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【親世帯は2階がおすすめ⁉】上下分離型の二世帯住宅で、1階が親世帯 2階が子世帯という決まりはない 

この記事を読んで分かること☝

  • 上下分離型の二世帯住宅で2階に親世帯が暮らす見解
  • 2階で親世帯が暮らした場合のメリット・デメリット
  • 2階を親世帯の生活スペースとした場合の二世帯住宅の造り方

上下横割りの完全分離型 二世帯住宅でほとんどのご家庭は、1階が親世帯、2階が子世帯と無意識に決めているのではないでしょうか。

この部分を検討される方は少ないですが、実際に二世帯住宅で暮らしている私は、2階が親世帯という選択肢があっても良いのではないかと感じています。

そう感じる主な理由は、生活音の問題ですね。

二世帯住宅のトラブルで一番多い原因は、プライバシー問題です。そしてそのプライバシー問題の中で生活音の問題は、かなりの割合を占めています。

その対策として、2階床を防音床にしたり間取りを工夫したりしますが、二世帯住宅の2階を親世帯のスペースにすることでも大きな生活音対策ができると実感しています。

二世帯住宅の2階が親世帯という選択肢 図解

理由は

  • 親世帯の方が室内での動きが少なく物音を立てない
  • 子世帯の方が音に対して許容できる(人によってですが・・)

もちろん、2階を親世帯のスペースにした場合、メリットだけでなくデメリットもありますので、そのあたりを総合的に考えて決めるということにはなりますが。

ただ、無条件に1階は親世帯、2階は子世帯と決めてしまうのではなく、二世帯住宅の検討段階で皆で話し合うのは必要なことです。

この記事では、2階を親世帯にした場合のメリット・デメリットを解説していますので、ぜひ、参考にしてください。

■この記事を書いた人■

2012年にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を新築。

二世帯住宅での生活(生活歴10年)しながら、最もローコストで理想の二世帯住宅が、どういうものなのか研究。

実際にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を建てた経験とその後の生活の経験を活かし、二世帯住宅の情報を発信中。

一男一女の父親。

上下分離型 二世帯住宅  1階と2階の特徴 

二世帯住宅 1階と2階の特徴 図解

私が実際に10年間暮してみて、上下横割りの完全分離型 二世帯住宅で暮らして感じたことをまとめてみます。

<2階の子世帯>

  • 子世帯は夜間の時間帯、生活音に配慮しなければならない(物を落としたり、子供が騒いだりしないようにする)
  • たくさん買い物した時、2階へ運ぶのが大変
  • 毎日、階段を上り下りする必要がある
  • 庭に行くことがない
  • 日当たりが良いので、休日はのんびり暮らせる
  • 夏場は部屋が暑くなる
  • 冬場は部屋が暖かい
  • 1階より部屋数が多い(玄関がないため)

<1階の親世帯>

  • 2階の生活音が気になる、大きな音がしてビックリする
  • 2階に対して、生活音の配慮をする必要がない
  • 階段がないので移動の負担がない
  • たくさん買い物をしても荷下ろしが楽
  • 庭を見ながらのんびり暮らせる
  • 夏場は室温が上がりすぎないので快適
  • 冬場は寒い
  • 二世帯分の玄関があるため、部屋数が少なくなる

こうやって書き出してみると、1階に親世帯、2階に子世帯という考え方は理にかなっていると感じますよね。

ただ、この書き出した内容の中でも生活音の問題は、それ以外のすべてのメリットを吹き飛ばすくらいの重要性があります。生活音の問題以外は考え方次第でデメリットがメリットになることもありますが、生活音の問題がメリットになることはありません。

⇒上下分離型 二世帯住宅の生活音問題

二世帯住宅の2階を親世帯のスペースにするメリット

メリット イメージ図

上下分離型 二世帯住宅の2階を親世帯の生活スペースすると親世帯、子世帯ともに生活音問題の部分でメリットがあります。

<子世帯のメリット>

  • 夜間でも生活音を気にせず暮らせる
  • 子供たちも気兼ねなく遊ぶことができる
  • 夜間に出かける際、階段の音を気にする必要がない

<親世帯のメリット>

  • 音でびっくりすることがなくなる
  • 子世帯の音が気にならなくなる

音問題はストレスの原因になるので、親世帯が2階で暮らすことは、親世帯、子世帯ともにメリットが大きいように感じます。

⇒上下分離型 二世帯住宅の成功のポイントは2階の造り方次第

生活音以外のメリット・デメリットをどう考えるか

親世帯を2階にした場合のデメリット 図解

生活音問題の対策として、親世帯が2階スペースで暮らすのは、大きなメリットがあることは分かりましたが、それ以外の条件はどうでしょう。

現実的に可能かどうかを考えます。

<2階への上り下りが大変>

私も10年暮らしているので分かりますが、荷物が多い時の階段の上り下りは大変です。ただ、普通に上り下りするだけであれば、親世帯もいい運動になるような気はします。二世帯住宅の暮らしで大切なことは、全員が健康であるということですから、階段の上り下りがいい運動になります。

