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二世帯住宅 × タマホーム

【FC加盟の工務店は本当に安心?】施主が知るべき最大リスクは「倒産」だった

家づくりを検討する際、地元の工務店にするか、ハウスメーカーにするかは多くの人が悩むポイントですね。

  • 本当はハウスメーカーで建てたいけど予算的に難しい
  • 地元の工務店で建てたいけど、どの工務店が良いのか情報がなくて分からない
  • そもそも地元の工務店の価格が安いのか高いのか分からない

などなど悩みは尽きないですよね。

そんな中で注目されているのが、フランチャイズ(FC)展開をしているハウスメーカーです。

これは「工務店の良さ」と「ハウスメーカーの信頼感」、双方のメリットを組み合わせた仕組みであり、地域密着の対応力と本部の技術・商品力を兼ね備えていて、これだけ聞くとすごく魅力的に感じます。

しかしその一方で、「加盟店ごとの施工品質のばらつき」や「本部と現場の連携ミスによるトラブル」「責任の所在がわかりにくい」などのリスクも存在します。

この記事では、FC展開している主要なハウスメーカーの仕組みや特徴を考察していきますので、これから新築をご検討の方は、ぜひ、最後まで読んでみてください。

■この記事を書いた人■

2012年にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を新築。

二世帯住宅での生活(生活歴11年)しながら、最もローコストで理想の二世帯住宅が、どういうものなのか研究。

実際にローコストハウスメーカーで二世帯住宅を建てた経験とその後の生活の経験を活かし、二世帯住宅の情報を発信中。

一男一女の父親。

 

フランチャイズ住宅メーカーの仕組みと魅力を解説

住宅業界では、「フランチャイズ(FC)方式」を採用するハウスメーカーが増えています。ここでは、FC展開ならではのメリットや特徴について解説します。

地元工務店と大手ブランドの「いいとこ取り」ができる

  • 施工・営業は地元の工務店が対応するため、対応が迅速で柔軟
  • 大手FC本部が開発する商品・設計・資材調達を活用でき、品質も安定
  • FC加盟店は全国にあるため、全国ブランドの信頼感も得られる

工務店の良さとハウスメーカーの安心感ですね。FCに加盟していない工務店の場合、情報も少ないので「きちんとした会社なのか?」「家は問題ないのか」という疑問が先に立ちますが、FCに加盟している工務店であれば、どんな家を建ててくれるのかイメージすることができます。

コストダウンが可能!ローコスト住宅を叶える

  • 部材の一括仕入れや共通仕様により建築コストを大幅に削減
  • 規格住宅が中心のため、設計・施工効率が高い
  • モデルプランから選ぶことで打ち合わせ回数が少なくて済む

基本的には直営系ローコストハウスメーカーのタマホームやアイダ設計と同じ考え方ですね。

デザイン・性能・施工力が両立できる

  • 商品開発・デザイン・断熱性能などはFC本部が研究開発
  • 地場の工務店は地域気候・地盤・風土に詳しく、地域に合った施工が可能
  • 加盟店には技術研修があるため、一定の施工基準を満たしている

これが実現できれば施主にとって理想的ですね。ただ、問題点もあります。(詳しくはリスクのところに記載)

アフターサービスは?地元密着だからできる安心対応

  • FC本部によっては長期保証・点検制度を全国統一で整備
  • 地域密着のため、トラブル対応もスムーズ
  • 本部の監査や品質管理もあり、安心して任せられる体制

一部例外を除いて地元工務店のアフターフォローは水準が高いです。というのも地元の人たちに嫌われては商売にならないので、悪評が立たないように対応してくれる工務店が多いからですね。

我が家の近くにも工務店がありますが、地域貢献という意識が強いです。

フランチャイズ展開している主なハウスメーカー一覧

ハウスメーカー名 運営会社 加盟数(目安) 特徴 参考坪単価(税込) 公式サイト
ユニバーサルホーム ナック 約180店 地熱床システム、FC専用商品あり 約55〜65万円 公式サイト
クレバリーホーム 新昭和FCパートナーズ 約150店 タイル外壁が標準、耐久性重視 約60〜75万円 公式サイト
アイフルホーム LIXIL住宅研究所 約200店以上 LIXILグループの設備が標準搭載 約50〜60万円 公式サイト
GLホーム LIXIL住宅研究所 約60店 北米スタイル住宅に特化 約55〜65万円 公式サイト
イシンホーム住宅研究会 イシン住宅研究所 約100社 太陽光や家事効率に強み 約55〜70万円 公式サイト
ロイヤルハウス ロイヤルハウス株式会社 約140社 自由設計と規格住宅の中間モデル 約55〜65万円 公式サイト
ゼロキューブ(LIFE LABEL) ベツダイ 約300社 規格住宅×デザイン住宅で人気 約55〜70万円 公式サイト
アエラホーム アエラホーム株式会社 約40店 高気密・高断熱のエコ住宅 約60〜70万円 公式サイト
R+house ハイアス・アンド・カンパニー 約200社 建築家とつくる高性能注文住宅 約70〜90万円 公式サイト
パパまるハウス パパまるハウス株式会社 約70店 東日本中心、ローコスト規格住宅 約45〜55万円 公式サイト

