーの価格や住宅性能だけでなく、「誰が施工するのか」「大工をどう確保しているのか」「現場管理はしっかりしているのか」まで確認した方が良いです。
特に二世帯住宅や完全分離型住宅のように間取りが複雑な家では、大工の技術や現場の施工精度が住み心地に直結します。
下記ニュースは、大工不足に備えて、ハウスメーカーが大工を養成するという内容です。
設計図に沿って寸分の狂いも見逃さない木造建築の職人、「大工」。年々、その担い手が減少する中、ハウスメーカーが自社で大工を養成する取り組みに密着した内容です。
この記事では、大工の将来性とハウスメーカーの大工事情について、実体験も交えながら解説していきます。

👨🔧 この記事を書いた人
2012年にローコストハウスメーカーで完全分離型の二世帯住宅を新築。
生活歴12年のリアルな経験をもとに、家づくりのヒントや失敗談を発信しています。
「いかにして手の届く価格で新築住宅を検討するか」「ローコストで理想的な二世帯住宅とは」をテーマに日々研究。
価格・間取り・断熱・防音まで、実体験を交えながら徹底解説。
👨👩👧👦 一男一女の父(47歳)
🏠 二世帯住宅×ローコスト住宅の専門ブロガー
- ハウスメーカーの大工確保のための取り組み
- 大工の担い手は年々減少している
- 大工の給与は仕事の難しさに見合っているのか
- 小学生の将来の夢が「大工」というのは昔の話⁉
- 我が家を施工してくれた大工さん
- なぜ、大工の担い手が不足しているのか
- 大工不足はハウスメーカー選びにも影響する
- 大工という職業の展望
- 大工不足に関するよくある質問
- まとめ:大工不足時代は「施工体制」もハウスメーカー選びの基準になる
ハウスメーカーの大工確保のための取り組み

大工不足が進む中で、一部のハウスメーカーでは大工や施工人材を確保・育成する取り組みを行っています。
| ハウスメーカー | 大工養成・育成の有無 | 備考 | 施工品質への期待 |
|---|---|---|---|
| ダイワハウス | 特になし | 大工養成制度として目立つ情報は少ない | 現場管理体制の確認が重要 |
| 住友林業 | 住友林業建築技術専門校あり | 大工・左官などの職人育成 | 職人育成への意識が高い |
| 積水ハウス | 教育訓練センターあり | 大工というより施工管理者などの育成 | 施工管理体制に強み |
| 一条工務店 | 特になし | 大工養成制度として目立つ情報は少ない | 工場生産比率や現場管理の確認が重要 |
| アイダ設計 | 正社員として育成 | 社員大工養成制度 | ローコスト系では注目したい取り組み |
| タマホーム | 特になし | 地域の協力業者・大工の腕に左右される可能性 | 現場監督と大工の質の確認が重要 |
| クレバリーホーム | 特になし | 大工養成制度として目立つ情報は少ない | 加盟店ごとの施工体制確認が重要 |
大手ハウスメーカーである住友林業や積水ハウスは、大工や施工管理者など、家づくりに関わる人材育成に取り組んでいます。
この中で個人的に注目したいのは、ローコストハウスメーカーであるアイダ設計が、大工育成に積極的なことです。
通常、ローコストハウスメーカーは経費を抑えることに注力しているイメージがありますが、アイダ設計の社員大工養成制度は、家づくりに対する姿勢を感じます。
これから家づくりを検討する人は、価格や標準仕様だけでなく、「施工する人材をどのように確保しているのか」という視点も持っておくと良いです。
大工の担い手は年々減少している

上記は、国土交通省の資料で大工就業者数の推移です。
見ていただいて分かる通り、大工就業者数は年々減少しています。
野村総合研究所の予測では、2030年には大工の人数が21万人程度になるだろうとのことです。1980年には93万人の大工がいたようなので、かなり大きな減少です。
もちろん、今後は新築の建築棟数自体も減少していくと予測されています。
ただ、それでも住宅を建てる人がゼロになるわけではありません。
新築、リフォーム、リノベーション、二世帯住宅への改修、空き家活用など、建築現場で大工の力が必要になる場面は今後もあります。
そのため、単純に「住宅着工数が減るから大工不足は問題ない」とは言えないと思います。
下記が大工の年齢構成です。

5~60代が多いので、若者の就業者が増加しない限り、今後も大工人口は減少していく可能性が高いです。
大工不足が家づくりに与える影響