ただ、70歳を超えると足やひざを痛めて、上り下りが大変な方も多くいます。まさに我が家の親世帯がそうですが、ひざが痛くて階段の上り下りだけでなく、普段の生活にも不自由しています。

実際に今の親世帯の状況を見ていると、2階での生活は厳しいと感じます。2階を親世帯のスペースにする場合は、こういったことも考えなければなりません。

<庭の管理>

親世帯としては、庭いじりが楽しみの一つでもありますから、それを取り上げてしまうのは、デメリットとしては大きいですね。庭いじりをしながら色々なことも考えるでしょうからボケ防止になっている側面もあると思います。その上、子世帯は忙しいので庭の管理をしなくなる可能性があり、雑草がすごいことになりそうです。

ただ、2階で暮らしていたら、絶対に庭いじりをできないわけではないですから、これは大きな問題ではないですね。

<2階は夏場暑い>

1階は冬場寒く2階は夏場暑い、どちらが良いということはないですから、これも特別問題になりません。

⇒リビングが暑い原因は勾配天井のせい⁉

<親世帯が2階だと将来介護が大変>

親世帯が自分で階段を上り下りできなくなった場合に、どうするかという問題ですね。これだけを考えるのであれば、親世帯は1階という判断になりますが、例えば、60歳から二世帯住宅で暮らすようになって、60~80歳までは元気に階段を上り下りでき、80~85歳までは介護もしくは介助が必要となった場合、60~80歳までの期間の方を重要視した方が良いように感じます。

不安やリスクばかり考えていては、何も判断できなくなってしまいます。

<1階の部屋数が少ない>

親世帯の生活スペースを2階にする上で一番問題になるのは、部屋数の問題です。我が家の完全分離型 二世帯住宅は

  • 施工面積:150㎡
  • 間取り:1階⇒2LDK  2階⇒3LDK

です。総2階造りのため、1階と2階の専有面積は同じです。でも1階は二世帯分の玄関があるため、生活スペースが狭くなってしまいます。1階の生活スペースを確保するためには、もっと施工面積を広げる必要があり、建築コストが高くなります。

二世帯住宅の1階が狭い  説明資料

少なくとも170㎡ほどは必要になります。1階を子世帯にする場合は、生活スペースをいかに確保するかがポイントになりますね。

完全分離型の場合、2世帯分の玄関があると難しいため、玄関共有型の二世帯住宅を検討するのも一つの手ですね。

玄関共有型でもポイントを押さえれば、プライバシー対策もしっかりできます。詳しくはこちらの記事を読んでみてください。

【玄関共有型の二世帯住宅はおすすめ⁉】ポイントは玄関スペースを独立させること - 大器晩成を信じて

上下分離型の二世帯住宅で2階を親世帯スペースにするポイント

ポイント イメージ図

これは私の持論でもありますが、二世帯住宅で生活音対策をすることは、何よりも重要です。

その生活音対策をするため、2階床を二重床にしたり、2階の子供部屋を1階の親世帯の寝室から離すため間取りを検討したり、など様々な工夫・対策をする必要がありますが、親世帯の生活スペースを2階にすれば、これらの対策は不要になります。

この2階を親世帯のスペースとして考える上で最大の課題は、1階(子世帯)の生活スペースをいかに確保するかですね。

⇒【30坪の二世帯住宅は狭すぎる⁉】完全分離型なら40坪以上がおすすめ

<2階エリアを親世帯のスペースにする まとめ>

  • 生活音対策は、これだけで十分(二重床の必要なし)
  • 1階(子世帯)の生活スペースを確保するため、施工面積が広くなる
  • 1階:親世帯 2階:子世帯のパターンより建築コストは高額
  • 間取りを自由に検討できる(音対策をした間取りが不要)
  • 将来の心配より、直近の充実を優先する

最終的には、親世帯と子世帯の意向、土地の広さ、予算などを総合的に考えて、どのパターンが良いのか決めることになりますが、検討してみる価値はあるので、これから二世帯住宅を建てようと考えられている方は、「2階スペースに親世帯」という視点を持ってみてはいかがでしょうか。

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