知名度の高い会社からあまり名前を聞いたことのない会社までありますが、どの会社もそれなりの規模でフランチャイズ展開をしており、価格帯はローコストですね。

ローコストハウスメーカーというとタマホームやアイダ設計を思い浮かべますが、施主にとってのメリットを考えるとFCに加盟している工務店という選択肢もいいですね。

ただ、当然ながらFC系工務店にもリスクはあります。

フランチャイズ住宅の5つのリスクと注意点

フランチャイズ展開は、コストパフォーマンスと地域密着のメリットがある反面、特有のリスクも存在します。契約前にこれらを把握しておくことが、安心・納得の家づくりに繋がります。

加盟店倒産によるサポート停止のリスク

  • FC本部ではなく加盟工務店が施工・アフターを担当するため、倒産するとサポートが受けられなくなる
  • 加盟店が施工中に倒産した場合、工事が中断・未完成になる可能性
  • 倒産リスクを避けるには、経営年数や財務状況、口コミを事前に確認

FC本部の会社規模が大きくても実際に家の建築・施工、メンテナンスを実施するのは、FCに加盟している工務店です。

その工務店がFCを脱退するだけならまだしも倒産してしまった場合、施主は建築後のメンテナンスに困ってしまう可能性があります。

契約前にFCに加盟している工務店の財務内容の確認は必須ですね。

 FC本部の責任範囲が限定されている

  • 契約・施工・保証の大部分が加盟店の責任範囲に限定される
  • 「大手ブランドだから安心」と思っても、実務の質は地域工務店によって異なる
  • トラブル時に本部が対応してくれないケースもある

施主にとって一番怖いのがFC本部か工務店か責任の所在がはっきりぜず、不具合発生時に対応してもらえないことですね。

品質・対応にバラつきがある

  • 加盟店ごとに施工体制や担当者のレベルが異なり、品質や対応に差が出る
  • クレーム対応や工事の丁寧さに対する評価が加盟店ごとに大きく違う

これはハウスメーカーで新築しても同じですね。ハウスメーカーがいくら施工・管理しても家の仕上がりにバラつきはあります。

規格化による将来的な制限リスク

  • 仕様が標準化・規格化されているため自由度が低い
  • 「その会社の建材・パーツでしか対応できない」などのメンテナンス制限もある

ローコストハウスメーカーと同様に価格を抑えるため、設計がかなり規格化されているため、完全な自由設計ではないケースが多いです。

FC展開しているハウスメーカーは基本的にコストパフォーマンスの高さが売りなので、規格から外れた設計にするとコスト高となってしまいます。

どうしても自由設計にこだわるなら、FC系の工務店ではなく、独立した工務店で検討するのが良いですね。

ブランドイメージの信頼性ギャップ

  • FC本部のブランド広告と、実際の現場対応にギャップがあることも
  • 「全国展開=全国統一品質」とは限らず、実態は加盟店次第

基本的にFCに加盟している工務店はそれなりの規模ですが、一般的にイメージするハウスメーカーのモデルハウスや事務所と工務店とでは雰囲気が違います。

「こんなこじんまりとした工務店で大丈夫かな?」と感じる工務店も多いです。

フランチャイズ住宅メーカーの脱退状況について

フランチャイズ展開をしているハウスメーカーでは、加盟数が多い一方で、時代や地域事情により加盟店の脱退(離脱)や倒産が発生することもあります。

これは施主にとってメンテナンス対応をしてもらえないなど、直接的なリスクになるので注意が必要です。

ユニバーサルホーム

かつては全国で195店舗以上を展開していたユニバーサルホームですが、2020年代に入り店舗数は約180店まで減少しています。確認されているだけでも、30社以上の加盟工務店が倒産・廃業・脱退しており、経営環境や地域ごとの需要変動が影響しています。

クレバリーホーム・アイフルホームなどLIXIL系FC

LIXIL住宅研究所が運営するクレバリーホーム・アイフルホーム・GLホームなどは、比較的安定した加盟数を維持しています。ただし、地方や人口減少地域では一部で加盟解消や廃業により、店舗統廃合が行われている例もあります。

R+house(アールプラスハウス)

急速に加盟店を拡大したR+houseですが、競争激化や営業支援への不満などにより、一部の工務店が脱退または独立ブランド化しています。特に地方都市では、1〜3年程度で契約を終了するケースも確認されています。

ゼロキューブ(LIFE LABEL)

ゼロキューブは、規格住宅ブランドとして急成長しましたが、加盟ハードルが低く事業経験の浅い工務店も多かったことから、一部では3年未満での撤退も発生しています。住宅市場の調整局面では、離脱が増える傾向があります。

その他(パパまるハウス、アエラホームなど)

ローコスト系や中小規模のフランチャイズでは、地域需要の変動や経営体力の問題により、個別に脱退・統合が進められていることが多く、加盟数は一定ではありません。特に新興地域での展開は、軌道に乗るまでの期間中に離脱リスクも存在します。

フランチャイズ展開しているハウスメーカーの最大のリスクは加盟工務店の倒産

フランチャイズ住宅メーカーは、全国展開と地域密着を両立できる魅力的なモデルですが、加盟店の経営状況や本部方針との相違による脱退は避けられない課題です。

将来的に新築需要は必ず減少していくため、加盟工務店の業績や後継者の有無がしっかり確認しておきたいですね。

FC系工務店で契約する際は

  • 財務内容の確認(倒産のリスク回避)
  • 工務店の後継者の確認(長期に渡って対応してもらえるかどうか)
  • 不具合発生時の責任範疇の確認(加盟工務店かFC本部か)

この3つか必ず確認した方がいいですね。

この記事でも解説させていただいた通り、FC展開しているハウスメーカーの加盟店で新築することには大きなメリットがありますので、しっかりリスクを見極めてハウスメーカー・工務店選びをしてください。

以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。