- 工期が長くなる可能性がある
- 腕の良い大工の確保が難しくなる
- 施工品質にばらつきが出やすくなる
- 人件費上昇により建築費が上がる可能性がある
- リフォームや修繕の依頼も待ち時間が長くなる可能性がある
大工の給与は仕事の難しさに見合っているのか
求人ボックスというサイトで調べたところ、大工の平均給与は404万円となっていました。
360~400万円くらいの層が厚くなっているようです。
う~ん、正直なところ、仕事の難しさに比例していない給与だと感じます。
手に職をつけるというのは、その人の強みになると言われますが、大工の場合、その技術の価値が十分に収入へ反映されていないように感じます。
大工は、木材を扱う技術だけでなく、図面を読む力、現場で判断する力、他の職人との連携、納まりを考える力など、かなり高度な仕事です。
それにもかかわらず、年収が400万円前後となると、若い人が積極的に目指しにくいのも理解できます。
こなせる仕事の量も限られているので、家一軒当たりの施工単価が上がってこないと厳しいですね。
数より単価です。
小学生の将来の夢が「大工」というのは昔の話⁉
日本FP協会の「小学生の将来なりたい職業」ランキングをみますと、2019年には大工が6位に入っています。
また、7位には建築士という職業も入っていたため、小学生にとって大工や建築関係の仕事は、憧れの職業の一つだったのだと思います。
2020年、2021年は10位以内に入っていないようですが、それでも「家をつくる仕事」に魅力を感じる子どもは一定数いるはずです。
手に職をつけた方が将来安定するという考え方や、大工はかっこいいというイメージもあるのでしょう。
小学生で大工になりたいと思う子は、多分、家を新築したご家庭の子なのかもしれません。
実際に大工さんの仕事を近くで見て、かっこいいと感じたのかもしれないですね。
うちの父親も建築関係で働いていましたが、子供の頃に「この建物のこの部分を工事した」と聞くと、子供ながらにちょっと憧れました。
自分の仕事が形として残るというのは、建築関係の仕事の大きな魅力だと思います。
我が家を施工してくれた大工さん
我が家は、タマホームの下請けで働いている大工さんに施工してもらいました。
その大工さんは無口でしたが、自分の仕事にプライドを持っている感じがしました。
実際、タマホームの工務さんからも、
この大工さんは腕がすごく良いから安心ですよ。
と言われていました。
この腕の良い大工さんに建ててもらった我が家ですが、10年以上暮らして大きな問題はありません。
やはり、家の仕上がりは大工の腕に大きく左右されると実感しています。
特に二世帯住宅の場合、間取りが複雑になりやすく、水回りも増え、床・壁・天井の施工精度も重要になります。
完全分離型二世帯住宅では、生活音やプライバシー対策も重要になるため、現場の施工精度は住み心地に直結します。
実体験から感じたこと
ローコストハウスメーカーだから悪い、大手ハウスメーカーだから必ず良い、という単純な話ではありません。
最終的な仕上がりには、現場監督の管理力、大工さんの腕、協力業者の丁寧さが大きく関係します。
なぜ、大工の担い手が不足しているのか
大工の担い手が少ない原因は、大きく分けると次の2つだと思います。
- 一人前になるまでに5~10年という歳月がかかること
- 仕事が難しいわりに収入が少ないこと
10年かけて習得した技術で年収400万円前後だと、いくら大工という仕事に憧れても、なかなかその道に進むことはできないですよね。
やっぱり就職する際は、将来的な収入も重要な要素です。
その部分で弾かれてしまう若者も多いのではないでしょうか。
また、大工は体力的にも大変な仕事です。
暑い日も寒い日も現場で作業しなければなりませんし、危険を伴う作業もあります。
それでいて収入がそこまで高くないとなると、若者が他の仕事を選ぶのも自然な流れかもしれません。
ハウスメーカーには、大工の重要性を考えて、収入面や育成環境も改善していただきたいと感じます。
大工不足はハウスメーカー選びにも影響する
大工不足は、単なる住宅業界の問題ではありません。
これから家を建てる人にとっても、かなり重要な問題です。
なぜなら、どのハウスメーカーを選ぶかによって、施工体制や現場管理の仕組みが大きく異なるからです。
ハウスメーカーを選ぶ時、多くの人は次のような点を重視すると思います。
- 建築価格
- 坪単価
- 住宅性能
- 断熱性能
- 耐震性能
- 間取りの自由度
- 保証内容
- 営業担当者との相性
もちろん、これらはどれも重要です。
しかし、これからの時代はここに加えて、施工体制も確認した方が良いです。
契約前に確認したい施工体制のポイント
- 実際に施工する大工は自社社員なのか、協力業者なのか
- 大工の経験年数や施工実績は確認できるのか
- 現場監督はどれくらいの頻度で現場を確認するのか
- 施工中の写真や進捗報告はあるのか
- 完成見学会や構造見学会に参加できるのか
- 施工ミスがあった場合の対応体制はどうなっているのか
特に二世帯住宅を建てる場合は、普通の単世帯住宅よりも確認すべきことが増えます。
キッチン、浴室、トイレ、玄関、配管、電気系統、生活音、プライバシーなど、施工精度が生活の満足度に直結する部分が多いからです。
そのため、二世帯住宅を検討している人ほど、ハウスメーカーの大工事情や施工管理体制を確認しておくべきです。
大工という職業の展望
ニュースにある通り、大工不足は間違いなくやってくると思います。
いかにもネガティブなニュースとして取り上げられていますが、個人的にはそんなに悪いことばかりではないと思っています。
というのも、給与というのは需要と供給のバランスの問題なので、大工人口の減少に伴い、将来的には給与が上がっていく可能性があるからです。
大工というのは、技術的にもっと給与をもらってよい職業だと思っています。
給与が上がってこれば、10年後には、なりたい職業の上位に大工が戻ってくるかもしれません。
それくらい大工というのは価値のある仕事ですし、やりがいという意味でも魅力のある仕事だと思います。
今後の住宅産業を考えると、腕の良い大工を抱えているハウスメーカーが残っていく、という側面もあるでしょう。
住宅性能や価格競争だけではなく、施工品質を安定させられる会社が評価される時代になるかもしれません。
大工不足に関するよくある質問
大工不足は家づくりにどんな影響がありますか?
大工不足が進むと、工期の遅れ、施工品質のばらつき、施工費の上昇につながる可能性があります。
特に注文住宅では、現場の仕上がりが大工の技術に左右されるため、ハウスメーカーがどのように職人を確保しているかを確認することが大切です。
大工を育成しているハウスメーカーはありますか?
住友林業は建築技術専門校、積水ハウスは教育訓練センター、アイダ設計は社員大工養成制度など、人材育成に関する取り組みを行っています。
ただし、内容は会社ごとに異なるため、契約前に「実際に施工する大工の体制」を確認することが重要です。
ハウスメーカー選びで大工の腕は確認できますか?
直接、大工の腕を事前に見極めるのは難しいです。
ただし、施工現場の見学、完成見学会、構造見学会、現場監督の説明、口コミ、施工中の管理体制を確認することで、ある程度判断できます。
ローコストハウスメーカーは大工の質が悪いですか?
ローコストハウスメーカーだから大工の質が悪いとは限りません。
実際には、地域の協力業者や担当する大工、現場監督の管理力によって仕上がりは変わります。
大手ハウスメーカーでも、ローコストハウスメーカーでも、現場の施工体制を確認することが大切です。
二世帯住宅では大工の腕が重要ですか?
二世帯住宅では、大工の腕や施工精度は非常に重要です。
水回りが増え、間取りが複雑になり、生活音やプライバシーへの配慮も必要になるため、単世帯住宅以上に丁寧な施工が求められます。
まとめ:大工不足時代は「施工体制」もハウスメーカー選びの基準になる
大工不足は、これから家を建てる人にとって無視できない問題です。
大工の数が減れば、工期、施工品質、建築費に影響が出る可能性があります。
だからこそ、これからハウスメーカーを選ぶ人は、坪単価や住宅性能だけでなく、施工する大工の確保状況や育成体制にも注目した方が良いです。
特に二世帯住宅や完全分離型住宅のように間取りが複雑な家では、現場の施工精度が住み心地に直結します。
我が家はタマホームで完全分離型の二世帯住宅を建てましたが、腕の良い大工さんに施工してもらえたことは本当に良かったと感じています。
家は、図面だけで完成するものではありません。
最後は現場で働く人の技術と丁寧さによって、住み心地が変わります。
ハウスメーカーを選ぶ際は、価格や性能だけではなく、ぜひ「どんな大工が建てるのか」「現場管理はしっかりしているのか」にも目を向けてみてください。
大工不足の問題について、YouTube動画を見つけましたので、参考にどうぞ。